ダイソン「Pure Cool Link」発表会 - スマホで部屋の空気をモニタリング
Dyson Pure Cool Linkは、ダイソンが2015年4月に発売した「Dyson Pure Cool」の後継機。その名が示すとおり、新モデルでは本体にWi-Fi機能を搭載し、無線LAN経由でスマートフォンと接続できるようになった。専用アプリはiOS・Androidともに対応。アプリの主な機能は、製品の遠隔操作と空気のモニタリングだ。
アプリでは、室内だけでなく屋外の空気のデータも確認できる。データ分析会社のBreezoMeterと提携しており、全世界主要都市に設置された数千台のセンサーに基づくデータから、ユーザーが選択したエリアの情報をアプリに表示する。
空気の状態の他に、気温、湿度、天気の情報もチェック可能だ。
また、ホコリとニオイを検知するセンサーを新搭載。センサーから得た情報を空気のモニタリング結果としてアプリに表示させるほか、空気の汚染度に応じて自動で風量をコントロールするオート運転モードを実現した。気温や湿度ではなく、「空気の汚染度に応じて」という点が、空気清浄機能の進化を示している。
ダイソンの空気清浄機能付きファンは、前モデルから超微小粒子状物質PM0.1を99.95%取り除けることをうたっている。今回の新製品も、独自開発の「360°グラスHEPAフィルター」を継続採用。6.6メートルのマイクログラスファイバーを200回以上プリーツ状に折り畳んだ高密度フィルターで微粒子をとらえる。
また、吸引口とフィルターが円筒形で、360度全方位から空気を吸い込むことが可能。
内側はニオイを吸着する活性炭フィルターで覆われた一体型構造である点も特徴だ。さらに、吸引部のパネルとフィルターは分離できるように改良されている。
8畳を清浄する時間の目安は、タワー型が27分、テーブル型が30分。日本電機工業会の規定に基づく適用床面積はそれぞれ10畳、8畳となっている。これは一般的な空気清浄機と比べるとやや低めの数値だが、ダイソンはその理由を「PM2.5よりもさらに小さなPM0.1の捕集率を高めるため」と説明する。というのも、超微粒子であるPM0.1はその軽さゆえ、気流が速すぎるとフィルターに当たって反発したり、勢いにのってフィルターを透過してしまうおそれがあるのだという。発表会では、ダイソンが第三者機関に委託し、国内での売上台数上位25モデルを対象に行った試験の結果を報告。PM0.1の放出率が30%を超える機種もある一方で、Dyson Pure Cool Linkはわずか0.05%に留まったと自信を見せる。
そのほか、北里環境科学センターなどで行った試験結果では、浮遊ウイルスを90分で99.9%以上減衰させる効果が認められており、PM0.1レベルの空気汚染物質に対する高い捕集能力が実証されたとしている。
また、新たに「ナイトモード」も搭載。「オートモード」の運転時に設定しておけば、空気清浄のレベルを高めた場合でも、風量を4までに抑えて静かに運転する。LEDディスプレイも減光するので、ユーザーの睡眠を妨げずにすむとのことだ。
開発にあたっては、流体力学、フィルターシステム、気流やソフトウェア開発などを専門とする2,000人以上のエンジニアが24カ月にわたって問題解決に挑み、365個のプロトタイプを制作した。また、ユーザーインタビューを通して既存製品のフィードバックを実施。ナイトモードは、東京のユーザーの声を反映するかたちで生まれたものだという。ウィルソン氏は「さまざまな国の家庭に設置してテストを重ね、どのような家庭環境でもオートモードで室内の空気を浄化できるようなアルゴリズムを作成した」と、Dyson Pure Cool Linkの能力をアピールしていた。