2016年3月25日 15:08
世界最強の囲碁棋士にも勝ち越し - 半年足らずで劇的に強くなったAlphaGo
碁は、盤面が大きく250の150乗程度のバリエーションがあり、すべてをシミュレーションして評価することは事実上不可能である。また、将棋やチェスのように駒に役割が無く、石の配置だけで形勢の有利不利ができるのであるが、その評価が難しいなどの困難があり、人間の有段者に勝てるようになるには少なくとも10年はかかると見られていた。
このような状況で、2015年10月にGoogle DeepMindのAlphaGoが、 3度ヨーロッパチャンピオンになった経歴を持つFan Hui氏(プロ2段)と対戦し、5勝0敗で勝利したのは驚くべきニュースで、コンピュータ碁の歴史に残る画期的な出来事であった。
碁に限らないが、対戦ゲームの場合、Arpad Elo(アルパッド イーロ)教授が考案したElo Ratingシステムを使ってプレイヤーの評価とランキングが作られている。この評価システムでは、プロ棋士の初段が評価値2800程度で、プロ棋士最高位の9段は3500程度になる。
2015年10月の対戦の時のFan Hui氏の評価は2950程度で、AlphaGoは8GPUのシステムでは、2900程度と若干劣る評価であった。