純烈、小田井ラストイヤーと今後への思い “第2の純烈”構想も明かす
●小田井、紅白初出場が決定した頃に卒業を決意
心地よいムード歌謡や気さくな人柄で幅広い世代に愛され、4年連続で『紅白歌合戦』に出場しているスーパー銭湯アイドル・純烈。4月1日にメンバーの小田井涼平が年内で卒業することを発表し、リーダー・酒井一圭はその後、小田井卒業後に新メンバーを加えて活動する意向を表明した。今後の展開に注目が集まっている純烈を直撃し、小田井ラストイヤーへの思い、そして、小田井卒業後の純烈をどのように思い描いているのか話を聞いた。
酒井はこれまでに、新メンバーについて「増やすのは1人か2人」「オーディションではなく酒井フィルターを通して探す」「夏までには結論を出したい」などと話し、タレントのJOYやものまねタレントのニッチローらが名乗りを上げて話題に。今月9日にはグループのYouTubeチャンネルを更新し、新メンバーの基準について「愛される人柄」「素朴な人」などと語っていた。
――小田井さん卒業発表はファンに衝撃を与えましたが、メンバーの皆さんかなり前から聞いていたということで、もう落ち着いた気持ちでしょうか?
酒井一圭:全然衝撃は。だいぶ前からわかっていることですから。
小田井涼平:事務所の社長に話したのは2018年の1回目の紅白出場決定あたり。
そのときに50歳くらいで辞めたいって話をしているので。僕の中では、紅白は1回出られたら自分の夢も果たせたことになるからそれでいいと思っていて。でも運よく2、3、4回と続き、期せずして何回も出られたみたいな気持ちがありました。ほとんど歌ってないので、本気で目指して頑張っている人には申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、グループだったらこういう出方もあるということですよね。1回目、僕、「シュワシュワ」だけで出たんですよ。
酒井:僕も「シュワシュワ」しか言ってない(笑)。後上も「あげたい」しか言ってないよね。
後上翔太:4文字くらいでした(笑)
――小田井さんはソロで紅白を狙うということは?
小田井:狙わないですよ(笑)。
ソロで出たら国民全員、敵に回すことになるのでそれはないです。
――卒業後については具体的にまだ話されていないですよね。
小田井:今の段階で辞めてからの話をするとそっちに向かっている人になってしまう。最終的に12月31日の紅白で終わらせたいというのが僕の希望で、5回連続出て、紅白の終わりと同時に自分の純烈ライフも終わるというのが一番きれいな終わり方だと思うのでそれを目指すと。今、来年こういうことをやりたいって話すと、次を見ていることになる。まあ、見ているんですけどね(笑)。
酒井:食わなあかんから!
白川裕二郎:頑張ってほしいな。
――グループとしても年内は4人の活動に全力という思いではあると思いますが、酒井さんは新メンバー探しという大事な任務が進行中です。
酒井:小田井さんを見送るという大切なテーマが大前提だけれども、小田井さんもその後の個人の活動も考えないとあかんし、マネージャーも「まだ内緒ですが小田井が脱退することになっていて……」では営業しづらい。それやったら4月1日ド~ンと発表しようぜって。オープンに一個一個丁寧に積み重ねて、いい人いないかなって動いていることをインフォメーションしながらやっていきたいと思います。
――隠し事がないほうが活動しやすいですよね。
小田井:吉本の芸人さんと共演させてもらう『ユーラン・ルージュ~笑いの源泉かけ流し!~』(6月3日・4日)も、僕が卒業しますというのをネタ的に扱われるのであれば、いじったあなたが純烈メンバーになって、この4人で1曲歌ってもらいます、というのをやってみたいよね。
酒井:やってみたい!
小田井:斎藤(司)さんや河本(準一)さんが入ったら歌唱力バーン上がるで!
白川:「ペッ」ってやってくれるかな(笑)
酒井:意外と馴染むかもしれない。そして、ほんまに入ってほしい。トレンディエンジェルと純烈、次長課長と純烈の掛け持ちで。
小田井:横で見ていてあまりにもぴったりハマっていたら、ジェラシーで「やっぱ辞めるの辞めるわ」ってなるかも(笑)
●来年の人数は“4人”の方向「今現在は…」
――小田井さん脱退後の人数は4人か5人とのことですが、メンバーやスタッフさんに希望を聞いたところ後上さんだけ「4人」、後上さん以外全員「5人」と答えたそうですね。
後上:奇数になるとセンターがしっかりできて、フォーメーションとしてきれいになりすぎる。純烈って、“そろわないダンスでお馴染みの味”みたいのがあるんですけど、フォーメーションがきっちりしすぎると、“そろわない味”が、ただの“そろってない”にならないかなと。酒井:ええこと言うわ! 僕もそれ同感やねん。
小田井:後上くんの発想でいくと、センターを作って踊れる体制にしてガチャついているほうが面白い。
酒井:あかん! だいたい4人の方向やねん。
小田井:でも、後上くんのこれは表向きの理由で、本当は5人にしたらギャラの分け前が減るから。
後上:シー! それは魂の叫びのほう(笑)
――酒井さん的に、4人の方向なんですね。
酒井:今現在は6:4で4人のほうがええと思っています。2人教育していくって普通の会社でもむずくないですか? 5人にするんだったら、4人のあとにもう1人とか。同時に2人は、双子ちゃん生まれるようなもんですから。
小田井:5人目はイヌとかね。
酒井:あほみたいなこと言うな(笑)
小田井:よう見たら背中にファスナーついていて、80歳くらいのおじいちゃんが中に入っていたら面白いやろ(笑)
酒井:もう言いたい放題! 腹立つわ(笑)。でも小田井さんは小田井さんで、自由にしゃべれるけど、一人で生きていくって新しい冒険やからね。
小田井:それこそ、卒業後に例えば番組でレポーターみたいな仕事がしたいって言っても、吉本の芸人さんたちいろんな番組でいろんなレポートの仕事をやられていて、そこと1人で勝負していかなあかんから。大変ですよ。
●“第2の純烈”構想も新グループのリーダーは後上!?
――純烈さんの今後についてですが、モーニング娘。さんやAKB48さんのように、今後も誰か卒業したら新メンバーを加え、永遠に続くグループを目指すのでしょうか。
酒井:永遠には続かないです。今、40~60代の方を中心に、もっと高齢の方も見に来てくれていて、後上とかがバラエティに出る機会も多いので若いファンも増えています。ジャニーズさんを見ていても、先輩のグループがあって、後輩のグループがあって、30代、20代、10代の方向けといろいろある。僕らは40代ぐらいになったら楽しめる、昭和歌謡とか落ち着いて聞きたいというジャンルですが、一個下のグループを作るというマインドになっています。
白川:第2の純烈ということかな。
――後輩グループを考えられているんですね。
酒井:小田井さんを送り出し、新しい人を定着させ、自分はこのグループにいるけど、新しいグループを作る。お風呂屋さんかわからないけど、純烈みたいにおじいちゃんおばあちゃんからも拍手してもらえるような身近なグループというイメージです。そして、後上が次のグループのリーダーになればいいと思っています。ラーメン二郎、大勝軒ののれん分けみたいな。純烈のメンバーでありながら新メンバーのリーダー&メンバーという兼任で。
後上:そうなるとギャラはどうなるんですか?(笑)
酒井:それはお前が経営せえよ! スープの味だけ分けてあげるから。
後上:ゼロから。やぶさかではないですね。経営者として頑張りたいと思います!
――前向きですね!
酒井:後上のほうが才覚はあると思う。俺らは普通の庶民やけど、後上はおじいちゃん医者、お父さん銀行員、自分は東京理科大学中退、帝王学はあるからね。純烈の15年もすごい経験だと思うし。
後上:最後オチで「中退」ってついてる(笑)
――さらにその先、第3の純烈もできるかも!?
酒井:そこらへんまでやな。
――永遠ではないけれど、魂を受け継いだ新グループが誕生していく可能性があると。
酒井:そう。だってお風呂屋さんも盛り上げなあかんからね!
小田井:僕も、ソロになって「小田井涼平 from 純烈 TRIBE」ってなりますから。
後上:TRIBEって言っちゃったじゃん(笑)。でも我々、TRIBEではなく、純烈一家とか、そういう感じじゃない!?
●3人はできる限り活動将来は“スーパー線香アイドル”!?
――純烈さん自体は、基本的には同じメンバーのまま、ファンの方と一緒に年齢を重ねていくわけですね。
後上:70代になった純烈が90代の方に向けて歌う「プロポーズ」とか、ちょっと見てみたいですね。
――年齢的な不安などはありますか?
酒井:俺らは割とほんわかしているので。小田井さんは欲の塊。売れたいし、まだまだいきたいしって。
小田井:年齢に対する焦りが人一倍あるから。体力的にキツいと思っても、みんな僕の年齢に達してないから共有できず、それに対しての焦りはずっとありました。45歳過ぎてからやばいくらい体力が落ち、疲れ方や疲れの抜けなさが半端ない。それが年々ひどくなってくるから、続けるのはしんどいなって。辞めるという決断は勇気がいりましたけど、これ以上いてもメンタル的にも体力的にも自分がしんどいやろうなと。小田井さんのせいで足引っ張られているやんって思われる前に辞めようと思ったんです。ポカも増えてきて。
酒井:でも小田井さんより後上さんの若年性ポカがひどい。年間何回財布なくすねん問題(笑)
小田井:一昨日、財布をなくしたばかりで、昨日今日は心ここにあらずだと思う。
後上:それが、財布なくしすぎて全く焦りがないんです。次は財布にチップを入れようって。なくしても見つかるようにしておけばOKでしょって。
酒井:もともとのキャラもあるけど、ここ最近多発しているね。
白川:でも、リーダーも落とし物多くない!? 財布や携帯を落としたり、衣装忘れちゃうとか。けっこう落としているイメージ。
後上:裕二郎さんが本当にないから。
酒井:僕は新メンバーで頭いっぱいだから(笑)
――お三方は、体力の限界を超えても、できる限り活動していきたいという思いでしょうか。
酒井:そう。最後は「ファンのみんなありがとう」って、ファンの方が天に昇っていくのを歌いながら手を振る“スーパー線香アイドル”でいきたいと思います。
白川:決まったね(笑)
酒井:決まったかな(笑)
――白川さんと後上さんも同じ思いですか?
後上:長く続くってすごくありがたいことだと思うし、続けられるだけ続けられたらいいなと思いますね。
白川:できればそういう風になればいいかなと。最後は骨までも拾ってあげたいです。
――ファンの方への愛がすごいですね。後輩グループもいずれはそういう風になってほしいですか?
酒井:世代が違うので、彼らは彼らの、同世代や上の世代に可愛がっていただける感覚・距離感で楽しくやってもらえればと。なり手がいるのかもまだわからないですし、芸能界は水物の世界なのでわからないですけど、若いファンの皆さんを見たときに、下のグループも作ってあげたほうが喜んでくれる人が多いなという手応えを、純烈をやりながら感じました。
●小田井の純烈ラストは「紅白で区切りをつけられたら」
――先のビジョンを教えていただいたところで、小田井さんラストイヤーの2022年をどのようにしていきたいかお聞かせください。
酒井:僕らは「夢は紅白! 親孝行!」というキャッチフレーズで、今もファンの皆さんと同じ夢を見ながら進んでいるグループ。12月31日は『紅白歌合戦』のステージで、今歌っているシングルを小田井さんと一緒に歌って区切りをつけられたらという気持ちです。小田井:僕の中ではこれまでと変わらないスタンスで、同じことを同じペースでやろうと思っています。それが今まで自分がやってきたことに対する答えだと思うし、特別感というのは、ファンの方々が卒業することに対して特別な思いで見てくれていると思っています。だからこっちが過剰に何かをするというより、これまでと変わらず、汗だくで踊って終わろうかなと。それが最終的に紅白につながって、紅白のステージの汗が一番最後になればいいなと思いますが、それはあくまで希望ですから。その結果にならなかったとしても、そこまでやってきたことに対しては後悔しないので、受け止めるつもりです。どっちに転がっても年内いっぱいは純烈のメンバーとして楽しんで終わりたいと思います。
――白川さんと後上さんは、小田井さんとやっておきたいことはありますか?
白川:15年間一緒に過ごさせていただいて、我々スーパー銭湯アイドルと言われていますが、小田井さんの大きな背中をお風呂で洗ってあげたい。
酒井:すごい!(拍手)白川は高齢のお母さんと一緒にお風呂に入って洗ってあげているから。
白川:もう動けなくなってしまって僕は入れられないんですけど、その前までは入れてあげていたので。
酒井:介護やな。
小田井:お母さんの話からこっちに来たら完全に介護やね(笑)。ちゃんとお尻の穴も洗ってね。
白川:もちろん(笑)
――後上さんはいかがでしょうか?
後上:やってなかったことという意味では、4人だけで乾杯は1回もやったことないのでやってみたいです。
酒井:恥ずかしい(笑)。事務所が変わるわけでもないし。
――今まで4人だけの乾杯がなかったというのは意外です。
後上:リーダーが飲めないというのもあって。
白川:「エイエイオー!」もやっちゃう!?
後上:円陣はDVD収録のときにやったけど絵にならないからカットされていましたね。
酒井:「よっしゃー!」「行くぞー!」とか、気合を入れるというのをこのグループでは禁止していて。それ言う人、ろくなヤツおらん。
白川:そんなことない(笑)
酒井:「よっしゃー!」ってやると力が入って音を外したり……そうではなく、常に60点でいいよって。純烈はそういうグループやから。
■純烈
元戦隊ヒーロー出身の俳優を中心に結成されたムード歌謡コーラスグループ。メンバーは酒井一圭、後上翔太、白川裕二郎、小田井涼平の4人。2010年6月「涙の銀座線」でメジャーデビュー。2017年にリリースした「愛でしばりたい」がオリコン演歌チャート初登場1位、総合チャート5位を獲得。“スーパー銭湯アイドル”として注目を浴びる。2018年に目標に掲げていた『NHK紅白歌合戦』初出場を果たし、以降4年連続出場中。今年4月1日に、小田井が年内でグループを卒業し、来年以降ソロで活動していくことを発表。その後、酒井が新メンバーを1人か2人加えることを発表し、新体制にも熱い視線が注がれている。
■スーパー銭湯LIVE『ユーラン・ルージュ~笑いの源泉かけ流し!~』
有楽町のど真ん中に突如現れたスーパー銭湯「ユーラン・ルージュ」を舞台にしたノンストップコメディLIVE 。6月3日・4日の2日間、東京・有楽町よみうりホールにて開催(全3回)。6月4日の2公演はオンライン配信も実施。