リンクス、ECS製品の新モデルを多数発表 - 小型PC「LIVA」や組み込み向けボードPC、文教向け2in1 PC・ノートPCなど
リンクスインターナショナルは1日、エリートコンピューター(ECS)の新製品として、小型PC「LIVA」シリーズ、組み込み向けボードPC、文教向け2in1 PCおよびノートPCなどを多数発表。4月9日から順次発売する。
○ファンレス小型PC「LIVA X2 Pro」
まずはファンレス小型PCの「LIVA X2 Pro」。基本的に個人向けLIVA X2と同じだが、法人ユーザーからのリクエストに応えて、Windows 10 Proをプリインストールした。4月9日から発売し、メーカー希望小売価格は48,800円(税別)だ。
主な仕様は、CPUがIntel Celeron N3050(1.6GHz)、メモリがDDR3L 4GB、ストレージがeMMC 64GB、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)。通信機能としては、Gigabit Ethernet対応有線LAN、IEEE802.11ac/a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0を備える。
インタフェース類は、HDMI 1.4a(4K出力対応)、D-Sub、USB 3.0×2、2A出力対応のUSB 3.0×1、音声出力/マイク入力コンボジャックなど。
VESAマウント75mmと100mmに対応したマウンタが付属し、同じくVESAマウント対応の液晶ディスプレイ背面などに取り付けることも可能だ。本体サイズはW156×D83×H51mm、重量は約560g。
○Qi対応の小型PC「LIVE STATION」
続いて「LIVE STATION」だ。ワイヤレス給電のQiに対応した小型PCで、ストレージにSATADOM(組み込み・産業用のSATA)を採用しているのが特徴。本体の上面にQi対応スマートフォンなどを置くと充電できる(出力は5V/1A)。2モデルを用意し、どちらもメーカー希望小売価格は34,980円(税別)。4月9日から発売する。
両モデルの主な違いは、メモリとストレージの容量、OSの有無だ。
型番「LS-2-32-W10」は、メモリがDDR3L 2GB、ストレージがeMMC 32GBで、Windows 10 HOMEをプリインストール。一方の型番「LS-4-64」は、メモリがDDR3L 4GB、ストレージがeMMC 64GBで、OSはプリインストールされない。そのほか共通の仕様として、CPUがIntel Celeron N2830(2.16GHz)、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)、通信機能がGigabit Ethernet対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0だ。インタフェース類は、HDMI 1.4a(フルHD出力)、USB 3.0×2、USB 2.0×2、音声出力/マイク入力コンボジャックなど。VESAマウント対応だが、マウンタは付属しない。本体サイズはW116.6×D112×H45.6mm、重量は約536g。
●組み込み用の小型PCボード、文教向け2in1 PCとクラムシェル型ノートPC
○組み込み用の小型PCボード
組み込み用の小型PCボード「BAT-MINI2」は、LIVA Xのメインボードだけを単独で販売するもので、前モデルのBAT-MINIはそれなりの採用例があるという。新バージョンではmSATAを採用したため、UEFIに対応していないOSでも利用できるようになった。
出荷は随時対応で価格は個別見積りとなっている。
主な仕様は、CPUがIntel Celeron N2808(1.58GHz)、メモリがDDR3L 4GBまたは2GB、ストレージがeMMC 64GBまたは32GB(拡張スロットとしてmSATA)、グラフィックスがIntel HD Graphics(CPU内蔵)。
通信機能は、Gigabit Ethernet対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0を備える。インタフェース類は、HDMI、D-Sub、USB 3.0×1、USB 2.0×2、音声出力/マイク入力コンボジャックなど。本体サイズはW135×D83×H40mm、重量は約90g。
○文教向け2in1 PC、クラムシェル型ノートPC
文教向けに開発されたPCを2モデル投入。10.1型2in1 PCは丸みを帯びたデザインで、落下(70cm)といったやや乱暴な扱いにも耐え、IP52相当の防塵・防滴性能を持っている。事案に応じたカスタマイズに対応し、参考展示の製品にはHUAWEI通信モデムが実装されていた。
6月以降の出荷を予定しているそうだが、学期始まりを考えると、現実的には来年度以降の出荷だろうか。価格は未定。
10.1型2in1 PCの仕様概要は、SoCがIntel Cherry Trail Type3、メモリがDDR3L 1GBまたは2GB、ストレージがeMMC 16GBまたは32GB、タッチ対応の液晶ディスプレイが10.1型1,280×800ドット。通信機能はIEEE802.11b/g/n対応無線LANとBluetooth 4.0を備え、オプションで3G通信に対応可能だ。
センサー類は、標準で加速度と照度、オプションでジャイロと電子コンパス、NFCとなる。インタフェース類は、microUSB、microHDMI、microSDスロット、microSIMスロットなど。重量は、PC本体(タブレット部)が795g、キーボードドックが545g。両者を合体したときの本体サイズはW278.9×D193.8×H23.15mm。
一方、11.6型ノートPCの仕様概要は、SoCがIntel Braswell-M(Pentium N3700/N3150/N3050/N3000)、メモリがDDR3L 2GB/4GB/8GB、ストレージがeMMC 16GB/32GB/64GBとなる。ストレージは、eMMC+7mm厚2.5インチHDD(320GB/500GB)や、7mm厚2.5インチHDD(320GB/500GB)のみの構成にも対応可能。OSはWindows 10で、11.6型の液晶ディスプレイはTN方式、解像度は1,366×768ドットだ。
インタフェース類は、USB 3.0、USB 3.0 Type-C、USB 2.0、microSDスロット、HDMI、音声出力/マイク入力コンボジャックなど。本体サイズはW305×D201.5×H19.9~23.8mm、重量は1,385g(eMMCモデル)。
●リンクスとプラネックスが協業
製品発表会では、リンクスインターナショナル 代表取締役の川島義之氏があいさつを行い、小型PC製品LIVAについて紹介。二年前に扱いを開始したLIVAは、認知度も向上。最初は小売り向けから始まったが、ソリューション販売や組み込み向けのボード販売でも実績を伸ばした。
今回の発表会は、法人向けのLIVAや、ケータイ/スマホと連動した新しい提案、教育用タブレットが中心だ。
続いては、日本エリートグループの岡山偉信氏がスピーチ。LIVA X2 Proは、法人からの問い合わせが増え、Windows 10 Proが欲しいという要望に応えた機種とした。LIVE STATIONはIntelのNUCと外見が似ているが、Qi対応であり、スマホの充電にも使える点を強調。名前の通り「生活に密着して使ってほしい」という。教育用タブレットに関しては、これまでIntelのクラスメイトPC製造に携わってきている。過去に数百万台の製造を行っていたが、その経験を生かして今回の製品を発表したと経緯を述べた。
ゲストとして、プラネックスコミュニケーションズの藤澤利之氏が登壇。
ネットワークカメラのソリューション「スマカメ」をベースとして、簡易性を企業ユーザーにも使ってほしいということで、PC用ステーションソフト「スマカメPro」を発表した。リンクスと協業して、LIVA X2 Proと組み合わせて販売したいと語る。