犬は家族のメンバーをランキング付けし、自分より順位の低いと決めた人の言うことは聞かなくなるので、注意しなくてはいけないと言われます。犬の祖先のオオカミはチームで生活をする動物であったため、争いを抑えるためにこのような順位制が取られたと考えられています。一方、猫の世界ではこのような上下関係は存在するのでしょうか。
○猫は群れない
オオカミのチームとは対照的に、ネコ科は(ライオンを除き)群れを作らない動物です。野生環境では、幼少期を母親と過ごした後は、発情期以外で他の個体とは関わることはありません。
そのため、猫は犬のような厳格な順位制を取らないと考えられています。実際には、猫の社会では優位なオス猫が現れることはありますが、それは縄張りを主張するために支配的な振る舞いをするためです。順位制を敷く動物のリーダーのように、食事を優先して与えられるような特権は持っていません。
○猫社会にも変化が
しかし、猫を取り巻く環境も大きく変化しています。人の歴史の中で、農業が発展するにつれ、害獣であるネズミを捕食する猫は人間と共生するようになります。さらにここ数十年で、猫はネズミ捕りとしての実益を求められるのではなく、家族として家庭に迎えられるようになり、さらに生活環境が変化しました。