ドリカム中村&岡田惠和、挑戦的ドラマ企画に刺激「勝ちたい」「嬉しかった」
●お互いの印象「優しさがあふれ出てる」「人を元気に」
スターチャンネルオリジナルドラマプロジェクト『5つの歌詩(うた)』(全5話)が、7月7日に配信スタートする。同プロジェクトでは、脚本家の岡田惠和、渡邉真子、濱田真和がチームを組み、DREAMS COME TRUEの楽曲をドラマ化。「空を読む」、「マスカラまつげ」、「 TRUE, BABY TRUE.」、「何度でも」に加え、このドラマ企画のために書き下ろされた新曲の計5曲がオリジナルストーリーとして映像化される。
マイナビニュースでは今回、特別番組「オリジナルドラマ『5つの歌詩(うた)』スペシャル対談!中村正人×岡田惠和」収録直後の中村正人と岡田惠和にインタビュー。お互いの印象や、今回の企画に対する思いを聞いた。
○■「イイっすね!」って伝えるべき
――特別番組の収録を終えて、お互いの印象を教えてください。
中村:岡田先生は、優しさがあふれ出てますよね。まあ、どこか腹黒いところもあるんだろうけど(笑)。
そうじゃないと脚本は書けないので。とにかく優しいし、その優しさが作品にも出ている。今一番世の中に必要なものを持っている方だと思います。
僕は岡田先生が脚本をお書きになった朝ドラ『ちゅらさん』が大好きで、どんな理由をつけても続編を作ってほしいくらい(笑)。今放送している『ちむどんどん』も沖縄のお話なので、『ちゅらさん』と時代が重なるなあ、なんて思いながら観ています。
岡田:『ちゅらさん』でいうと、『ちむどんどん』はちょうど、恵里ちゃん(『ちゅらさん』ヒロイン)が生まれたくらいの時代ですかね。
中村:そうそう。そういえば、沖縄が舞台の朝ドラって、ほかにもありましたよね? 確か……『フミコとハツ』!
岡田:『純と愛』ですね(笑)。
中村:全然違いました(笑)!
――違いましたね(笑)。岡田さんは、中村さんにどんな印象をお持ちですか?
岡田:中村さんの“陽”な明るい感じは、音楽もそうなのですが、人を元気にすると思います。実は僕、こういう対談や取材が得意なほうじゃなくて。上手く喋ったりできないから、物書きになったタイプなんですけど、今日は中村さんと一緒だから安心して話せています。
中村:(対談や取材が得意じゃないという人は)物を書く人に多いのかもしれませんね。うちの吉田(美和)もそうです。あふれる思いがあって、あんなにいい言葉をいっぱい発信するのに、それこそインタビューだったり、MCだったりで、自分のことを発信するのが一番苦手。
岡田:そうなんですね。
でも今回は、ドリカムさんとご一緒させていただくということで、事務所のスタッフにも「苦手な対談や取材も頑張る」と伝えました(笑)。
中村:本当ですか(笑)!? やっぱり、岡田先生くらいになると、刺激がなくなるんじゃないかなと思うんです。篠山紀信さんもずっと言ってましたね。「LOVE LOVE LOVE」って作品でジャケットを撮ってもらったんですけど、僕、生意気にも紀信さんに「先生の写真イイっすね!」って言ったんです。そうしたら、スタッフの皆さんの顔がサーって青ざめた(笑)。でも、紀信さんは「本当? 最近誰も俺の写真がいいかどうか言ってくれないから、嬉しいよ! 」って、すごい喜んでくれて。
――それを言ったのが中村さんだからこそ、紀信さんも喜ばれたんだと思います。もし今、私が岡田さんに「先生の脚本イイっすね!」と言うのとは別物といいますか……
中村:言っていいんですよ(笑)! 岡田先生は下の世代の皆さんに訴えかけてるんだから。
ね、先生(笑)?
岡田:そうですね(笑)。
中村:「マイナビニュースの記者に褒められた」って、岡田先生も刺激になるんだから。年齢なんて気にせず、ちゃんと「イイっすね!」って伝えるべきだと思いますよ。
●中村の考える“メジャー”論「一番の成功者は…」
○■岡田「シンパシーみたいなものを感じます」
――なるほど……心得ます。世代の話でいいますと、対談のなかで、中村さんが下の世代のアーティストとそのマーケットまで意識していると話されていたのが印象的でした。岡田さんも脚本を書く上で、同様のことを意識されたりはするんですか?
岡田:マーケットに合わせて脚本を書くことはないですね。でも、アーティストの方もそうだと思うのですが、僕らの上の世代は商業的なことをどこか好まなかったんだけど、僕らの世代くらいから、脚本でも音楽でもなんでもちゃんとそこと向き合って、何かを売ろうとすることを恥ずかしいと思わなくなったんじゃないのかな。
だから、作りたいものとビジネスの間で、一生行ったり来たりしている。
中村さんとは同学年ということもあって、そういうところでもシンパシーみたいなものを感じます。中村:その一番の成功者は椎名林檎さんじゃないかな。アーティストであり、ビジネスマンであり、プロデューサーでもある。しかも、サブカル的なんです。
岡田:そのポジションって難しいですよね。
中村:申し訳ないけど、僕や岡田先生は“メジャー”って言われちゃうから。若い世代が一番嫌いなものでしょ(笑)?
――そんなことありません(笑)! ドリカムの音楽と岡田さんが書かれた脚本の作品にたくさん影響を受けています。
中村:本当かな(笑)? その一方で、米津(玄師)くんやRADWIMPSたちは、いつまでもカリスマ性がある。
ドリカムはそこにはなかなか入っていけないですよね。今のセールス的に言ったら、うちなんかめっちゃ“マイナー”なのに(笑)。
でも、“メジャー”だと思われているから、「明るいだけでうんざり」「ポジティブで気持ち悪い」とかなんとかディスられて、「ちゃんと聴いてくれてる?」って思うこともあります。言いたいことは山ほどあるんだけど、それじゃあダメで、ちゃんと聴かなくても伝わるように僕たちがしなきゃいけない。だから、僕みたいにペラペラと喋るより、岡田先生みたいに「取材が苦手」と言うくらいのほうが戦略的にはいいんですよ。ね、先生(笑)?
岡田:いや、分かんないです(笑)!
一同:(笑)。
●新企画への思い「勝ちたい」「嬉しかった」
○■新たな挑戦に刺激
――『5つの歌詩(うた)』では、ドラマ化が前提にあった上で、ドリカムが新曲を書き下ろすという試みがなされました。中村さんと吉田さんにとっても、岡田さんにとっても挑戦であり、大変な企画だったのではないかと思います。
中村:岡田先生も吉田も大変だったと思います。でも、我々は刺激になりましたし、岡田先生も刺激になったんじゃないのかな? さっきの篠山先生の話じゃないけど、やっぱりキャリアを積むと、こういう挑戦的なシチュエーションはなかなかなくなってくるから、新しいチャレンジに参加させてもらえるのは本当にありがたいし、勝ちたい。スターチャンネルの社長も「一石を投じたい」とおっしゃっていたけれど、波紋を投じて、他社がスターチャンネルに続くような先駆けになりたいです。
岡田:こうして新しいチャレンジをする時に、僕のことを思い浮かべていただけたことがまず嬉しかったですし、今まで接点のなかったドリカムさんとの組み合わせで呼んでいただいたことも、ちょっと上からで申し訳ないんですけど、「分かってんじゃん」と(笑)。僕の書く作品のファンでいてくれる人は、ドリカムさんのファンだという人の比率が高い気がしていたので、同じように親和性を感じていただけたことも嬉しいです。
――今回の企画のために書き下ろされた新曲について、中村さんは「吉田が珍しく今をつかんでいる楽曲」と表現されていました。その楽曲を元に脚本を書かれてみて、いかがでしたか?
岡田:僕は、強い意志といいますか、楽曲の濃さに感動しましたね。ある種の宣戦布告なんだろうなという感じがしましたし、ノウハウで新曲の引き出しを開けていない感じが素敵だなと思いました。
中村:映像を観ていただけたら分かると思いますが、「あの映像にあの曲なのか!」という風に感じてもらえるはず。岡田先生が秘めている毒というか、いい意味での攻撃性があって、この楽曲をドラマのオチに持ってこれたのはとても良かったと思います。岡田先生と吉田が作り上げた言葉の集積で、予定調和じゃないんですよね。親和性がありながら、ぶつかり合っていて、お互いの言葉をシェイクしてる。
ドラマの最後にドリカムの曲をフルで流してくれて、「尺足りるの?」ってドキドキしちゃうから、もっと短くしとけば良かったと思いながら観てたんですが(笑)、過剰な情報がなくて、本当に綺麗に流れる。そしたら改めて、ドリカムの楽曲の詩とドラマのストーリーが合体して、岡田先生が作った世界がグワっとくるんですよ。楽曲の詩が単独で与えた想像の世界じゃないのがすごくいい。視聴者の皆さんには、ドリカムと岡田先生が手がけたものということは一旦忘れてもらって、余計なコーティングなしで、スターチャンネルの新たなチャレンジとして観てほしいなと思います。
■岡田惠和
1959年2月11日生まれ。東京都出身。1990年、『ドラマチック22 香港から来た女』(TBS系)で脚本家としてデビュー。以降、『南くんの恋人』(テレビ朝日系)、『若者のすべて』(フジテレビ系)、 NHK連続テレビ小説『ちゅらさん』、『最後から二番目の恋』(フジテレビ系)、映画『いま、会いにゆきます』(04)、『余命10年』(22)など数々の話題作を手がける。
■中村正人
1958年10月1日生まれ。東京都出身。1989年、DREAMS COME TRUEとしてシングル「あなたに会いたくて」とアルバム『DREAMS COME TRUE』の同時リリースでデビュー。以降、「決戦は金曜日」「未来予想図II」「LOVE LOVE LOVE」「やさしいキスをして」「大阪LOVER」「何度でも」など数々の名曲をリリース。来年2023年には、4年に一度のグレイテストヒッツライヴ「史上最強の移動遊園地DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2023」の開催を予定している。
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