北野日奈子、乃木坂46での9年間で「自分のことを好きでいられるように」 今後についても語る
●「目標がないことがコンプレックス」も焦らずじっくり
今年4月にアイドルグループ・乃木坂46を卒業した北野日奈子が、7月8日より東京・紀伊国屋ホールで上演される舞台『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』でヒロイン・小夏を演じる。本作が、乃木坂46卒業後初の演技の仕事となる北野に、今後の活動についてインタビュー。乃木坂46での9年間による自身の変化も聞いた。
乃木坂46を卒業してから2カ月、「今までアイドルとして活動していて、今後どうなっていきたいか考えたこともなかったんですけど、いざ卒業してアイドルじゃなくなった自分を見たときに、目標がないことが自分の中のコンプレックスになっている」と語る北野。
だが、すぐに進む道を決めたいと焦っているわけではない。
「今、舞台をやらせてもらっていて楽しいですし、舞台が終わったときに『演じるって楽しい、またやってみたい』と思えるのがいいと思いますが、女優さんとして一生懸命頑張りたいとすぐ決めるのではなく、いろんなことを経験して、どれが一番楽しかったか、どれを突き詰めていきたいか探して、ちゃんと答えが出せるように過ごしていきたいです」
女優の道も候補の一つだが、モデルの仕事にも意欲を見せる。「撮影もすごく好きで、昔、雑誌のモデルもやらせてもらっていたので、そういうこともできたらいいなと思っています」
また、「ファンの方との交流もすごく好きなんですけど、乃木坂46ではなくなった途端に減っていしまったので、これからちゃんとそういうタイミングを作ってファンの方と心をつなぎ合えていけたら」と述べ、「視野を広くしていろんなことを楽しめるようになりたいです」と話した。
2013年に乃木坂46の2期生オーディションに合格し、芸能界に足を踏み入れた北野。
友人が知らぬ間に応募していたことをきっかけにオーディションに参加し、見事メンバーに選ばれた。
「乃木坂46との縁を結んでもらってよかったなと思います」と感謝。ちなみに、北野を応募した友人は、『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』を見に来てくれるのだという。「先行でチケットを取ってくれたみたいで、すごくうれしいです」
友人の応募によって開かれた芸能界の道。いつから仕事としてやっていく覚悟が固まったのか尋ねると、「仕事としてやっていこうと思ったことはない気がします」と答え、「もちろんお仕事なんですけど、お仕事としてやっている意識というよりも、芸能界に入って世界線が全く変わったので、違う世界線で生きている感じです」と説明。「仕事というよりも自分が好きだから一生懸命頑張るという風に考えてきたので、つらいこともありましたが楽しかったなと思います」と乃木坂46の活動を振り返り、「今も楽しいという思いで続けています」と話した。
●ファンやメンバーの言葉が「自信の一つになっている」
乃木坂46で9年間アイドルとして活動し、自身も大きく変化した。
「自分が好きな自分でいられるようになったのが一番変わったところかなと思います」と述べ、「学生時代は人間関係で悩んで、学校に行けなくなったときもありましたが、そんなときに友達の応募があってこの世界に入ったので、当時の自分とは全く違って、今の自分をちゃんと誇れているし、自分のことを好きでいられるようになりました」と語る。
自分を好きになれたのはファンや周囲の声が大きいという。
「ファンの方から『日奈子ちゃんの頑張っている姿を見て勇気をもらったよ』と言ってもらうこともありますし、メンバーからも卒業するときに『きいちゃんがいてくれてよかった』と言ってもらえたり、乃木坂のスタッフさんに『お前こそが乃木坂だなって』と言ってもらえたり。そんな言葉をいただけるって入った当初は思ってなかったので、そういう風に言ってもらえて卒業できたことが自信の一つになっています」
そして、「本当に人に恵まれたなと思うので、これからも周りの方を大事に、感謝できる自分でありたいと思います」と感謝の気持ちを大切に。また、「乃木坂に入って作られた人格を大事に、それを自分の軸として、乃木坂の目標である『努力、感謝、笑顔』を忘れずにこれからも頑張っていきたいと思います」と語った。
これからいろいろなことに挑戦し、自分が本当にやりたいことを見つけていくという北野だが、5年後、30歳を迎えたときにどのようになっていたいか尋ねると、「子供心を忘れない大人でいたいなと思います」とにっこり。
「子供って無限にいろんなことを考えられる。現実を知らないというのもありますが、現実ばっかり見てそこにハマるより、現実を見たからこそもっといろんな色を足せるような、子供から見てもキラキラ輝いている大人になりたいです」
また、「自分の気持ちをすごく大事にしていて、これからも大事にしていきたい」と述べ、「お母さんが『自分の心が一番大事だから』って教えてくれました。いろんな期間を経て、自分を大事にすることで周りの人も大事に思える余裕ができると感じたので、自分の気持ちに素直になって、楽しいって思えることを続けられるように努力したいなと思います」と笑顔で話した。
●「第二の人生で一生懸命戦っている姿を見ていただけたら」
乃木坂46卒業後初舞台であり、舞台単独初出演となる『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』は、演劇界の巨星・つかこうへいさんの十三回忌追悼公演「つかこうへいLonely 13 Blues」として上演。『蒲田行進曲』はつかさんの代表作で、今回はその名作の完結編にして完全版を目指す。主人公のスター俳優・銀ちゃんこと倉岡銀四郎を味方良介、子分のヤスをNON STYLEの石田明、銀ちゃんの恋人・小夏を北野が演じ、銀ちゃんが妊娠している小夏をヤスに押し付けるところから物語は始まる。
北野は「演技の仕事はメンバーがいた現場しか経験がなかったので、緊張しています。わからないことだらけで不安な毎日ですが、稽古をしていて楽しいという感情もあるので、そこはよかったな、安心できるなと思っています」と心境を明かす。
そして、「これをやり遂げたときに周りの方からちゃんと評価されるような終わり方ができたら、きっと卒業して不安なところの一つの勇気になると思うので、ちゃんと小夏として評価され、それに対して自分も成長できているような未来があればいいなと。自分自身がやったお仕事の一つとしてちゃんと形になったらいいなと思っています」と期待を込めた。
最後にファンに向けて、「今までアイドルである私をずっと見てくださって応援してくださっていたと思いますが、また違う第二の人生を歩んでいて、そこで一生懸命戦っている姿を見ていただけたら。
私の中ではファンの方は変わらず、すごく大事な存在なので、これからも一緒に歩んでいけるような、皆さんに活躍が届くような働きをちゃんとできるように頑張りますので、これからもよろしくお願いします!」とメッセージを送った。
■北野日奈子
1996年7月17日生まれ。北海道小樽市出身、千葉県育ち。2013年3月、乃木坂46の2期生オーディションに合格し、2014年4月に8thシングル「気づいたら片想い」で初選抜、正規メンバーに昇格。今年4月30日をもって乃木坂46を卒業した。女優としては、乃木坂46のメンバーとともに、舞台『じょしらく』シリーズ(2015、2016)や『あさひなぐ』(2017)に出演。
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