白洲迅、30代は“楽しみな第1歩”「役者として変化していける大きなきっかけに」
●『個人差あります』は十人十色のドラマ
現在放送中の東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『個人差あります』(毎週土曜23:40~24:35)で異性化するサラリーマン・磯森晶を、夏菜とともに2人1役で演じる白洲迅。「異性化」というテーマを通して夫婦や恋愛の多様なあり様を描く同作に、どのような思いで挑んだのか。同作を作り上げる難しさ、今年30代に突入する現在の心境などを聞いた。
○■正解のない作品づくり「まさに“個人差がある”」
――ドラマ『個人差あります』が放送中ですが、作品の印象はいかがですか?
純粋に面白い切り口だなと思いました。とても先が気になる話で、早く次の台本来ないかなと楽しみにしていました。でも改めて読み込んでいくうちに、“ちょっと待てよ……このテーマって結構大変なんじゃないか”と気づいて。もちろん夏菜さんと2人1役ということも物理的に難しいですが、それ以上に扱う題材が簡単じゃないなと思いました。実際に演じていても、やればやるほど難しい役だなと痛感しています。
――様々な境遇や環境の方が観ることを考えると、自分の引き出しだけでは表現しづらい部分もありますよね。
まさにその通りですね。夫婦関係というテーマだけでも難しいのに、性別が変わるという設定でまたさらに……。もちろん結末は決まっているので、そこにどのようにしてたどりつくのかっていう正解のない道のりを作り上げている感覚があります。答えのないことを表現しようとしているので、この作品に携わっている全員で考えていくしかないのかなぁと。それぞれの考えもまさに“個人差がある”と思うので、悩んで意見を出し合って作っていけたら、色んな見方ができるよりよい作品になるのではないかと思いますね。
○■物語を照らす晶のキャラクター「良くも悪くもすごく素直」
――晶と妻の苑子(新川優愛)以外にも様々な事情を抱えたキャラクターが登場して、それぞれの立場からいろいろな角度で作品を観ることもできそうです。
夏菜さん演じる晶から男の晶に戻ったりするので、晶以外の皆さんも本当に大変だと思います。
撮影現場でも、実際に異性化した人がいたら自分ならどういう風に接するか、どういう心境なのかみたいな話もするんですけど、「難しいね……」となって、結局答えなんてないんですよ(笑)。観てくださる人にもそういう風に楽しんでもらえるのが、この作品の良さだと思います。
あと、テーマ自体は結構重めなんですけど、晶はすごく明るいんですよ(笑)。良くも悪くもすごく素直な人間なので、異性化というものすごいことが自分の身に起こっていても、素直に感情を出せていることで物語を明るくしてくれていると思います。だから演じていて楽しいです! リアクションがいいんですよね(笑)。
――今回2人1役で同じ役を演じた夏菜さんも、「色んな境遇の方に観てもらって作品としての成功や手応えを感じられる」とおっしゃっていました。
本当にそうですね。おっしゃる通り! 受け手次第で色んな正解があるから十人十色のドラマですね。
●30代目前のいま思うこと
○■晶との共通点「性格はそんなに近くない。でも……」
――作品を明るくしているという晶ですが、白洲さんと似ているところ、共感できる部分はありますか?
根本の性格はそんなに近くないと思います(笑)。晶は順応する能力がすごい高いんですよね。もし自分が女性になったらすごく慌てて、絶対会社に行けないです(笑)。女性としての楽しみを感じるのがすごく早くて……シンプルにすごいなと(笑)。
でも共感できるところで言えば、例えば女性に対する何気ない一言とか、男の情けない部分というか……男なら誰しも共感できるような要素が晶には詰め込まれていると思います。なのである意味、男代表として共感を得られるように演じています(笑)。
○■30代は「すごく楽しみな第1歩」
――また、今年30代を迎える白洲さんですが、年始に大凶を引いたとインタビューでお話しされていましたが、今年上半期でその影響は感じましたか?
ん~、今のところそんなに感じてないかもしれないです。
むしろ今、言われて思い出したくらい(笑)。そう言われると、あれは大凶の影響か……? と思うこともありますけど、生きていれば良いことも嫌なこともありますから(笑)! でもいい1年になっていると思います。
――忘れてたのに、変なことを思い出させてしまいましたね(笑)。30代が目前に迫っていますが、俳優として意識していることはありますか?
ものすごく大きなことなのかなとは思うんですが、年齢として変化は感じていないですね。ただ、今作もそうですが夫婦役など、年相応の役を頂けるようになってきたのかなとは思います。20代よりも一つ上のライフステージになるので、少しずつ参加させていただける作品の色も変わってくるでしょうし、変わっていきたいです。そういう意味ではすごく楽しみな第1歩ですね。役者として変化していける大きなきっかけになると思います。
■白洲迅
1992年11月1日生まれ、東京都出身。2010年の「第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」をきっかけに芸能界入りし、2011年に舞台『ミュージカル・テニスの王子様2ndシーズン』でデビュー。TBS系『ごめんね青春!』(14)、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(16)、テレビ朝日系『刑事7人』シリーズ(18~)、TBS系『リコカツ』(21)、テレビ朝日系『鹿楓堂よついろ日和』(22)などの話題作に出演し、注目を集めている。