Perfume、“3人だけでステージに立つ”ポリシー貫きつつ進化「この3人でいれば大丈夫」
●『ザ・マスクド・シンガー』パフォーマーから刺激
テクノポップユニット・Perfumeが、現在配信中のAmazon Original番組『ザ・マスクド・シンガー』シーズン2(毎週木曜20時に順次配信)で、シーズン1に引き続きパネリストを務めている。このたびPerfumeにインタビューし、シーズン2の魅力や、出演しているシンガーたちから刺激を受けたこと、さらに、オンリーワンの魅力で輝き続けるPerfumeの原点、そして進化について話を聞いた。
『ザ・マスクド・シンガー』は、マスクで正体を隠した有名人が実力勝負のパフォーマンスに挑み、出演者や視聴者がその正体を推理するエンターテインメント番組。全米を中心に世界で人気を博した番組の日本版として注目を集め、シーズン2では、舞台演出や特殊効果がさらにパワーアップし、新たなパフォーマーによる熱いバトルが展開されている。
――司会の大泉洋さんとパネリストの皆さんのトークも見どころですが、シーズン1の反響からお聞かせください。
あ~ちゃん:めちゃくちゃたくさんの人が見てくれて、「あれって誰々なん?」「バードってあの人じゃろ?」みたいなことをすごく言われました! 正解を聞きたいという心情と、でも言わないでねっていう心情が入り混じっていて、どんな表情をすればいいのかわからなくて、「いや~どうかね~」ってとぼけるのが大変でした(笑)。老若男女どの世代からも連絡が来ました。
のっち:反響ありました! 「この人じゃない?」って。
私も収録の時に誰か当てるのが楽しかったので、みんなも同じように楽しんでくれているんだなとわかってうれしかったです。
かしゆか:普段出ている番組をチェックしてないような友達からも「あれって誰なの!? 教えて!」って聞かれるほど反響がすごかったです! まさかシーズン2も続投させてもらえると思わず驚きました。
――シーズン2の魅力はどのように感じていますか?
のっち:すべてのクオリティの高さですかね。コスチューム一つとっても、ディテールが細かくて、すべてに力が入っているなという印象です。あと、推理VTRを毎回作ってくださっているのですが、そのヒントが今回渋くて、VTRからの推理がとても難しかったです。当てる楽しさが増していると思います。あ~ちゃん:お金かかっているなと(笑)。こういうエンターテインメントって久しく見てなかったな、これこれ! ってテンションが上がります。
出演しているシンガーの皆さん、名だたる方たちばかりで、マスクを脱いで正体を知るときに特別な満足感があります。普段は聴けないようなものが聴けた、見られた、私の予想が当たっていた! という満足感。これは『ザ・マスクド・シンガー』でしか得られないものですね。シーズン1は邦楽だけでしたが、今回はワールドワイドに世界の楽曲を披露してくれているので、余計わからなくて。歌のセレクトもそれぞれ個性が出ていますし、聴いていて楽しいです。
かしゆか:出演されているシンガーたちのレベルが格段に上がっています! 歌が変幻自在でうますぎて誰かわからない! という方も何人もいらっしゃいました。また、最初からステージングが豪華で個性が爆発していて、歌以外のパフォーマンスもすべて込みで個性のぶつかり合いが見られます!
――さまざまなシンガーが登場しますが、彼らのパフォーマンスを見て刺激を受けたり、新たな気づきがありましたら教えてください。
かしゆか:顔が見えなくても伝えたい想いって、気持ちの大きさで伝わるんだなと思いましたし、ほかの道でプロを極めてる方々の努力を目の当たりにして、自分ももっと頑張ろうと思いました。
のっち:マスクをしてのパフォーマンスってめちゃくちゃ難しいと思うんです。私たちもいろんな衣装を着てパフォーマンスしますが、ちょっと手にひらひらがついているとか、ちょっとスカートが長いだけで、同じ曲を踊っていても身のこなしがだいぶ変わります。でもシンガーの方たちは身のこなし方が上手で、そこはすごく勉強になりました。どう動いたらこのスカートがかわいく見えるか、このマントがきれいに翻るかとか。研究されたんだろうなという姿勢も勉強になりました。
あ~ちゃん:明るい楽曲やかっこいい楽曲はダンサーさんがつき、ダンサーさんと一緒にシンガーが見せていくシーンがいくつかあるのですが、その派手さが目を引くという考え方ではなくて、削ぎ落として自分1人に目線を絞ることで表現が生きるとおっしゃっていた方がいました。それは私たちの演出でも心がけていることで、3人だけでステージに立つことをポリシーにしていますが、東京ドームなど大きなアリーナのライブは3人だとぽつんとなってしまうので、自分たちをどう大きく見せるか考えているんです。それを実現されている方がいて、私たちは20年やってようやくそういう形になっているのにびっくりしました。
プロ意識の高さと真髄を見抜く力というか、プロフェッショナルだなと思いました。
――Perfumeさんはずっと3人でパフォーマンスをされてきたと思いますが、その中で削ぎ落とす大切さというのを感じられるようになってきたのでしょうか。
あ~ちゃん:3人だけで見せるというのは常にやってきたことですが、全力でずっと踊っているダンスよりも、ふっと力が抜けている部分があることで、そのあとの全力が効くんですよね。高低差が大事というか、削ぎ落としていく、引き算していく勇気がすごく大事だなと改めて感じました。
●この3人でやってきたということが何よりも自信に
――Perfumeさんは、楽曲もダンスもオンリーワンの魅力で第一線を走り続けられています。改めてそのスタイルはどのように確立されたのか、原点を教えてください。
かしゆか:今でこそ、そう言っていただけるようになりましたが、最初の頃はどの現場に行っても馴染めず、全部アウェイでした(笑)。だけど自分たちがカッコいいと思うスタイルをスタッフさんと信じて続けて来られたから今があると思っています。
あ~ちゃん:本当に小さい頃からずっと3人で一緒にいて、ほかの誰かと何かをするというのは全く想像つかないんです。自分の夢の実現に一番近い形がPerfumeだった。この3人でやってきたということが何よりも自分たちの自信というか、この3人でいれば大丈夫という感覚のままずっと来たので、それが原点なのかなと思います。
のっち:3人は本当に普通の仲の良い3人組で、曲を作ってくれる中田(ヤスタカ)さん、振り付け・演出をしてくれるMIKIKOさん、スタイリストさんとか、周りの人たちが新しいPerfumeをどんどん見つけてくださっている。見たことないPerfumeもそうですが、世の中で見たことないものを作るときにPerfumeをイマジネーションの中に組み込んでくれて、挑戦するのが好きな人が回りにたくさんいるから、見たことないものが私たちも作っていけているのかなと思います。
――チームの皆さんで新しいことにどんどん挑戦されているということですが、最近ここが進化したという点を教えてください。
あ~ちゃん:衣装ですかね。ゆかちゃんはミニスカート、私はワンピース、のっちはショートパンツという、3人の洋服の役割がなんとなくあるのですが、新曲「Spinning World」のミュージックビデオは、長袖&超ロングスカートで、3人おそろいなんです。
おそろいの衣装はこれまでもありましたが、全部おそろいではなく襟の形とかどこか違っていて、それが今回は全部おそろい。そうなるとダンスの違いが浮き彫りになってしまい、例えばターンしたときにスカートの振れ方が違うのがバレちゃうんです(笑)。だから本当に苦戦しました。めちゃくちゃ合わせにいきましたが、身長も手の長さもそれぞれ違うので動き方が違って、それをなんとかそろっているように見えるように研究しました。
のっち:直近のライブですね。去年の夏と今年の1月に「polygon wave」ライブを行ったのですが、まだ会場にお客さん半分しか入れられない中で、いつものステージでお客さん半分ではなくて、何かもう一つアイデアを入れたくて、アリーナ全体をステージにして、お客さんは上から見てもらうという、スケートショーみたいなことを初めてやりました。それはすごく挑戦でした。全面床LEDで後ろにも大きなLEDを背負って、その中でパフォーマンスするという。
立体の島の上で踊ったり、きれいな映像の上で踊ったりするんですけど、LEDの上には立ち位置のバミリがつけられなくて、そこが難しかったです。
――結成22年になりますが、そういった進化はファンの方も楽しみですよね。
のっち:これからも挑戦していくと思うので楽しんでいただけたらと思います。
――最後に、『ザ・マスクド・シンガー』に関してファンの方にメッセージをお願いします。
のっち:とにかくシンガーの方たちが魅力的なので、推しを見つけて応援してもらったら、それだけで毎回ステージが楽しいと思います。私たちと一緒に推理しましょう!
あ~ちゃん:シンガーの皆さんは全部の曲を披露すべくずっと練習を重ねてくれていて、練習量も半端ないですし、いろんな緊張感の中、挑んでくれています。表では見えないようなそれぞれの努力、ストーリーがめちゃくちゃあって、皆さんのステージに私たちも心から感動したので、それをぜひ体感していただきたいです。
かしゆか:シーズン1からパフォーマンスもステージングもさらに豪華になっていて、とても楽しい内容になっています。ただヒントのレベルも上がっていて若干振り回されたり(笑)。ぜひ一緒に推理を楽しんでください!
■Perfume
あ~ちゃん、かしゆか、のっちからなる3人組テクノポップユニット。2000年に広島で結成し、2005年にメジャーデビュー。2007年にシングル「ポリリズム」でブレイクし、独自の楽曲、歌詞、ダンス、MCなどで多方面から評価を得る。近年の代表作に、映画『ちはやふる』の主題歌「FLASH」(2016年)、「TOKYO GIRL」(2017年) など。2019年4月、世界最大級の音楽フェス「Coachella 2019」に出演。2019年9月、初のベストアルバム『Perfume The Best “P Cubed”』をリリース。2020年2月、同作を携えて全国4大ドームツアーを開催した。2021年夏と2022年1月には、「Perfume LIVE 2022 [polygon wave]」を神奈川・ぴあアリーナMMで開催し、コロナ禍での新たなライブを実現させた。7月27日にリリースしたニューアルバム『PLASMA』を携え、8月20日から11月6日まで全国9都市をめぐるアリーナツアー「Perfume 9th Tour 2022 “PLASMA”」を開催予定。
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