ミア・ワシコウスカ、世界中の女性たちへ「アリスのような自信を持って」
●成長したアリスへの尊敬
映画『アリス・イン・ワンダーランド』の6年ぶりとなる新作『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』が7月1日に公開を迎える。舞台は、アリスがワンダーランドで救世主として戦った冒険から3年後。悲しい過去に心を奪われ帰らぬ家族を待ち続けるマッドハッターを救うため、大人の女性へと成長したアリスが時間をさかのぼる冒険を繰り広げる。
亡き父の後を継ぎ、船長として3年間におよぶ航海を経験したアリスは、強くたくましい女性へと成長。冒頭の航海シーンでは、窮地に陥るも船長として堂々と指揮をとる自信に満ちあふれた姿が描かれる。そんなアリスを演じるのは、前作に続き女優ミア・ワシコウスカ。先日来日したミアに、6年ぶりに演じたアリスへの思いや撮影秘話、マッドハッター役のジョニー・デップをはじめとする豪華共演者とのエピソードなどを聞いた。
――冒頭シーンから今回のアリスは強さを感じましたが、6年ぶりに演じたアリスの印象は?
冒頭からまさにそう! 船長を経験して自信をつけて戻って来た。
にも関わらず、英国風の社会が彼女に対する期待は低くてショックを受ける。それでも決してめげずに、自分の価値を曲げず、自分のやりたいことをやり通す…そういうアリスだったと思います。
――成長したアリスを演じる上で意識した点は?
前作のアリスは受け身であることが多かったのですが、今回はより自信をつけ、自分から行動したり、いろんなことを牽引したりすることが多かった。それが演じる面白さとしてありましたし、気を付けたところでもあります。
――アクションシーンも多かったですが、苦労しましたか?
特に体作りはしていませんが、スタントのチームと撮影前に2週間特訓しました。体を使うのは得意な方ではないんですが、すばらしいスタントチームに恵まれて…例えば船の操作とか、映画の中では1秒かもしれないけどかなり勉強して楽しかったです。
――今回のアリスと自身が似ている点は?
本当に彼女(アリス)を尊敬していますが、似ているところはあまりないかもしれないなと思います。でも、世の中の女性に持ってもらいたいなと思うアリスの大好きな部分は、周りの人たちの自分に対する期待が低くても、自分はもっと価値があって自分の好きなことをやるべきなんだと思っていられるところ。
彼女のような自信をみなさんにも持ってもらいたいです。
――似てないというのは意外でした。ミアさんはどんな性格ですか?
自分のことを客観的に見るのは難しいのでわからないです(笑)。でも、演じるキャラクターから学ぶことはたくさんあります。アリスからも、自分がだれであるかという確固たる思いみたいなもの…アリスが持っているような感覚は、自分がまさに築いているところだと思います。
――アリスのように時間をさかのぼって助けたい人は?
母が一人っ子なので、きっと子供時代、孤独だったんだろうなって。自分は兄弟がいるので、時間をさかのぼって母のお友達になってあげたいです(笑)
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●J・デップら大先輩との秘話
――豪華キャスト陣が再集結しましたが、マッドハッター役のジョニー・デップとの6年ぶりの共演はいかがでしたか?
前回もご一緒させていただいていたので、とてもやりやすかったです。前回すばらしい体験をして、今回もまた共演できて運がよかったと思います。
今回は、お互い目でいろんな感情を伝え合う演技もありました。彼は本当に才能があり、私にも優しくしてくださるすばらしい役者。今回も楽しかったです!
――以前、ジョニー・デップからクリエイティビティを感じるとおっしゃっていましたが、どういうところに感じましたか?
ジョニーは、演じるキャラクターが全然違っても、どこかジョニーらしさを演技にもたらすことができる役者だと思うんです。監督が言っていたのですが、今回のマッドハッター役では、もろさをしっかり演じられていた。普通に演じたら狂気のように走ると思うんですけど、そのあたりが彼のクリエイティビティだと思います。
――現場でジョニーから言われて印象に残っていることは?
特に言葉というのは思いつかないですけど、共演シーンがすごく楽しくて(笑)。今回、劇中でかなり体を使って走ったり飛んだり、スタントが多かったんです。そして、映画の核心に触れる肝心のシーンをじっくり一対一で演じられたことは、すばらしい経験になりました。
――白の女王役のアン・ハサウェイ、赤の女王役のヘレナ・ボナム=カーターという大女優とも再共演。学ぶべきものが多かったのでは?
2人とも役者としてとにかくすばらしいなと思うのは、自意識過剰じゃないところ。どうしても役者という仕事柄いろんなものがついてきてしまう。でも彼女たちはそういうことを一切気に留めず、キャラクターに飛び込んだり、キャラクターになって演じることができる。そういうところに敬意を感じています。
――最後に…日本では特に、ミアさん=アリス、アリス=ミアさんという印象が強いですが、今後どんな役を演じていきたいですか?
いろんな役を…特に自分がやったことない役をやりたいです。自分とかけ離れたような役、あるいは普段だったら表現できないようなことを表現できる役を演じたいです!
■プロフィール
ミア・ワシコウスカ
1989年生まれ、オーストラリア出身。バレエを学び、15歳で演技の道へ。
映画デビュー作『Suburban Mayhem』(06)でオーストラリア映画協会賞新人女優賞ノミネート。『アリス・イン・ワンダーランド』(10)で一躍その名を世界に知らしめる。そのほか、『インセント・ガーデン』(13)、『クリムゾン・ピーク』(15)などに出演。
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