2014年3月28日 19:01
東大、マルチフェロイック物質におけるスピンネマティック相互作用を観測
東京大学は、マルチフェロイック物質におけるスピンネマティック相互作用を実験的に観測したと発表した。
同成果は、東大 物性研究所附属中性子科学研究施設の左右田稔助教、益田隆嗣准教授、静岡大学 理学部の松本正茂、Paul Scherrer Institute/スイス連邦工科大学ローザンヌ校のMartin Månsson研究員、大強度陽子加速器施設 物質・生命科学実験施設(J-PARC/MLF)の河村聖子研究員、中島健次研究員、新潟大学 工学部 機能材料工学科 材料物性工学の椎名亮輔准教授らによるもの。詳細は、「Physical Review Letters」に掲載された。
スピンと電気分極が同時に秩序化するマルチフェロイック物質は、電場によってスピンが直接制御可能な新しいデバイス材料として注目を集めている。これまで多くの物質では、複雑な磁気構造におけるスピン相関と電気分極との関係に注目が集まっていたが、分極間相互作用と磁気相互作用の関係は明らかにされていなかった。その中で、「Ba2CoGe2O7(Ba:バリウム、Co:コバルト、Ge:ゲルマニウム、O:酸素)」は、電気分極がスピン演算子の対称2次テンソル(いわゆるスピンネマティック演算子)