ハナコ、確固たる存在のコント師を目指し「代表作を作りたい」 トリオの在り方としてネプチューンに憧れ
●「コントといえば、で名前が確実に挙がる存在になりたい」
『キングオブコント2018』王者で、『有吉の壁』(日本テレビ)や『新しいカギ』(フジテレビ)などで活躍しているお笑いトリオ・ハナコ(秋山寛貴、岡部大、菊田竜大)。コント師として着実に存在感を高め、個々でも活躍の場を広げている。3人にインタビューし、『キングオブコント』優勝からの4年を振り返るとともに、今後の目標を語ってもらった。
――『キングオブコント』優勝を機に人気芸人の仲間入りをされましたが、優勝特需の一瞬ではなく、継続して活躍できるように意識したことなどあったのでしょうか。
秋山:ネタを頑張りたかったので、『キングオブコント』決勝で披露した2本以外のネタもあるぞという、持ちネタの多さをアピールすることは意識していました。出演する番組でどんどんネタを変えてやっていたときに、陣内(智則)さんが「ハナコはネタが多いね」と言ってくださって、そういうことでもイメージをつけてもらって、すぐにいなくならずに済んだのかなと思います。
岡部:優勝でどかんといったわけではないというか、むしろ優勝後より、その次の年の第7世代が話題になったときのほうが増えた感じがしています。
秋山:それにも救われていますね。
あと、だいたい次の王者が決まるとそこに話題をとられますが、翌年の優勝がどぶろっくさんで、全く違うタイプだったのでそれにも助けられた気がします。タイプが似ていると比べられたりしたと思いますが。
菊田:どぶろっくさんはすでに売れていたしね。
――『新しいカギ』などへのレギュラー出演も大きいですよね。
岡部:そうですね。『新しいカギ』や『有吉の壁』など、コント師がコントの延長でできる番組が始まって、それもありがたいです。
――優勝から4年経ちますが、3人の関係性に変化はありますか?
岡部:3人とも父親になってまさか楽屋で子育ての話をするようになるとは。情報交換や
、「ベビーカー何使ってる?」みたいな話をしています。
菊田:2人の子供は同級生で同じくらいの成長度ですが、うちの子は1個上で、しかも4月生まれで大きいのであまり話に入れなくて。2人は話が合っていいなってうらやましく思うときもあります。
――今後については、どうなっていきたいと思い描いていますか?
秋山:僕はもう1回めっちゃネタ強いなって思われたくて、『キングオブコント』でその年に優勝したコンビよりハナコのネタが面白いって言われる年がほしいです。そのためにも代表作が作れたら。そして、コントといえば、で名前が確実に挙がる存在になりたいです。
――これは代表作になりそうだというようなネタは仕上がってきているのでしょうか。
秋山:まだこれからです。今年生まれるかもしれないし、来年生まれるかもしれないしわからないですけど、そういうコントを作りたいです。
岡部:僕も『キングオブコントの会』や『コントの日』など、コントの特番があったら絶対呼ばれるような人になりたいですね。東京03さんみたいな、だいぶデカい背中ですけど、そこに食らいついていきたいです。
――秋山さんと同じように代表作のようなコントが必要だと考えていますか?
岡部:そうですね。そういうネタを作って、ハナコといえばコントだぞと印象付けられたら。あと、3人だけで何をやってもいいというホームタウンみたいなテレビ番組ができたらいいなと。おじいちゃんになっても続けられるような、3人でのんびりふざけ合えるような番組ができたらうれしいです。
秋山:レジェンドになれたら、3人でただ話しているだけで成り立ちそうですね。
――菊田さんはいかがでしょうか?
菊田:僕はマジでネプチューンさんみたいになりたいです。
個人でも(原田)泰造さんは芝居、ホリケン(堀内健)さんは幅広くなんだか面白いことをやられていて、名倉(潤)さんはMCというようにそれぞれ活躍されていて、でも3人集まるとちゃんと面白い。3人の番組もあって、トリオの在り方としてネプさんが一番好きで、こういう風になりたいなと思っています。
――ハナコさんも3人の番組がありながら、それぞれのお仕事も増えてきて、その方向を進まれている気がします。
菊田:ハナコってコント以外もめっちゃ面白いんですよ! 僕はすごく自信を持っていて、3人とも俺が俺がっていうタイプじゃないだけで、ちゃんと話したら3人とも面白いので、3人の素や掛け合いが見せられるような冠番組が持てたらいいなと思っています。
――岡部さんも先ほど3人だけのトーク番組ができたらとおっしゃっていたので、叶うといいですね。
岡部:3人で話しているときは楽しいので、やれたらうれしいですね。秋山:手応えに差はありますが(笑)、(菊田が)自負してくれているのはうれしいです。
●個人としての目標語る秋山、菊田は「絶好調です」
――秋山さんはドラマ脚本に挑戦、岡部さんは俳優としても活躍、菊田さんは独特なキャラを生かしてバラエティで存在感を高めるなど、個人でも活躍されていますが、個人としては今後どうなっていきたいと考えていますか?
秋山:僕は小さい頃から『Mr.ビーン』が好きで、ローワン・アトキンソンさんとコントがしたいというのが目標です。
日本に一緒にコントをやりたがっているコメディアンがいるらしいって、奇跡が起きて届かないかなと思って口にすることにしました。
――ドラマ脚本にも挑戦されていますが、今後もやっていきたいと考えていますか?
秋山:ずっとやりたいですし、満足いくものが作れるようになりたいです。理想としては、キャストの方たちが演じているときにこらえられずに笑ってNG出しちゃうものを作りたいですね。いいものが書けたんだなと思える気がして。福田雄一さん脚本の作品に出られた方が、笑ってNG連発しちゃいましたという話をされていて、素敵だなと思いました。
――菊田さんの目標は?
菊田:僕は番組に1人いると助かるよねっていう、どこにいてもハマるような芸人になりたいなと最近思い始めています。
――そうなるには何が必要だと考えていますか?
菊田:社交性じゃないですかね。
――菊田さんの“我が道を行く”というマイペースなキャラも魅力的だと思いますが。
菊田:でも最近、我が道を行くってポンコツなイメージが強すぎる気がしてきて、ちょっと払拭したいなと思っているんです。
秋山:払拭したいという思いは行動からは感じないです(笑)。むしろのびのびしていて、気にしてないんだろうなと思っていました。絶好調です。
菊田:あ、そう? これでいいのかな?
秋山:ほかにこういうタイプはいないですし、“芸人じゃない芸人”でいいんじゃないですかね。
菊田:じゃあこのままでいきたいと思います(笑)
――岡部さんの目標は?
岡部:松岡修造さんのあとの『くいしん坊!万才』、武田鉄矢さんのあとの『おふくろ、もう一杯』の声、石塚英彦さんのあとのサカゼンの広告とか狙っていきたいです(笑)
菊田:サカゼンとか似合う! 来そうだな~(笑)
――個人の活動もトリオのためにという思いもあるのでしょうか。
菊田:僕はありますね。ネタを書いてないというのもあるので、ハナコが世に広まればいいなと、何かに還元できればという思いはあります。
岡部:俳優のお仕事をやらせてもらうことで、コントももっといい感じにできるようになったらいいなという思いはあります。
秋山:僕はネタを書くというのがメインなので、ハナコの活動に直結しているのかなと。2人がそれぞれ頑張っている姿を見るのはうれしいですし、その間にネタを作れるので助かるなと思っています。
●“先輩”ネプチューン&アンガールズの言葉に喜び&刺激
――事務所の先輩に言われて印象に残っている言葉や、刺激を受けたエピソードなどありましたら教えてください。
菊田:『ロンハー』(『ロンドンハーツ』)の「相方お悩み相談」みたいな企画に出演した翌日くらいに、アンガールズの田中(卓志)さんが「めっちゃよかったね」と褒めてくださって、「ハナコは残りそうな気がする」「ハナコは大丈夫だよ」と言ってくださったのはめちゃくちゃうれしかったです。今でもスベって凹んだときに、田中さんがああ言ってくれたから頑張ろうって僕を奮い立たせてくれていて、田中さんの言葉を糧に頑張っています!
秋山:『ネプリーグ』に出演して僕がヘマしたときに、泰造さんが「お前そんなんじゃウッチャンになれないぞ」ってイジってくれたんです。僕、『笑う犬』が大好きで、中でもウッチャンナンチャンの内村(光良)さんが大好きで、ああいうテレビコントがしたいと思っているのですが、それを泰造さんに直接伝えた覚えはないのに知ってくださっていて、イジリで言ってくださって。僕には「頑張ってウッチャンになりなさい』に聞こえました。
――秋山さんがどこかで発言していたのを見てくださっていたんですね。
菊田:泰造さんはけっこう見てくれています。楽屋挨拶のときに「あれ見たよ」って言ってくださるので。
――岡部さんはいかがでしょうか?
岡部:ホリケンさんにネタを褒めていただいたときはすごくうれしかったですね。ご飯に連れて行ってもらったときに、「ハナコ面白いな」と言ってくださって、トリオの大先輩に褒めてもれえたのはうれしかったです。
――やはりトリオの大先輩として憧れの思いが?
岡部:憧れはめちゃくちゃありますね。ネプチューンさんみたいになりたいなと。四千頭身や我が家さんもいて、トリオの事務所のイメージがあると思いますが、自分たちもそういう存在になれたら。
――菊田さんと岡部さんの口から「ネプチューンさんみたいになりたい」という言葉が出ましたが、やはりトリオの大先輩として目指すところなのですね。
秋山:3人でも個人でも活躍されているというのは理想的だなと憧れています。タイプは違いますが。
岡部:ネプチューンさんはちゃんと“キャーキャー”もありますが、僕らは全くそういうタイプではないので。
菊田:そうなんだよな。
岡部:キャラというと僕らは全くそういうタイプではないので、憧れの存在ではありますが、僕ららしい形を見つけていきたいと思いながらやっています。ネタもすごいしお茶の間でも愛されるトリオになりたいです。
■ハナコ
秋山寛貴、岡部大、菊田竜大によるお笑いトリオ。2014年結成。2018年に『キングオブコント』で優勝。現在、日本テレビ系『有吉の壁』、フジテレビ系『新しいカギ』などにレギュラー出演している。岡部は俳優としても幅を広げ、10月スタートのTBS系日曜劇場『アトムの童』や2023年放送のNHK大河ドラマ『どうする家康』に出演予定。
■「ワタナベお笑いネタ祭り2022~WELFES~」
9月19日に東京・イイノホールで開催。昼の部は14時開演、夜の部は18時開演。どちらもU-NEXTでライブ配信実施。ハライチ、アンガールズ、ロッチ、サンシャイン池崎、あばれる君、ハナコ、Aマッソ、四千頭身などの人気芸人や『ABCお笑いグランプリ』でも活躍したGパンパンダ、こたけ正義感をはじめとする若手芸人が一堂に会するお笑いライブ。漫才ブロックはハライチ、コントブロックはアンガールズとロッチ、ピンブロックはサンシャイン池崎とあばれる君がMCを務め、若手芸人との絡みも見どころとなる。