松田龍平がつくりあげた、愛すべき「ダメなおじさん」像 - 松田龍平×山下敦弘監督対談

●監督も気づかないくらい自然に、立ち姿から変えた
作家・北杜夫の小説を実写化した映画『ぼくのおじさん』(11月3日公開)。小学4年生の雪男と、雪男の家に居候をしている"インテリぼんくら"なおじさんが、日本で、ハワイでユーモラスなやりとりを繰り広げる。
"漫画原作・ベストセラー&大宣伝至上主義"の邦画界とは離れた存在であるこの作品で、愛すべき"おじさん"を演じる松田龍平と、『もらとりあむタマ子』、『味園ユニバース』など、どこかだめな人を愛すべき人に描く山下敦弘監督に、今作についての話を聞いた。
○「ダメなおじさん」の説得力
――今回、しっかり者で作文の上手な雪男、そしてインテリで屁理屈を言う居候のおじさん、2人のやりとり、行動が作品の魅力をつくりあげていきますが、おふたりは雪男とおじさん、どちらのタイプが近いと思いますか?
山下:僕は、今となってはおじさんですかね。
――例えば、おじさんのこういうところに共感したとか。
山下:そう思うと、ないですかね。やっぱり雪男かもしれないです(笑)。おじさんは、あまりにも自分にないものばかりですね。
松田:僕はどちらかといったらおじさんかな? 旅行先に着いて早々、迷子になってしまう感じ。