くらし情報『NTTなど、長寿命の隠れた量子状態である"ダーク状態"のメカニズムを解明』

NTTなど、長寿命の隠れた量子状態である"ダーク状態"のメカニズムを解明

しかし、この方法を用いると、超伝導磁束量子ビットとダイヤモンドの間の結合が弱くなりハイブリッド化が難しくなるという問題があった。

また、ハイブリッド系にすることにより、超伝導磁束量子ビットやダイヤモンド量子メモリ単体では観測されていなかった長寿命状態が観測されることが知られていた。しかし、この長寿命状態が発現するメカニズムが不明のため、量子メモリとして活用できなかった。この状態を活用できれば、超伝導磁束量子ビットとダイヤモンド間の結合を弱めることなく、長寿命の量子メモリが実現できる可能性があるため、その起源の解明が求められていた。

今回、超伝導磁束量子ビットとダイヤモンド量子メモリを結合したハイブリッド系で、量子メモリ実現のために重要となる長寿命の"ダーク状態"を発現するメカニズムを解明した。ダーク状態とは、量子力学的干渉性のためにその系から発する信号が打ち消されてしまい、実験的に検出のできない隠れた状態を意味する。このようなダーク状態は、一般に長寿命であることが知られているものの、実験的に検出ができないため、量子情報への活用は難しいと考えられていた。これに対し、研究チームは、超伝導磁束量子ビット・ダイヤモンド量子メモリのハイブリッド系では、結晶の歪みや磁場ノイズのために干渉が完全には働かず、ダーク状態由来の信号が検出可能であることを理論的に示した。

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