前田拳太郎、『仮面ライダー』から8キロ減でロースクール生に 憧れの月9出演と劇団EXILE加入を語る
●北川景子の優しさに感謝「僕も先輩になったときに…」
特撮ドラマ『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)の主演として注目を集め、昨年11月に劇団EXILEに加入した俳優の前田拳太郎が、現在放送中のフジテレビ系月9ドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』で、ロースクールに通う学生を好演している。前田にインタビューし、本作への出演や劇団EXILEに加入した心境など話を聞いた。
北川景子主演の本作は、未来の法曹界を担う若者たちが通うロースクール(法科大学院)を舞台にした物語。前田は、貧乏で母子家庭育ち、返済すべき奨学金も抱えている学生・水沢拓磨を演じているが、出演が決まったときは「びっくりした」と振り返る。
「『仮面ライダー』が終わって最初の仕事で、次の仕事はどうなるのだろうと思っていたらまさか月9に出演できることに。『ブザー・ビート』が大好きで昔から月9に憧れがあったので、月9出演が決まって主演が北川さんと聞いて、もう『ブザー・ビート』やって。すごくうれしかったです」
2009年7月期の月9『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』に出演していた北川と共演が叶い、北川のイメージは「いい意味で変わった」と明かす。
「きれいすぎて近寄りがたい印象を勝手に持っていたのですが、僕らにもすごく話しかけてくれて優しくて、クリスマスにはお菓子と一緒にお手紙をくれたり、放送を見たあとに『夫と見たよ』『ここのシーンがすごくよかったよ』と連絡をくださったり。
一人ひとりしっかり見てくれているんだなと思ったので、僕も先輩になったときに若手の方たち一人ひとりと真摯に向き合いたいと思いました」
北川からもらった言葉で特にうれしかったものを尋ねると、「僕の素直な気持ちがお芝居にも生きてきていると言ってくださって、すごくうれしかったです」と答えた。
北川の演技を見て学ぶことも「すごく多い」という。「北川さんの普段の人柄がお芝居に出ている部分があって、日頃からのものがお芝居に生きてくるんだなと感じました。僕も普段の自分がお芝居に生きていると言っていただけたので、これからも伸ばしていけたら。役にもよりますが、自分とリンクする役のときは普段の自分を出し、リンクしていないところは隠して演じたいと思います」
月9の反響も実感。「友達も連絡をくれて、『別人みたい』と言ってもらうことが多く、役者としてはすごくうれしいです。(『仮面ライダーリバイス』の)一輝とも、僕自身とも違う風に見えるというのは褒め言葉だなと感じています」と笑顔を見せる。
そして、「月9出演ということでプレッシャーや不安がありましたが、北川さんをはじめ皆さん優しくて恵まれた現場で撮影できているので、『仮面ライダー』が終わって最初の作品が『女神の教室』でよかったです」としみじみ。
真中信太郎役の高橋文哉は『仮面ライダーゼロワン』(2019~2020)で主演を務めており、“令和ライダー共演”も注目を集めているが、前田は「この作品が始まる前からプライベートでも仲良くさせてもらっているので共演が決まってすごくうれしかったです。文哉くんがいるから心強いなと思いました」と語る。
『仮面ライダーリバイス』で演じた五十嵐一輝は、おせっかいで明るいキャラクター。ヒーローということで筋トレによって5キロ体重を増やし、体作りにも励んだ。ライダーから一変、『女神の教室』の水沢拓磨は、一匹狼な学生で返済すべき奨学金も抱えているという役どころ。そんな水沢を表現するために8キロ痩せたという。
初写真集『Awake』(2月14日発売)では、一輝を演じていたときのムキムキの体と、水沢役のためにスリムになった体の両方を見ることができる。「佐渡島の撮影は『仮面ライダー』のときの体で、スタジオで撮影しているカットは今の痩せているときの体です」と説明。
今後も役に合わせてコントロールしていくと話した。
●劇団EXILE加入「すごく心強い」 今後の目標も語る
昨年11月に劇団EXILEに加入した前田。それによってさらにLDHの一員であることを自覚したという。
「劇団EXILEの先輩たちからいろいろ学んで吸収していきたいですし、劇団EXILEに入ったことで経験できることが増えていくといいなと思っています。今はドラマの撮影があって、劇団EXILEらしいことがまだあまりできていませんが、皆さんにお会いできる機会が増えたらうれしいです」
今年1月には、劇団EXILEの青柳翔、佐藤寛太、同じく新メンバーの塩野瑛久、櫻井佑樹と朗読劇『BOOK ACT 2023 NEW YEAR SPECIAL「僕らは人生で一回だけ魔法が使える」』で共演した。「『BOOK ACT』は初めての劇団EXILEという感じのお仕事で、劇団の先輩たちとお芝居してみて、劇団EXILEってこういう感じなんだなと思いましたし、先輩方からいろいろなものを吸収できた時間になったと思います」
『BOOK ACT』の取材会では、12人となった劇団EXILEについて青柳が「主導権は全て前田くんにあるんです」と言い、「今日ずっとそれでいじられていて……」と笑っていた前田。
「最初からあんなにいじられるとは(笑)。その日、小澤(雄太)さんはいませんでしたが、青柳さんがホワイトボードに『小沢へ 噛むなよ 前田より』と書かれたり。
青柳さんが書いたとみんな気づいていましたが、加入してすぐで緊張しているときに先輩たちが絡んでくれてありがたいなと。皆さんすごく受け入れてくださって居心地のいい場所になっています」
劇団EXILE加入後の心境の変化を尋ねると、「俳優は1人でやっていく孤独な仕事だと思うので、常に身近に同じ人たちがいるというのはすごく心強いです」と答え、「行き詰まったときなど、相談とか乗ってくれたらうれしいです」と話した。
劇団EXILEの公演では、親しいメンバー同士だからこその掛け合いも。前田もほかでは見られない姿が見られるかもしれない。
「せっかく加入させてもらったので、皆さんと一緒にお芝居したいですし、いろいろなことに挑戦できたら。『BOOK ACT』で早速いじってもらいましたが、ほかの現場とは違う前田拳太郎が劇団の現場では見られると思います(笑)」
前田は、幼稚園のときにヒーロー作品が好きで「仮面ライダーになりたい」と憧れを抱くも、なれるとは思わず行動に移さないまま大学生に。そして在学中に一歩踏み出し、俳優の道が開けた。
「大学で部活(社交ダンス)をやっていて、4年生まで続けて就職するつもりでしたが、コロナの影響で2年生の終わりぐらいから部活ができなくなってしまい、何かしたいなと思ったときに役者を目指すことにしました。
コロナ禍で考える時間が作れたときにそういう思いが芽生え、一歩踏み出してよかったなと思います」
今後については「何十個も目標があります」と言い、「賞を取りたい、朝ドラに出たい、大河ドラマに出たい、好きな漫画原作の作品に出たい……」と明確な目標を掲げる前田。
「これから先いろんな作品や役と出会って、役と一緒に成長していけたら。僕が今までドラマや映画を見て憧れの気持ちなどもらったように、僕も皆さんに感動を与えたり憧れを持ってもらったり、そういう存在になっていけたらと思います」と力を込めた。
■前田拳太郎
1999年9月6日生まれ、埼玉県出身。劇団EXILEのメンバー。2021年4月、テレビ東京系ドラマ『ラブコメの掟~こじらせ女子と年下男子~』で俳優デビュー。同年9月から放送された特撮テレビドラマ『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)で主人公の五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ役を演じ注目を集める。フジテレビ系ドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』に出演中。