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編成部長に直撃! - TBS、1月に異例の月曜大改編「思い切って枠構造を変える」

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編成部長に直撃! - TBS、1月に異例の月曜大改編「思い切って枠構造を変える」

●苦戦の日曜ゴールデンは「改善と認知図る」
テレビ局が一斉に衣替えを行った秋の番組改編。10月からタイムシフト(録画)視聴率、それとリアルタイム視聴を加味した総合視聴率の計測もスタートし、新たな指標で視聴形態が浮き彫りとなっていた中、民放キー局の編成戦略を担う「編成部長」に、今回の改編の総括と今後の展望を語ってもらった。

今回登場するのはTBS。16年度上期のゴールデンタイム視聴率が、9年ぶりの民放2位となるなど上昇傾向にある中、課題だった月曜日の改編を1月に大きく実施するという異例の戦略に出た。その狙いとは――。

――この秋からさらなる激戦区となった日曜のゴールデンタイムに、TBSさんも『クイズ☆スター名鑑』を投入されました。ここまでの手応えはいかがですか?

ファミリーで見ていただける番組をそろえるために、その前の4月から『珍種目No.1は誰た!? ピラミッド・ダービー』、10月から『クイズ☆スター名鑑』を始めましたが、現在は苦戦していると言わざるをえない状況です。今、現場と話し合いながら、リニューアルなど内容面を含めた改善と認知を図っていくというところで、今度1月22日が『スター名鑑』のスペシャルなので、このときに結果を少しでも出してほしいと思っています。


――前回(6月)のインタビューで『ピラミッド・ダービー』はTBSさんが調べている視聴満足度の数字が非常に高く、期待をかけられていましたよね。

なかなか認知が進んでないという状況なんですが、先日も満足度の調査をしたときに、高い数字が出ていました。以前はずっと日テレさんを見ていたうちの娘も楽しんでいますし、期待ができるソフトだと思っているので、なんとか育てていきたいですね。

―― 一方、『爆報!THEフライデー』『ぴったんこカン・カン』『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』という強力なラインアップをそろえる金曜日ですが、こちらは日テレさんが牙城を崩そうとしている中、状況はいかがですか?

特に他局を意識せず、しっかりとしたものをこれまで通り出していくということをやっていますが、例えば古舘伊知郎さんをゲストに迎えた時に、『ぴったんこ』で安住紳一郎アナが古舘さんの「トーキングブルース」の名シーンを完コピしたり、『金スマ』はこれまでの生い立ちを非常に感動的に振り返ったりと、この2つの番組の"料理"の仕方はレベルが高く、話題性になることをしていますので、非常に安定しているなという印象です。『爆報』も、岡田有希子さんの特集をしたときは、事務所との長い交渉もあってスクープ的な話も出て、非常に存在感を示しているので、それぞれの番組がオリジナリティあふれる力で戦っていき、それが結果に出ればいいかなと思っています。

――視聴率は2016年度の上期が、ゴールデン(19~22時)でテレビ朝日と並んで9年ぶりの民放2位となりました。10月以降はいかがですか?

バラエティの一部など苦戦をしている番組があります。さきほど申し上げた日曜日もそうですが、月曜日もこれまで改編を行ってきた中で、なかなか結果が出ていないので、この1月に思い切って、枠構造を変える改編を実施します。
19時からは、特番で過去2回放送して好評だった『結婚したら人生劇変! ○の妻たち』をレギュラーに昇格。20時台からは、これまで21時からだった『月曜名作劇場』を移し、20時台に放送していた『好きか嫌いか言う時間』を22時台に移動させます。

――この狙いはなんでしょうか。

『◯◯の妻たち』は、近年TBSが弱かった月曜日で特番を打って結果を出したソフトです。スタッフは『プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達』や『壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち』のチームが作るので、なんとか頑張ってほしいと思います。

そして、高年齢層の方たちの数字が22時以降で落ちるというデータがあるので、『月曜名作劇場』を22時に終わる枠組みに変えることにしました。最近では、12月5日に放送した恵俊彰さん主演の『はぐれ署長の殺人急行 九十九里浜迷宮ダイヤ』が10.4%で8カ月ぶりに2ケタに乗せ、翌週12日の『税務調査官・窓際太郎の事件簿31』が10.0%で、2週連続2ケタと存在感を示せました。

――2時間サスペンスは各局縮小傾向にあります。


確かにそうですが、2016年4月から枠名を『月曜名作劇場』に変えて、少しターゲットも広げていく新機軸路線にし、それでできた企画が『はぐれ署長』だったんです。今回2週連続2ケタという結果で大きな自信を得たので、われわれは時間帯を変えて、『○の妻たち』からの縦の流れを作ってみることで、もう少し頑張っていこうと思います。

――22時台は、フジテレビも『SMAP×SMAP』が終了して新番組になりますね。

22時台は、結構ティーンなどの若年層が見ている時間帯なので、これまでの分析で『好きか嫌いか言う時間』のターゲットに合っているのではないか考えて動かします。この月曜日は、われわれとしても緊急で手を打って大きな改編を行いますので、「TBSの月曜日が変わります」ということをアピールして、なんとか結果を出していきたいですね。

●『逃げ恥』ブームで系列局とも一体感
――視聴率は全日(6~24時)もアップしています。平日の帯番組も調子を上げてきているのでしょうか?

特に『あさチャン!』が上がっています。今、2部の平均が5%台まで上がってきていますが、朝の番組は群雄割拠の時代です。
その中で、12月16日、21日に6.4%という平時のベスト視聴率が出ました。少しずつ他局と戦えているかなと思っていますので、そうして混戦にもつれこませたいなという感じですね。また、秋から『ひるおび!』を前倒して10時25分スタートにしましたが、こちらも少しずつですけど認知が広がり、手応えが出てきているかなと思っています。

――午後の情報番組『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』に関してはいかがですか?

2015年の下期が2.2%で、16年の上期が3.1%と、約1ポイント上がりました。帯番組で1ポイント上がるのは大変なことなので、こちらも少しずつですが、引き続き数字を上げていきたいというところですね。

――10月クールの秋ドラマは、最終回で20%を超えた『逃げるは恥だが役に立つ』を筆頭に好調でしたね。

『逃げ恥』はとても期待感の高かったドラマですが、ここまでブームになるとは正直、思っていませんでした(笑)。情報番組も『逃げ恥』効果で盛り上がり、またJNN28社の「恋ダンス」も話題になるなど、一体感が生まれました。
ヒットドラマが出ると、TBSはもちろん、系列も盛り上がるので、この1月クールも頑張りたいです。

――1月クールの冬ドラマも、なかなか豪華なラインナップです。

木村拓哉さんが主演する日曜劇場『A LIFE~愛しき人~』が、非常に期待ですね。竹内結子さん、松山ケンイチさん、木村文乃さん、菜々緒さん、及川光博さん、浅野忠信さんと豪華キャストが集まっての企画ですし、多くの人に見てもらいたいと思います。火曜22時は『逃げ恥』で勢いのある枠で、坂元裕二さんが久しぶりにTBSで脚本を書く『カルテット』で、松たか子さん、満島ひかりさん、高橋一生さん、松田龍平さんが出演の新たな大人のラブストーリーです。金曜22時の『下剋上受験』も、阿部サダヲさんと深田恭子さんというお2人のキャラクターに合ったストーリーなので、金ドラらしい質の高い作品になっていると思います。――10月からタイムシフト(録画)視聴率、総合視聴率の数字が出るようになりました。傾向はいかがですか?

『逃げ恥』などのドラマ、そしてアニメが高いですね。
われわれの考え方としては、あくまでもリアルタイムでご覧になっていただきたいというスタンスで変わっていませんが、これから広告会社やスポンサーの考えも伺いながら考えていきたいテーマですね。

――タイムシフト視聴率が出るようになって、制作現場の反応はいかがでしょうか?

それは励みになっていますね。私もプロデューサーだった頃、「毎週ビデオで見てます!」と言われても、ビデオリサーチの調査対象云々は関係なしに、心の中で「視聴率につながらないんですよね…」と思ったりしたんですけど、今後は「毎週ビデオで見てます!」と言われると、素直に「ありがとうございます!」という気持ちになるかもしれないですからね(笑)

(視聴率の数字は、ビデオリサーチ調べ・関東地区)

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