元日向坂46宮田愛萌が就活「本に関わる仕事ができたら」 今後のタレント業についても語る
●アイドルになって広がった世界 「変わってるんだ私」と発見も
今年1月にアイドルグループ・日向坂46を卒業し、2月末に初の書籍『きらきらし』を刊行した宮田愛萌にインタビュー。5年半のアイドル人生を振り返るとともに、執筆業への思い、そして今後の活動について話を聞いた。
――日向坂46を卒業されて心境の変化はいかがですか。
アイドルだった頃もすごく楽しかったですが、アイドルではなくなってもあまり私は変わらず毎日楽しいです。
――アイドルとしての5年半はどんな経験に?
かけがえのない仲間に出会えて、ファンの方も老若男女、海外からも来てくださって、いろいろな経験をさせていただきました。その中で、こういう考え方もあるんだなと気づけたり、自分の中の世界を広げてもらったり、本当に大切な経験になりました。
――考え方や自分の世界がどう広がったのでしょうか。
私は狭いコミュニティで生活してきて、常識だと思っていたことが常識じゃなかったということがたくさんあってびっくりしました。
例えば「LK」。『ライオンキング』のことで、私の周りの友達は「LK」で伝わるんですけど、一般的な略称ではないのだと知りました。『美女と野獣』は「BB」と呼んでいて、これも一般的ではないみたいで。そういうことがたくさんあって、ファンの方から「変わってるね」と言われて、「変わってるんだ私」って思いました(笑)
――アイドル活動を経て成長できたなと感じていることも教えてください。
少し社交的になったと思います。もともと人見知りはしないほうですが、あまり人と関わらないタイプだと親から言われていて。人と関わってみようと思って外の世界を見るようになったのは成長だと思いますし、それとは反対に自分の中で譲れないものも見えるようになりました。
――譲れないものとは?
人から「こうしたほうがいいよ」と言われたときに、自分も納得したことは取り入れるけど、違うなと思うことは言われても気にしないとか、自分の中で線引きをきっちりするようになりました。
――外の世界を見るようになったということですが、どんな世界に踏み出したのでしょうか。
自己啓発本を読むようになりました。あと哲学や心理学の本も読むように。
――読んで何か変わりましたか?
「なんでこの人はこういうことを書こうと思ったんだろう」「これを読んでどうして人は影響を受けるんだろう」と考えてしまって、自分にまではあまり手が回らなかったです(笑)
――自分をしっかり持っているからでしょうか。
そうですね。すごく頑固ではあると思います。
●「学校司書を受けて落ちた」 履歴書には“日向坂46”記載せず
――そして、卒業してすぐのタイミングで初の書籍『きらきらし』が発売に。
素直にうれしかったです。
もともとすごく書きたいと思っていたので、書かせていただけてうれしかったです。
――2018年に短編小説集『最低な出会い、最高の恋』に参加されたこともありました。
アイドルになってからブログを書いたり、テレビの企画「書き出し王」で小説の書き出しっぽいところを書いていたら、すごく褒められるようになって、もっと書きたいと思うようになりました。そして、書いて完成させるというだけで満足していましたが、『最低な出会い、最高の恋』で感想をもらったことで学びがあり、また小説を書いて出してみたいと思うようになりました。
――今後の活動についてはどう思い描いていますか?
書くことは続けたいなと思っています。それ以外だと、もっとたくさんの人に本を読んでほしいと思っていて、日本文学についてもっと知ってもらいたいという思いもあるので、その助けになるようなことができたらと思っています。
――就職活動もされていると聞きました。
そうなんです! 転職サイトに登録していろいろ見ていて、すでに学校司書を受けて落ちました。
――履歴書の職歴には「日向坂46」と書かれているのでしょうか。
職歴のところに「Seed & Flower合同会社 契約」と書き、「日向坂46」とは書かなかったです。職歴にアイドルって書くのも恥ずかしいなと思いましたし、ふざけていると思われそうでまだ書いていません(笑)
――今後も就職活動を継続されるのでしょうか。
私に合いそうないい会社があれば受けていきたいなと思っています。
――司書など、本に関わる仕事を?
本に関わる仕事ができたらいいなと思っています。教科書を作る会社も面白そうだなと思っていて、教育関係にも興味があります。まだ先のことは全然わからないので、いろいろな可能性を考えていけたらなと。でも無職になるので、働かないといけないと思い、バイトと派遣のサイトも登録しました。
――バイト経験は?
あります。大学生のときに半年間だけ、パン屋とピザ屋と塾講師を並行してやっていました。毎週末バイトしていて遊ぶ時間はゼロでした。
――正式な就職先が決まるまでバイトを?
やってみたいことをやっていきたいと思っていて、楽しそうなバイトあったらやりたいです。バイトに限らず、楽しそうなことは何でもやってみたいです!
――どんなバイトに興味がありますか?
本屋さんで働いてみたくて。あとは出版社さんとかいいなと思っています。でも、髪の色とネイルは派手にしたいので、髪の色・ネイル・服装は自由なところがいいです(笑)
●「書くことは続けたい」 タレント業は「お声がかかったら…」
――タレントとしても活動されていくのでしょうか。
わからないです。
どうなるんですかね。今、すごく宙ぶらりんで、お声がかかったら考えてみようかなという感じです。
――書くことは続けたいということですので、出版社から話があれば今後も前向きに?
そうですね。また書かせていただけるのであれば書きたいです。
――歌やテレビ出演なども、お声がかかったらその都度考えるというスタンスでしょうか。
歌は大丈夫です(笑)。テレビもそんなに興味があるわけではないのですが、本の紹介をさせてもらえるのであれば出演したいです!
――興味のある仕事であれば、ということですね。
そうですね。
本に関わることだったり、私がやりたいと思うことはやっていけたらと思います。
――将来的にはどんな未来を思い描いていますか?
将来的には大型犬を飼いたいなと思っています。自分の生活もちゃんとできて、その上で犬を1匹ちゃんと養えるだけのお金を持っていられるように。大型犬のほうがお金がかかるので、目標として大型犬にしていますが、本当はダックスでもいいです。
――執筆に関することで実現したいことがありましたら教えてください。
恋愛小説も書いてみたいですし、エッセイも書いてみたいですし、いろいろ書けたらうれしいです。
――文学賞を受賞したいという夢は?
それは読んだ方が判断することなので、意識することではないのかなと思っていて、皆さんに刺さらなくても、誰か1人にでもめちゃめちゃ刺さったらいいなと思っています。■宮田愛萌(みやた・まなも)
1998年4月28日生まれ、東京都出身。2017年、けやき坂46追加メンバー募集オーディションに合格し、けやき坂46の2期生としてデビュー。2019年2月の日向坂46へのグループ改名後も精力的に活動を続け、2022年9月にグループから卒業することを発表。2023年1月いっぱいで活動を終了した。