手越祐也が信じる“音楽の力” 2ndアルバムで世界平和を願う歌も「今の時期だからこそ」
●2ndアルバム『CHECKMATE』に手応え卒業ソングも誕生
昨年全国ツアーを2回開催するなど、精力的に音楽活動を展開している手越祐也が4月5日に2ndアルバム『CHECKMATE』をリリース。勝ちを確信できる楽曲ができたという思いから『CHECKMATE』と銘打たれた同アルバムに込めた思いや制作の裏話について手越に聞いた。
――『CHECKMATE』は幅広い魅力が詰まった作品になっていますが、ご自身にとってどのようなアルバムになりましたか?
今回のアルバムは、僕がそういうオーダーをしたわけではないのですが、僕がチャレンジしている姿や生き様を歌詞にしてくれていて、歌っていてもすごく感情が乗りやすいですし、バラードからボカロからロックからいろんな曲が詰まっていて、レコーディングをしている途中から「このアルバムはやばいアルバムになる」と自分の中で手応えがあったので、アルバム名も『CHECKMATE』にしました。
――“勝ち”を確信した瞬間があったのでしょうか?
自分の曲は自分が一番愛してあげたいと思うので、レコーディングではディレクターと細かくやりとりしますし、その期間は自分の曲をすごく聴くんです。そして、どんどん曲が並んでいって、「このアルバムすごい好き」と思ったときに確信したのかなと思います。
――今回のアルバムで挑戦だったなと感じていることを教えてください。
毎回挑戦だし、ソロになって2年足らずでたくさんの楽曲をリリースしてきたからこそ、ライブに来てくれたファンの方や僕を応援してくれている方たちの耳も肥えていると思うので、そのハードルを超えていかないといけないというのは毎回挑戦です。自信満々の曲やアルバムができればできるほど、次の曲やアルバムのハードルが自分の中で上がっていくので、だからこそいろんな努力を怠らずに、進化し続けないと飽きられてしまう。
毎回チャレンジして、そのときの120%を全力で出すというのは変わりません。
――昨年は歌に特化したツアーなどを行い、歌手として成長できたと手応えを感じられていましたが、パワーアップした魅力が詰まったアルバムになっているわけですね。
そうですね。2022年は間違いなく、20年間のアーティスト生活の中で一番歌った年になりましたし、グループで歌うのとソロで歌うのは全く別モノで、去年1年間あれだけ1人で歌い続けたというのは初めての経験だったので自信になりました。また、作詞家の人たちが僕のアーティスト活動を見て、僕から満ちあふれているやる気やパワーを感じ取ってくれたから、これまで以上にメッセージが強く、歌詞にエッジが効いています。
――メッセージをすごく感じ、手越さんがオーダーを出されたのかと思っていたのですが、そうではなく作詞家の方たちが感じ取った手越さんの思いなのですね。
曲によって違いますが、「Just Right」「MAKE ME ALIVE」「Comfort Zone」は歌詞の内容まではリクエストしていません。サウンドの部分はすごくリクエストしましたが。
歌詞に関して細かくリクエストしたのは、卒業式をイメージした「この手とその手」と、世界平和を歌った「Peaceful for you」です。
――「この手とその手」という卒業ソングを作りたいと思ったきっかけを教えてください。
昨年と一昨年、福島県の中学校の卒業式にサプライズで行ったり、福岡の大学にもサプライズで行ってメッセージや歌を届けたりした経験もあって、そっと寄り添って卒業を後押ししてあげることはすごく素敵だなと感じました。今後もそういう活動を続けていくと思うので、手越祐也として卒業ソングがほしいと思って作ったのが「この手とその手」です。
――「この手とその手」に関してこだわったポイントは?
大学生の子たちがコーラスで入ってくれているのですが、最初の時点でそういう風にしたいとオーダーしていました。一番長い時間をかけて作ったのがこの楽曲かもしれません。
――歌詞でこだわった点は?
例えば「教室」というワードは絶対に入れてほしいとお願いしました。また、卒業は寂しいけど、永遠の別れでもないし、また運命の歯車が交わって一緒に仕事をしたりご飯に行ったりする可能性もあるので、ポジティブで前向きな歌詞にしたいとリクエストしました。
――「Peaceful for you」に関してはいかがでしょうか。
この曲は世界平和を歌いたいというところから始まりました。今、ロシアとウクライナが戦争していたり、日本では考えられないところで紛争が起きていたりしていますが、テレビでは報道されないところにボランティアに行っている友人もたくさんいて、現地の写真が送られてきて見ることが多く、僕もたくさんの国にロケなどで行かせてもらったからこそ、言語や肌の色など関係なく笑い合っていたいと思っています。そして、音楽やスポーツは戦争も止められる力があると僕は信じているので、今の時期だからこそ世界平和を歌いたいというところから楽曲の制作を始めました。
――「僕ら守り続けるのさ ずっと かけがえない世界」といった歌詞は、まさにその思いが込められていますよね。
そうですね。「僕らのひとつひとつがspecial」とか一個一個の命のことを歌っています。
●全国ツアーは「七変化感を出したい」 愛犬についても語る
――今回のアルバムは特にメッセージ性が強いということですが、楽曲を通してメッセージを届けるというのは、手越さんが強くこだわっているところでしょうか。
そうですね。歌は自分がつらいときは自分に歌いますが、今は心に余裕があって、アーティスト活動と人生を全力で楽しめているからこそ人に歌えていると思っています。僕はボランティアもやっていますが、それも自分に余裕があるからできるわけで、余裕がないときは自分を一番大事にすべきだと思います。そして、活字だと言葉のニュアンスが伝わらず誤解されることがありますが、社会性のあるメッセージも恋愛ソングも歌に乗せるとスッと入ってくる。それだけ歌は力があるので、これからも歌詞に思いを乗せて届けていきたいなと思います。
――手越さんは作詞作曲の経験もありますが、今後もやられる可能性は?
チャンスがあればやります。
――自分が書きたいと思うタイミングが来たらということでしょうか?
書きたいとか、これは自分が書いたほうがいいなと思うときに書けたらなと思います。作詞作曲を自分がやるのはプラスもマイナスもあると思っていて、好きなメロディーラインや好きなコード進行はどうしてもかぶるし、歌詞の書き方や表現の仕方も遠からず似るので。
今回のアルバムだといろんな作詞家と作曲家の方に書いてもらいましたが、僕の生き様を俯瞰で見てくれている人が書く歌詞と、本人が書く歌詞は変わりますし、自分1人では書けない曲たちが生まれたと思います。「御どれ踊れや己が苑」は僕がどうあがいても書けないですね。
――「御どれ踊れや己が苑」は心が躍る曲ですね。
ボカロでポップですが、歌詞はけっこう強烈なんですよね。「私に生命は重すぎる」とか命のことを歌っています。
――このアルバムを引っ提げた全国ツアーが4月12日からスタートしますが、どのようなライブにしたいと考えていますか?
去年も2本全国ツアーを回らせてもらったので、そのツアーとは見せ方も差別化したいですし、毎回ライブに来てくれている人にも楽しんでもらいつつ、去年いろんなフェスなど出演したからこそ新しいファンの方も増えているなと感じているので、初めて見に来てくれる人にとっても心に刺さる強いメッセージを届けたいと思っています。
――前回は歌に特化したライブでしたが、今回はどんなものに?
舞台の雰囲気を変えようかなと思っていて、舞台装置も今までとは変えようかなと。曲調が全く違うアルバムが主体のツアーなので、より七変化感を出したいです。
――今回のアルバムの制作期間に、レコーディング現場で待っている愛犬エマちゃんの写真をSNSで公開されていましたが、現場に連れて行くことは多いのでしょうか。
スタジオがOKだったらティファもエマも連れて行きます。今日も来ています。シーンとしている家で長い時間お留守番はかわいそうなので。
――わんちゃんは手越さんにとってどんな存在ですか?
家族ですね。今、無駄に広い家に住んでいるので、1人きりでシーンとしていたら泣きたくなるんですよ(笑)。もともと一人っ子で寂しがり屋なので、話しかける相手がいるというのは大きいです。
――けっこう話しかけるんですか?
めっちゃしゃべります。
「何してたの?」「いい子にしていたのかな?」とか(笑)。癒やされますね。
――実家でも犬を飼われていたそうですが、手越さんにとっては犬がいる生活が当たり前なのでしょうか。
はい。犬がいない生活は考えられないです。
――今後わんちゃんと一緒にやってみたいことはありますか?
全然考えてなかったですけど、犬にとって健康になれるようなペットフードとか、そういうもので一緒にお仕事できたらうれしいですね。
■手越祐也
1987年11月11日生まれ、神奈川県横浜市出身。15歳でジャニーズ事務所に入所し、2003年9月のデビューから2020年6月独立までの約17年間、NEWSのメンバーとして活動。在籍期間中、歌手活動だけでなく、数々のバラエティ番組で活躍、「FIFAクラブワールドカップ」「FIFAワールドカップ」ではメインキャスターを務め、俳優としてドラマや映画にも出演。フリー転身後はSNSを開設して積極的に発信。2021年7月にデジタルシングル「シナモン」でソロデビュー。6カ月連続新曲配信や全国ツアー、数々のイベント出演など、アーティストとして精力的に活動している。3月15日にBlu-ray&DVD『手越祐也 LIVE TOUR 2022 Music Connect』、4月5日に2ndアルバム『CHECKMATE』発売。4月12日から5月31日まで「手越祐也LIVE TOUR 2023『CHECKMATE』」を全国5都市で開催する。
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