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香取慎吾ものまね芸人・スズケン、SMAPとの共演秘話「皆さんテレビで観ていたキャラクター通り」

マイナビニュース
香取慎吾ものまね芸人・スズケン、SMAPとの共演秘話「皆さんテレビで観ていたキャラクター通り」

●“すいたんすいこう”の由来とは
最高のリスペクトと最大の感謝でSMAPのものまねをするグループ、ものまねSMAP。そのなかで香取慎吾のものまねを担当しているのが、“スズケン”こと、お笑いコンビ・すいたんすいこうの鈴木賢治だ。

ものまねSMAPとして、SMAPが2015年にリリースした楽曲「ユーモアしちゃうよ」のMVに出演したほか、香取とはその後も『おじゃMAP!!』(フジテレビ系)や『72時間ホンネテレビ』(ABEMA)で共演するなど、香取ファンにも広く知られている。

マイナビニュースでは今回、そのスズケンにインタビュー。SMAPとの共演秘話や、2年前から精力的に取り組むライブ配信アプリ「17LIVE(イチナナ)」での活動などについて話を聞いた。

○■地元の人に喜んでもらえるような名前に

――最初に、スズケンさんが芸人になった経緯からお聞かせください。地元の茨城から上京して、芸人としての活動を開始したんですか?

はい。芸人になるために、高校の同級生と一緒に上京してきました。
でも、半年くらい経った時に、当時の相方から「地元に帰る」と言われて。

――半年ですか!?

そうなんです(笑)。それでコンビを解散することになって、同じ事務所だった今の相方とすいたんすいこうを結成しました。

――お二人とも茨城出身なので、一緒に地元から出てこられたのだと思っていました。

よく言われるんですけど、たまたま同じ事務所だっただけなんです。前のコンビ時代から相方のボケが好きで、あんな人とコンビを組めたらいいなと思っていたら、向こうもコンビを解散することになって。事務所の人から「ボケとツッコミが残ったんだし、コンビを組んでみたら?」と提案されて、コンビを組むことになりました。

――コンビ名の“すいたんすいこう”はどんな由来があるんですか?

二人とも茨城出身なので、せっかくなら売れた時に地元の人に喜んでもらえるような名前にしたいと思って、相方の出身高校が水戸短期大学付属高等学校、略して“すいたん”、僕の出身高校は水戸工業高等学校、略して“すいこう”と呼ばれていたので、その二つをあわせて、“すいたんすいこう”というコンビ名にしました。
東京では「覚えにくい!」と言われるんですけど(笑)、地元の人には「これはいい名前だね」と言ってもらえます。――茨城への愛が込められたコンビ名だったんですね。先ほど芸人になるために上京したとおっしゃっていましたが、どこかお笑いの養成所に入所されたんですか?

いえ! 上京してから、最初はフリーで活動していました。当時すごく尖っていて、先輩後輩の関係がイヤで(笑)。いわゆる地下ライブに出ていたら、ちょうど今の事務所が芸人部門を立ち上げることになって、1期生なら先輩もいなくていいなと思って所属したんですけど、すぐに先輩って大切なんだなと思い知りましたね。お笑いの立ち回りはもちろん、営業のやり方も全部手探りで、ハリウッドザコシショウさんが「ソニーは芸人の墓場」とおっしゃっていましたが、うちのほうが墓場でした(笑)。

――本当の墓場だと(笑)。当時の地下ライブといえば、錦鯉さんを筆頭に今テレビで大活躍の方々が勢ぞろいだったのでは?

それこそ僕が上京して初めて立った舞台は、錦鯉・長谷川さんが前のコンビで出演していて、長谷川さんから「いま20代? 俺もう40歳だぜ。
引くだろ?」と声をかけてもらって(笑)。その長谷川さんがそのまま『M-1』で優勝したんで、もう痺れましたね! 当時同じライブに出ていたウエストランドさんもチャンピオンですし、本当に痺れます。

●香取慎吾の“神対応”、木村拓哉の圧倒的なカッコ良さ
○■「うーん……キミ、香取!」

――地下ライブを中心に活動するなか、スズケンさんが香取慎吾さんのものまねと出合ったのはいつ頃なんですか?

「芸人の転機は27歳に訪れる」という話があるんですけど、僕が香取さんのものまねに出合ったのはまさに27歳でした。当時は全く仕事がなくて、事務所も弱小なのでオーディションすら自分で探していたんですけど、ある時フジテレビの『ものまね紅白歌合戦』のオーディションを見つけて。

ちょうど長瀬智也さんが主演の『泣くな、はらちゃん』というドラマが放送していた頃で、「長瀬くんに似てるね!」と言われていたので、その衣装のスタジャンとかつらを用意して、一般応募からオーディションに申し込んだんです。待ち時間が2、3時間くらいあったんですかね? その間もずっとぶつぶつと長瀬さんの練習をして、ついに僕の順番が回ってきて、オーディションの部屋に入ったら、お偉いさんが僕を見るなり「うーん……キミ、香取!」って。長瀬さんのモノマネを披露することなく、3秒でオーディション終了です(笑)。――せっかく準備したのに(笑)!

「これが芸能界か!」と思いましたね(笑)。
そのオーディションがきっかけで、ものまねSMAPのメンバーになったんですけど、元々、香取さんのことは大好きでしたし、ものまねSMAPもめちゃくちゃ面白いと思っていたんです。だから、まさか自分が香取さんのものまねでメンバーになるとは思いもしませんでしたが、今ではたくさんのSMAPファンの方々に応援していただいてて。ものまねSMAPのメンバーも全員、SMAPの皆さんのことが大好きなので、本当にありがたい限りです。
○■SMAPとの共演が実現「ずっとウソだと(笑)」

――ものまねSMAPとして、SMAPの楽曲「ユーモアしちゃうよ」のMVでご本人たちとの共演も果たしました。

マネージャーから「SMAPのMVの仕事が来たよ」と言われたんですけど、ずっとウソだと思っていました(笑)。最初はメンバーとも「ドッキリでしょ」と話してたんですけど、「よく考えたら、俺たちにドッキリしても仕方ないよね。じゃあ、これ何……?」と段々緊張してくるんです。日が近づいてきてもスケジュールから消えないし、もしかして本当なのかなと思ったら興奮して前日眠れなくなっちゃって、酒を飲んで寝たら次の日、顔がパンパンで! 「余計似てねえじゃねえか!」って(笑)。


――そんな裏話があったんですね(笑)。やはり、緊張感がある現場だったんですか?

SMAPの皆さんが参加されるまで、エキストラの皆さんとダンスの練習をするんですけど、このあと国民的スターが来るということで、スタッフさんも含めチーム一丸でしたね。そしたら、「今どんな感じ?」って聞こえてきて、振り返ったら木村さんがいるんですよ。もう無理ですね、あのカッコ良さの前ではただのファンになります。

その時感じたカッコ良さを例えるなら、むき出しの日本刀。ちょっとでも近づいたら、カッコ良さで切られてしまうんじゃないかと思うくらいカッコいいわけですよ。そこに中居さん、稲垣さん、草なぎさん、香取さんも来られるんですけど、神々しくて……ただでさえポンコツのものまねSMAPがさらにポンコツになりまして、みんなダンスを間違えてましたもんね。

――それは緊張しますよね……。
香取さんとは何かお話されたんですか?

撮影中に香取さんご本人と並んでダンスを踊るシーンがあったんですけど、緊張のあまりステップを上手く踏めなくて、あろうことか香取さんの足を踏んでしまったんです。「国民的スターの足を踏んでしまった!」という恐怖で顔が固まって、本番中なのにずっと「すみません、すみません、すみません……」と言い続けていたら、当然カットがかかるわけです。すぐに香取さんに「足を踏んでしまいました。申し訳ございません」と謝罪したら、「全然大丈夫ですよ。ただ本番中に謝ってきたんで、笑っちゃいました(笑)」と言っていただいて、「あー! 抱かれたい!」と思いました(笑)。

――テレビのイメージのままの優しい方なんですね!

そうなんですよ! MVに出演させていただいて思ったのが、カメラが回っていない時も皆さんSMAPなんですよね。香取さんは香取さんですし、木村さんも木村さんと言いますか、皆さんテレビで観ていたキャラクター通りで、撮影中の空気もずっと和やかでした。

●厚切りジェイソンの登場は「革命的だなと思ったんです」
○■常に100点、100%を出していきたい

――さて、スズケンさんは現在、「イチナナ」にも注力されていますよね。


コロナ禍がきっかけで始めてもう2年ほど経つんですけど、配信を観てくれるリスナーの皆さんの反応も顕著に出るので、芸人としてトークの勉強にもなります。実際、緊急事態宣言が明けて舞台に立った時に「喋りが上手くなったんじゃない?」と言われることも増えて、「天才なんで!」と返していたんですけど(笑)、よく考えたら、毎日ライブ配信で喋っていたおかげだなって。

自分の話し方ひとつでリスナーさんの反応も変わるので、言葉選びにはより気をつけるようになりましたし、配信画面に映っているのは自分だけなんで、空気が良くなるのも悪くなるのも全部自分次第という点も勉強になります。

――芸人としてトークを磨く場所になる、と。最近はこうした配信を活用することで、アルバイトをせずに芸人として生活できるという話も聞きます。

そうですね。配信で収益が出れば、生活のためにアルバイトをしなくても済むし、その分芸事に時間をかけられますし、僕の場合、「昨日はものまねSMAPの仕事だったよ」という風に裏話ができる場所になっていたり、ネタライブを観ていただいたリスナーさんに「今日のネタどうだった?」という風に感想を聞けたりもするので、芸人としての仕事にもつながっています。

――スズケンさんは他のお仕事をされながらなので、月によってライブ配信をする時間も変わると思うのですが、一番活動した月だとどのくらいの収入になるものなんですか?
中型バイクを新品で買えるくらいの月収にはなるので、芸人はアルバイトをするよりいいんじゃないですかね。僕、厚切りジェイソンさんが出てきた時に、革命的だなと思ったんです。元々、自分が憧れてきた芸人の在り方って、“アルバイトをしながら貧乏で苦しいけど、芸事が一番大事”って感じだったと思うんですけど、厚切りジェイソンさんみたいに他にもしっかりとした本業があるのも正解だなと。今はバンドマンの方も活動の仕方が変わってきてて、9時17時の正社員で働いてお給料をもらって、アフターファイブからバンドの練習をしたほうが、アルバイトをしながら活動するよりも練習時間を長く取れるらしいんですよ。お笑いもそういう時代なのかなと思いますね。

――では最後に、スズケンさんが今後実現したいことを教えていただけますか。

今は何でも“やったもん勝ち”の時代といいますか、すごいチャンスがあふれている時代だと思っていて、僕もまだまだやりたいことがいっぱいあるんですけど、とにかくファンの方に喜んでもらえることをずっと続けていきたい。『M-1』優勝もまだまだ諦めていませんし、テレビにもガンガン出ていきたいんですけど、いま目の前にいるファンの皆さんに喜んでもらうことが僕の芸事の根底なんです。江頭さんの言葉を借りるなら、“その時見た俺が手抜きの自分だったらイヤ”なので、常に100点、100%を出していきたいです。

■プロフィール
鈴木賢治(スズケン)
1987年1月19日生まれ。茨城県出身。2011年、同郷の黒澤正徳とお笑いコンビ「すいたんすいこう」を結成。ものまねSMAPで香取慎吾のものまねを担当するほか、長瀬智也のものまねでも知られる。5月5日、茨城・水戸みやぎん寄席にて「すいたんすいこう×おせつときょうたツーマンライブ! 〜おせつときょうた全国ツアー2023! 47都道府県漫才の旅 茨城編〜」を開催。今年秋には「第23回すいたんすいこう単独ライブ」(東京編:中野ZERO視聴覚ホール 10月29日、茨城編:ザ・ヒロサワシティ小ホール 11月19日)が行われる。

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