大学1年生の鈴木福、仕事との両立で多忙も「幸せ」 活躍の幅も広がり感謝「欲張りなんです(笑)」
●うれしい悲鳴「充実しすぎていて時間が足りない」
4月から大学生になり、新生活をスタートさせた俳優・鈴木福。日本テレビ系情報番組『ZIP!』の木曜パーソナリティーに就任するなど、仕事においても新たな挑戦が始まっている。現在放送中の『仮面ライダーギーツ』への出演も注目を集めているが、7~8月には主人公を演じるミュージカル『カラフル』への出演が控えており、6月から稽古が始まる。多忙ながら幸せを感じているという鈴木に、新生活や仕事に対する思いを聞いた。
「大学生活はめっちゃ楽しいですけど、充実しすぎていて時間が足りないです。1日が48時間だったらいいのに。それ以上でもいいなと。うれしい悲鳴ですね(笑)。
幸せです」
大学の授業も友達との時間も楽しんでいる。
「面白い授業もありますし、グループワークでディスカッションをするのも楽しいですし、友達とご飯を一緒に食べたり、学校の中で一緒に買い物に行ったり、そういうのがすごく楽しいです。一緒に授業に行ったり、途中まで一緒に帰ったりするのも日々幸せです」
語学は「楽しそうだなと思って」という理由でインドネシア語を選択。
「インドネシア語を勉強している人は少ないと思うので、それで知っていたら面白いなと。この間、仕事の現場にインドネシア人の方がいて、挨拶や自己紹介など習った言葉を話したらすごく喜んでくれました」
インドネシアにも「いつか行ってみたい」と興味。テレビの企画などでインドネシアを訪れ、インドネシア語で会話する姿が見られる日が来るかもしれない。鈴木は「そういうこともできるようにちゃんと勉強しないとですね」と笑った。
2006年に1歳で芸能界デビューした鈴木は、2011年にフジテレビ系ドラマ『マルモのおきて』でブレイク。
数々のドラマや映画などに出演し、子役から俳優へと成長を遂げた。
初舞台となったミュージカル『ビッグ・フィッシュ』(2017)以降、舞台にも意欲的に出演。7月22日~8月6日に東京・世田谷パブリックシアターで上演されるミュージカル『カラフル』に出演し、『ビッグ・フィッシュ』で共演した川平慈英と再び共演を果たす。
ミュージカルで主人公を演じるのは今回が初めて。出演が決まったときは不安もありつつ、喜びが勝ったという。「ミュージカルに1本通して出続けるというのは初めてなので不安もありますが、ミュージカルがすごく好きでまたやりたいと思っていたので、めちゃくちゃうれしかったです」
将来的に「ミュージカルもできる俳優」として成長していきたいと考えているそうで、ミュージカルでしか味わえないものがあるという。
「音楽に乗せてリズムに乗っていけるところが好きです。お客さんから反応をいただいて気持ちよくなる部分もありますし、ミュージカルならではの空気感があって、それはここにしかないので。
『ビッグ・フィッシュ』のとき毎日幸せだったので、今回も楽しみです」
●仮面ライダー変身の夢叶い“何でもやる”大切さ実感
6月17日で19歳を迎える鈴木。抱負を尋ねると「とにかく楽しく、やりたいことをやって、ラストティーンなので一瞬一瞬大事にしたいです」と笑顔で答えた。
俳優業のみならず、バラエティや情報番組などにも出演。近年ますます活躍の幅を広げており、この4月から『ZIP!』だけでなく、BSフジ『ガチャムク』ではMC、RCCテレビ『鈴木福のミミヨリ! ひろしま』ではキャスターを務めている。
今の状況に「ありがたいです」と感謝。いろいろな仕事に挑戦することで相乗効果も実感している。
「『ZIP!』のパーソナリティーをやるためではないのですが、1年ぐらい前からアナウンサーやナレーションの練習もしていて、それはすごく俳優業にも活きていると思います。発声につながるので」
今後もさまざまな挑戦をしていきたいという。
「いろんな方向にやりたいことがあるし、すごく欲張りなんです(笑)。そして、自分がやりたいことに直接的につながらないだろうなということも、やってみたら意外とつながることもあるので、何でも挑戦して出続けることも意味があるなと。なので、すべて全力でとにかく頑張るというのを心がけています」
関係ないと思っていたことが自分のやりたいことにつながったという実体験が『仮面ライダーギーツ』への出演だという。ジーン役として出演し、仮面ライダージーンに変身も。『仮面ライダー』ファンである鈴木にとって念願の仮面ライダーへの変身となった。
「ずっと仮面ライダーになりたくて、ついになれたのですが、直接的につながるとは思えないバラエティ番組などにも出続けていたからこそ、仮面ライダーの役をいただけたのだと思っています。どの仕事も一個一個大切に出続け、お芝居に対する思いも持ち続け、ある程度の努力もしてきたつもりなので、それらが仮面ライダーにつながったのかなと」
高校1年生の頃に「本格的に仮面ライダーを目指そう」と決意し、そこから「何でもやります」というモードに突入。「無双モードみたいになって『何でもやらせてください』と言っていたら、結果として夢が叶い、ありがたい限りです」と喜んでいる。
仮面ライダーという夢を実現した今、次に叶えたい夢は何だろうか。
「まだ大きくこれだというものはないですが、大河ドラマは出たことがないので、いつか出演したいという思いがあります。これから一日一日過ごしていく中でまた大きな夢が見つかると思うので、それを叶えられるようにこれからも何でもやるという意識で頑張っていきたいと思います」
●軸はあくまでも俳優業子役からの転機も明かす
また、「芸能界は自分を育ててくれた場所であり、自分を自分でいさせてくれる場所という感覚があるので、芸能界に恩返ししたいという思いもあります」と明かした鈴木。芸能界から離れたいと思ったことは「なくはない」と言うも、今は続けてきてよかったと心から思っている。
「もっと遊びたいと思っていたし、野球ももっとやっていたかったですし、もっと練習していたら試合に出られたかもしれないと思ったときもありましたが、今思うと続けてきてよかったとしか思わないので、いろんな気持ちを押し殺して頑張ってくれた当時の僕に感謝ですね」
ちなみに、芸能界でやっていくと気持ちが固まったのは中3の頃だそうで、「僕は俳優として頑張るんだと、そこで固まってからは迷いはないです」ときっぱり。映画『決算!忠臣蔵』(2019)に出演した際に中村義洋監督から言われた言葉が大きかったという。
「当時、子役と俳優との狭間で、どっちも呼ばれるようになったんです。『俳優の鈴木福くん』『子役の鈴木福くん』僕って何だろうと思ったときに、見てくれる人が判断すればいいと思っていたんですけど、中村監督に『子役じゃないんだから』と言わせてしまって、そのときに『僕は俳優と呼ばれるように自分でしていかなきゃいけないんだ』と思い、そこからいろんな人との出会いもあって、俳優としてしっかりと頑張りたいという気持ちが芽生えました」
ミュージカル『カラフル』は主人公が人生をやり直す物語だが、鈴木は過去に戻ってやり直したいと思っていることはないという。
「今が楽しいので」と笑顔を見せ、「何歳になってもそう言えるようになれたら」と話した。
活躍の幅が広がっているが、あくまでも軸は俳優業とのこと。「『俳優さんで、ほかのこともやっているよね』というような、一番大きな肩書きは『俳優』と言い続けてもらえる人でありたい。そこから人生が始まっているので、大事にしたいです」
そして、「ミュージカルが好きなので、定期的にミュージカルをやれたらいいなという思いがあって、『ビッグ・フィッシュ』が大きな一歩になりましたが、『カラフル』はミュージカルもできる俳優として成長していく上でターニングポイントになるのかなと、そうなったらいいなと思っています」と期待を込めた。
■鈴木福(すずき・ふく)
2004年6月17日生まれ、東京都出身。2006年、1歳の時にNHK教育(当時)の『いないいないばあっ!』に出演し芸能界デビュー。2007年、『君がくれた夏 ~がんばれば、幸せになれるよ~』(日本テレビ)で子役としてドラマデビューを果たす。2011年、『マルモのおきて』(フジテレビ)に出演。
「薫と友樹、たまにムック。」名義による同作の主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」で歌手デビュー。以降、映画、テレビ、舞台、CMなど多岐にわたり活動を続けている。今年4月から日本テレビ系情報番組『ZIP!』の木曜パーソナリティーに就任するなど、仕事の幅を広げている。
■ミュージカル『カラフル』
【原作】森絵都『カラフル』(文春文庫刊)【脚本・作詞・演出】小林香【作曲・編曲】大嵜慶子【出演】鈴木福、加藤梨里香、百名ヒロキ、石橋陽彩、菊池和澄、彩乃かなみ、川久保拓司/川平慈英ほか【日程】2023年7月22日~8月6日【会場】世田谷パブリックシアター