愛あるセレクトをしたいママのみかた

豊原江理佳、アリエル役に感じた“運命” 見事射止め「ずっと心の支えになるような宝物ができた」

マイナビニュース
豊原江理佳、アリエル役に感じた“運命” 見事射止め「ずっと心の支えになるような宝物ができた」

●エンターテインメントの力に魅了され女優に
ディズニー創設100周年を迎える記念すべき年に公開される実写版『リトル・マーメイド』。本作で、ハリー・ベイリー演じる主人公の人魚・アリエルのプレミアム吹替版声優を務めたのが、ミュージカル女優として伸びのある歌声を披露している豊原江理佳だ。オーディションでアリエル役を勝ち取った際には、感激して号泣したという豊原が、エンターテインメントに携わる熱いモチベーションを語った。

幼少期から歌うことが大好きだったという豊原。12歳のときオーディションを受けたミュージカル『アニー』で見事主人公・アニー役を射止め女優デビューした。

「小さい頃から至るところで歌ったり踊ったりしている女の子だったのですが、それがお仕事にできるんだ……と思うとすごくワクワクしました。実際舞台の上に立って歌うと、なにか自分が開放できる感覚があり、なんでも自由にできるんだという気持ちになれたんです」

歌うこと、踊ることが大好きという思いだけで臨んだミュージカル。一方で、本格的に女優という仕事を意識したのは、高校生ぐらいの時だったという。


「ちょうどその頃、自分のルーツというかアイデンティティに悩む時期がありました。あいまいな言葉ですが“普通”になりたかったんです。そのとき、ドラマや映画、ミュージカルなどを観ていると、その時だけ時間を忘れられて『明日から頑張ろう』と力がみなぎり、作品の力によって人の心がここまで前向きになれるんだ……私もそっち側の人間になりたいと強く思いました」

思い立ったら行動……豊原はニューヨークに留学することを決意する。

「将来ブロードウェイに行きたいという思いがあったので、そのためにはしっかり英語ができないといけないと思って、留学することにしました。当時は、なんか自分はフラフラしているなと思っていたのですが、いま振り返ってみると、歩いてきた道には一貫性があるなと感じます(笑)」

帰国後、精力的にミュージカル作品に出演し、経験を積んでいくなか、本作のプレミアム吹替版のオーディションのチャンスを得た。

「ディズニー作品は小さい頃から観ていましたし、もちろん『リトル・マーメイド』も大好きな作品でした。そんななか、(アリエルを演じる)ハリー・ベイリーさんの歌声をYouTubeで聴いて、なぜかビビっと来て、『この作品にどうしても携わりたい。この役は私がやるんだ』と運命的なものを感じたんです。
受かる、受からないとかいうことではなく、『とにかく私が今まで生きてきた姿を見て』という気持ちでオーディションを受けました」

強い思いで臨んだオーディション。しかし思いが強い分、空回りしてしまい、自分自身の評価は「ダメだ」と落ち込んだという。

「お恥ずかしい話ですが、気合いが入りすぎてしまって……。アフレコもガチガチで、正直ほとんど記憶がないぐらいでした。家に帰ってきてから『もう絶対ダメだ!』と(笑)。結果が出るまで、ずっと母に『どう思う? ダメかな?』って聞いていました」

しかし結果は、豊原の強い思いが通じて合格。晴れて「パート・オブ・ユア・ワールド」など名曲を含め、美しい歌声を持ち人間の世界に憧れているアリエルとして作品に命を吹き込んだ。

「本当に貴重な経験でした。
オーディションを受けたときも、本編を観たときも、私にとってはもちろんですが、作品自体に時代が移り変わっていっても、ずっと語り継がれていくような、そんな大きさを感じました。本当に大きな作品に携わることができたんだなと。私がおばあちゃんになって、歌わない日が来たとしても、『アリエルを演じたんだ』という思いがずっと心の支えになってくれるような。本当に大きな宝物ができたと思います」

●吹替初挑戦で視野拡大! 新しい仕事にも意欲

そんな熱い思いで臨んだ作品が9日に公開を迎えた。これまで数々のミュージカルに出演してきた豊原でも、緊張する日々だという。

「正直ちょっと怖いんです(笑)。舞台の初日もそうですが、お客さんの元に届くときが、しっかり伝わるかなと一番緊張します。そして、こうして取材を受けると、自分がアリエルを演じたんだということが実感として湧いてくるんです」

それでも、作品の力は強く「きっと多くの人に届くはずだ」という思いもある。


「とても素敵な映画ですよね。アリエルの持つ自分の思いを貫く強さや、エリックとの恋模様も素敵です。特に私は、2人のなれそめが表面的ではなく、考え方や価値観などで結びついているところが大好きです。出会うべくして出会った2人の愛の物語であり、父と娘の愛も描かれる。とても大きな愛のある作品だなと思います」

さらに本作を経験したことで、豊原の視界も大きく広がったという。

「今回初めて吹替のお仕事をさせていただき、最初は不安がありましたが、視野が広がった気がします。これまではやったことがない仕事に対して、少しネガティブに考えてしまいがちだったのですが、『できないと思います』ではなく、いろいろなことにチャレンジしていきたいと思えるようになりました。しっかりと届くと感じられるものだったら、ジャンルにこだわらずどんどん挑戦していきたいです」

また、劇中では伸びやかな歌声を含め、情緒豊かな感情を表現しているように感じられたが、課題も見つかったという。


「歌に関しては、気持ちだけではなく、やっぱりしっかりとした技術が必要だなと思いました。歌唱力があってこそ、自由に表現できるんですよね。もっともっと基礎のトレーニングを強化したい。もちろん、心を豊かにすることも必要だなと感じました。いま舞台をやっているのですが、自分とは違う役柄なんです。その際『なんでこの子はこんなことを言うのだろう』と思うのと、『こういう気持ちだからこう言ってしまうんだ』と考えるのでは、絶対的に表現力が変わる。先入観を持たず、相手の気持ちを理解する優しさが大切だと思いました」

“優しい気持ち”という意味では、本作にはさまざまな人々の優しさがあふれている。豊原は「本当に優しい気持ちになれる作品だと思います。
人に優しくなるということは、自分に優しくなるということでもあると思うので……」と作品に込められた思いを語っていた。

■豊原江理佳(とよはら・えりか)
1996年4月8日生まれ、ドミニカ共和国出身。2008年、ミュージカル『アニー』のアニー役でデビュー。ニューヨーク留学などを経て、2016年、ミュージカル『アップル・ツリー』に出演。近年の主な出演作は、舞台『ピーター&ザ・スターキャッチャー』(20)、『ゆびさきと恋々』(21)、『ソーホー・シンダーズ』(19・21)、『EDGES-エッジズ- 2022』(22)、『ファンタスティックス』(22)、『ザ・ビューティフル・ゲーム』(23)、映画『キネマの神様』(21)、ドラマ『ホームルーム』(20/MBS)など。

提供元の記事

提供:

マイナビニュース

この記事のキーワード