くらし情報『動物は「高周波ガンマ波」でワーキングメモリを読み出している? - 理研』

動物は「高周波ガンマ波」でワーキングメモリを読み出している? - 理研

野生型のマウスでは、T型迷路を用いた空間ワーキングメモリ課題において、迷路の分岐にさしかかる直前に、海馬-嗅内皮質間における「局所電場電位」の内、高周波ガンマ領域における「位相同期性」(画像2)が著しく高くなることが発見された(画像3)。

局所電場電位とは、深部脳内に挿入された電極の周辺から計測する集合電位。電極の種類や脳内の部位にもよるとされるが、電極の数100μm近傍のシナプス後電流の空間的総和を反映しているという。また振動現象は「振幅」と「位相」の独立した成分に分けて議論されるが、位相同期性は2点間の位相差を観測し、その位相がどの程度そろっているのかを解析する手法である。

この同期性はテスト試行において高く、さらにテスト試行で正解した場合に顕著である一方、不正解の場合にはほとんど確認されなかったという。また、この神経回路がブロックされた遺伝子改変マウスではT型迷路でのパフォーマンスが悪いことが示されていたが、このマウスにおける高周波ガンマ波の活動は非常に低いことが確認された。このことから、高周波ガンマ領域における位相同期性は空間記憶を正しく呼び出すことに関与すると考えられるとする。

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