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綾瀬はるか、強さとは「今の自分自身を楽しむこと」 出会いが生んだ“前向きな思考”

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綾瀬はるか、強さとは「今の自分自身を楽しむこと」 出会いが生んだ“前向きな思考”

●新たに挑戦したアクションで新境地
女優・綾瀬はるかが、アクション大作『リボルバー・リリー』(11日公開)で、リボルバーを携えた“史上最強のダークヒロイン”という新境地に挑んでいる。これまでも多くのアクション映画でその高い身体能力を発揮してきた綾瀬だが、今作ではその経験をリセットし、過酷なアクションに挑戦した。厳しい時代を生き抜く女スパイ・小曾根百合、その役を演じ終えた今、綾瀬が考える“強い女性”とは。

○■敵をも引き付ける小曾根百合の魅力「芯が強くて、母性もある」

――今作で演じた小曾根百合は実在しない女スパイですが、演じてみてどういった印象でしたか?

かっこいいですよね! 感情表現がすごくあるわけではないですが、芯が強くて、母性もある。そして何か胸に秘めている雰囲気が色っぽさにも繋がっている。改めて、度胸のあるかっこいい女性だなと思いました。

――作中の時代背景を考えると、実在していそうな気もしますね。感情表現は少ないとおっしゃっていましたが、面倒見が良く、周囲から愛されているキャラクターでもあります。


出過ぎないように抑えてますが、すごく面倒見が良いんですよね。百合のお店「ランブル」でも女の子たちの面倒を見ているので姉御肌というか、母性は強いと思います。

――作中では、敵陣である陸軍側からも好かれていると感じるほどの魅力を放っていました。

女性でスパイって珍しいですもんね。そして、いわゆるアクションをする! 戦う! といった格好ではなくて、「決してそれでは戦わないよね?」というようなきれいなドレスを着ているので、そういう意味では目を引く存在ではあったのかもしれません。

○■“むき出し”のドレス姿でのアクションに初挑戦

――確かに衣装も見どころの1つですね。ワンピースにブーツ姿でのアクションというのは、今までにない挑戦ですよね。

初めてでした。
今までアクションシーンの撮影では必ず肘と膝にプロテクターをつけていて、それが隠れるという基準で衣装が用意されるんですが、今回、衣装がドレスやワンピースで、腕や膝“むき出し”の状態だったので少し不安はありました。アクション監督とも話して、そういう衣装でもキックができるアクションに変更したり、受け身を取るときにも肘から地面に落ちないような転び方を練習したり……。それでも擦り傷はできましたけど、今回の衣装でできるアクションというのを考えながら、撮影しました。

――今まで培ってきたアクション経験は、ある意味リセットして一から作り上げていく作業に近いと。

そうですね。ケガをしてしまうと撮影もストップしてしまいますし、腕もむき出しだから安全第一の中でやれるアクションを考えながら。ハードなアクションシーンということももちろんですが、むき出しの部分が多いので個人的に弱気になることがありました(笑)。私はこれまでの経験から肘、肩と順番に受け身を取ってしまう癖があって、同じところを何回も擦りむいてしまって。


○■SixTONESジェシーとの激しい肉弾戦「喧嘩のような……」

――そんな過酷なアクションシーンにも挑んだ今作ですが、撮影に向けて準備したことはありますか?

基本的には体幹を鍛えて、このアクションに向けて体力をつけることを意識してトレーニングをしていましたし、百合は合気道の使い手なので、その型を練習していました。あと、リボルバー拳銃を扱うのは初めてだったので、弾丸の装填とか扱いをスパイっぽくお芝居の会話の中でスムーズにできるように練習しました。撮影前は、手元を見ないでやれるようにと意識していたんですが、(銃の)先生いわく「別に見ながらやってもいい」みたいで(笑)。指にマメができるくらい練習したんですけど、見ないでするリロードは、運の部分もあって、できるときもあれば、しくじるときもある(笑)。

――綾瀬さんは約15年ジムに通われているそうですが、アクションに加えてガンアクションもあるとさらに大変ですね。

いつでも動ける体でいようと思っていたんですけど、去年は1月ぐらいから全然運動をしていなくて。その後、連ドラに入って忙しくしていたら、半年ぐらい全く運動していない人になっていたんです。なので、この作品に向けてまずは動ける自分になるというところからのスタートでした。


――ルーティンをこなせないほど忙しかったんですね……。いろんな意味でリセットして臨んだ作品だったと。そんな中で合気道にも挑戦されて、SixTONESのジェシーさんとの肉弾戦は迫力がありました。

合気も新しく習いましたが、あのシーンで印象深いのは、やはり腕ががっつり出ている状態での戦闘ですね(笑)。特にジェシーさんとのシーンは戦うというより、激しく壁に打ちつけ合う、いわば喧嘩のような力ずくのものが多かったので、ビビリながら……。基本的に普段のアクションシーンでは、ぶつかり合う部分にパッドを仕込んでたりして、お互いに痛くないようにしているんですけど、私は素手だったのでどうしても痛くて、ビビってしまう。でもジェシーさんは、そこをうまくカバーして立ち回ってくださいました。

●綾瀬はるかの思う“強い女性”とは

――ガンアクションの撮影では火薬を使用するなど、また違った緊張感もあったと思います。


現場も緊張感がありました。リボルバーで敵を狙っているけど、火薬を入れるから顔に向けてはいけない。一瞬手が当たるだけで発砲してしまうので、絶対に手を外してなければいけないとか、一連のアクションの中で気を付けることが多くあり、考えずにできるようになるまでは練習が必要でした。

○■楽しめる環境を作っていく意識「今の自分自身を楽しんでいる人は強い」

――そういった練習を重ねて“史上最強のダークヒロイン”小曾根百合が出来上がっていったと。今回、綾瀬さんが演じた百合は、未来を救うために体を張って慎太(羽村仁成)を守る“強い女性”でしたが、綾瀬さんにとって“強い女性”とは?

周りにとってもいいと思える決断ができて、誰に対しても変わらず思いやりを持っている人は、その人自身が強いからこそ、人にも優しくできるんだろうなと思います。

あと、今の自分自身を楽しんでいる人は強いですよね。日々の生活の中で、どんな些細な小さなことでも前向きに捉えて、自分で楽しめる環境を作っていく力はすごく大事だなと。楽しもうとする意識や自分がどういう視点で捉えるか、どういう選択をしていくかで変わっていくと思います。
できれば楽しいほうがいいじゃないですか? なので、私自身も日々そういった環境を作れるように過ごしています。

――そういった考え方は女優という今のお仕事を続けられている中で、芽生えたものなんでしょうか?

お仕事でというわけではなくて、関わってきた方々がすごく明るい人が多かった。明るい人は、物事を前向きに捉える思考をたくさん積み重ねてきていると思うんです。私の母もそうなんですが、例えば私が「『リボルバー・リリー』に出るんだけど、時間がなくて練習ができてなくて、不安なんだよね」と相談したら、「アクションは得意中の得意じゃん! 自信持ってやれば大丈夫よ!」のようなことを言ってくれるんです。そうすると、“私はアクション得意だった! 自信持って行こう!”と前向きになれる。これまで、周りの人から前向きになる言葉をかけていただいてきたので、私もそういう言葉をかけることができる人なりたいです。

■綾瀬はるか
1985年3月24日生まれ。広島出身。
2000年デビュー。近年の主な出演作は『今夜、ロマンス劇場で』(18)、『劇場版 奥様は、取り扱い注意』(21)、『はい、泳げません』(22)、『レジェンド&バタフライ』(23)など。

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