マクドナルド誕生の裏を暴いた『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』は"創業者"争いが痛快な人間ドラマの秀作
その昔、朝昼晩1カ月マクドナルドを食べ続けるとどうなるかを検証して米マクドナルド(それに類するファーストフード界隈)を痛烈に批判したドキュメンタリー、『スーパーサイズ・ミー』(04)という映画があったが、それは良くも悪くもマクドナルドがxアメリカ国内において国民食レベルで定着したことの裏返しであり、世界最大級のファーストフードチェーンであったからこその功罪を問うという現象であった。それから10数年後の2017年、再びマクドナルドの光と闇に迫る映画が登場した。それが、『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』。なんか副題が付いているが、ファウンダー=創業者のお話なのである。
"ヒミツ"と言っているので知らない人が多いということもかもしれないが、ざっくり言うと実はマクドナルドの創業者と、それを世界最大級のファーストフードチェーンに育てた人物は違うのである。この映画は、レイ・クロックという後者の実在のビジネスマンに焦点を当て、彼の目線でマクドナルドが全米で市民権を得ていく過程を描いていくのだ。
実話に基づいたストーリーは、1954年のアメリカで始まる。主人公レイ・クロックは、シェイクミキサーのセールスマンとして中西部を回る52歳のしがない中年。