関西ジャニーズJr.、リアルなお笑い芸人の物語に共感!? 映画『関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生!』座談会
●旅館でカラオケも楽しんだ撮影
関西を中心に活躍するアイドルの関西ジャニーズJr.。関ジャニ∞やジャニーズWESTなどを輩出し、東京のジャニーズJr.とはまた一味違った魅力で人気を博している。独自の公演を行い、関西のバラエティ番組のレギュラーを務めるなど、活躍の幅を広げる。
そんな関西ジャニーズJr.が松竹とコラボした映画がシリーズ化され、第4弾となる今作『関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生!』(8月26日公開)はお笑い芸人の物語となった。賞レースで実力を見せたが、テレビに馴染めずに苦悩するコンビ・エンドレス(西畑大吾、藤原丈一郎)と、養成所では伸び悩んだものの現在はブレイクするトリオ・ピンクらくだ(向井康二、室龍太、草間リチャード敬太)の青春を描いた作品に、どのように挑んだのか。
○エンドレス&ピンクらくだ、それぞれのキャラ
――それでは、今回それぞれのキャラクターについて教えて下さい。まずは、「エンドレス」のメンバー・稲毛潤役の藤原さん。
藤原:一緒に漫才をやっている高浜に言いたいこともあるけど言えなくて、気持ちを伝えられない。
1人で抱えこんじゃう性格のキャラクターだと思います。気配りもするけど、しっかり伝えられないというところもある。自分とよく似た部分もあるので、そういう面では演じやすかったです。
――「ピンクらくだ」揉野重信役の向井さん。
向井:ピンクらくだは3人の仲良しトリオで、ライバルのエンドレスとも最初は仲良くやっていたんです。でもエンドレスだけが売れていって、映画では描かれないけど悔しくて勉強もして、自分なりにどうやったら売れるかを考えて、エンドレスより売れるようになった。
でもこっちが売れるだけじゃダメで、エンドレスと一緒にやらないと、ピンクらくだは強くなれないんです。僕が一番、エンドレスの2人のことをわかっているつもりで、直接的じゃないんですけど「頑張れよ」「俺らをまた追い越してくれよ」と思っています。
キャラ的には、無駄に二枚目をやっておりました。
室:(小声で)そこが聞きたかったの。
向井:え、ちょっと長い? 俺実はコメントをまとめてきてん。練習したの。キャラは、二枚目です!
室:そこから聞きたかった!(笑)
――それでは、「エンドレス」の高浜優輔役の西畑さん。西畑:僕はお笑いが好きな少年です。中学時代にいろいろとお笑いを好きになるきっかけがあって稲毛と出会ってコンビ組んでやっていて。お笑いが好きすぎるあまり方向性や夢を見失ったりしちゃうんですけど、どう変わっていくかというストーリーになってると思います。
短めで!
藤原:じゃ次、(「ピンクらくだ」大村健次役の)室さんお願いしまーす。
室:お前いきなり仕切り始めんなよ! 誰やねん!
藤原:お願いいたします。
室:そうですね。僕はお笑い好きでビビリのリアクションがでかいキャラです。
向井:なるほどわかりましたありがとうございまーす。
室:……。
向井:終わり!? ほんまに終わり!? すごい、さすがやっぱ長く生きているだけありますね(拍手)。勉強になる。
――では、最後に「ピンクらくだ」加藤亮太役の草間さん。
草間:えーー、えーー……。
室:いや、1番最後やねんからさ!
草間:僕の役はピンクらくだの中にいつつも、中立で見ていてハイハイと言うタイプの人。まだ自分の要素に気づけてない人やと思ってます。お笑いでもっと自分を出せたらいいのになと思ってやってました。
向井:これから成長という感じやね。映画終わってから。
草間:そうそうそう。
○余裕のない中で、楽しみながら撮影
――今回の作品は、どのような雰囲気の中で撮影が行われていたんですか?
草間:余裕はなかったよな。
藤原:撮影自体は詰め詰めだったけど、個々で時間があった感じ。
西畑:エンドレスが撮影してる時は、ピンクらくだが……。
藤原:カラオケ行ったりとか。
室:こら!
向井:言うな!!
西畑:丈くん! これはいいましょう!
藤原:僕たちが一生懸命、漫才の撮影をしている時に電話がかかってきて、後ろの方でめっちゃ歌ってるんですよ。ちょっと離れた、旅館の敷地内でカラオケやってるんですよね。そこで、何したの?
室:カラオケで、漫才の練習。
向井・草間:そうそうそうそう!!
西畑:ミスチル歌ってたって聞いた。
一同:(笑)
室:ちゃんとジャニーズも歌ってたから!
向井:俺ら偉いのよ、ちゃんとうるさくないようにして。珍しく、ドラム缶のテレビで……。
草間:ドラム缶!?(笑)
西畑:ブラウン管?
向井:ブラウン管!
西畑:ドラム缶は違う!
室:やばいそれは!
向井:でね、文字と音があってなくて。
室:ブラウン管の話はもうええねん!
西畑:いやすごい楽しかったですよね。
●より「頑張ろう」と思えた物語
○芸能界だけでなく当てはまる話
――今回はお笑い芸人を通して、芸能界での青春がリアルに描かれていましたが、共感したところなどはありましたか?
草間:自分が当事者ではないんですけど、同じくらいに出た人らでも、片方が急に売れて片方が伸び悩んでるという話は、ほんまに気持ちがわかったわけじゃないんですけど「こんな感じなんや」と思いました。この先自分らにもそういうことがあるのかなと思ったら、ちょっと怖くはありました。
室:作品の中で「売れてる芸人より俺らの方が絶対おもろいのに」とか、そういう場面がありましたけど……。
向井:……(笑)。
室:いやそんな、違いますよ!? 調子乗ってるとかじゃなくて!(笑) そういう風に思うところは、リアルでもあるかもしれないなと思いました。
向井:誰、誰? 誰に対して?
藤原:例えば?
室:ちゃうやん!! ちーがーう! そういうんじゃないから!
西畑:お笑いもそうですけど、普通の会社でも、同期が先に出世して自分が伸び悩むということはあると思うんですよ。最初は賞レースで勝っていたエンドレスやからこそ、急降下に葛藤もあったと思いますし、生きていたらそういうことあるのかなと思いました。ジャニーズJr.で生きていてもそうです。
向井:ジャニーズの世界でも、一緒に頑張ってきた人が、後ろの方に行ってしまったりとか、リアルにあります。でもピンクらくだは、エンドレスの人気を超えられた。落ちても頑張ったら上に行けるんだぞということを、改めて思いました。より、頑張ろうとなりました。
――すごくいい話ですね。
向井:ほら! (室に投げキス)
室:ええって!
藤原:大吾も言っていたように、芸能界だけでなく会社や学校でも、頑張っても報われない人もおれば、いきなりポンと上がる人もおる。ジャニーズでも、デビューしている人が後輩ということも、全然あるんです。最近やとジャニーズWESTの小瀧望や藤井流星が後輩なんで、そういう面では結構リアルですよね。でも諦めず、エンドレスが2人で同じ方向性に向かっていくというのが1番やし、しっかり夢に向かって着々と身につけるのが、大事だなと思います。
○仲間の演技に刺激を受けた
――お笑いシーンも本格的で、漫才やコントの練習も大変だったんじゃないかなと思いました。
西畑:僕はやっぱり丈くんに助けられたところがすごく多くて。「一緒にやろうや」って言ってくれたりもしましたし。
藤原:寝る場所もエンドレスとピンクらくだで分かれたので、ちょっとでも空き時間があれば2人で漫才みたいな。ほんまに芸人さんみたいなことやってました。
向井:ピンクらくだはコントで室くんがグロテスクマンになってましたけど、本人が1番気に入ってましたから。「ポーズどうしようかな」って、1番練習しなくていいのに練習してた。
室:いやいや、ああいうの初めてやったから。
草間:ずっとやってたよな(笑)。
――室さん、藤原さん、草間さんは普段も一緒にお笑いの舞台に立たれているそうですね。
室:僕らは劇場でやる漫才やコントの仕方しか知らなかったので、テレビや映画で見せるやり方との違いが今回でわかりました。
西畑:言うてること、ほんまに芸人さんですよね。
向井:ツッコミも、例えば「普通やんけ!」というのが定番やと思ってたんですけど、テレビ向けだと「ふつ~じゃないですか~!」という、合いの手ツッコミみたいな。本物の芸人さんには恐れ多いですけど。
――お芝居の面では、お互いを見て改めて印象的なシーンはありましたか?
向井:試写を見たときに、大吾の芝居がいいなって、刺激をもらいました。悔しいときもあるんですけど、そう思えるのはすごくいいことだと思います。大吾の涙がこぼれそうでこぼれなくて、目の辺りに見えない手があって押さえているみたいな。……今、僕の表現方法が独特でしたけど。
室:自分で言った(笑)。それな、人からつっこまれるやつ!
藤原:でも、今のすごく良かった。
向井:いやちょっとクサすぎたかなと思って! 俺今日、俳優モードやから!! やり直していい? 涙がこぼれないように、目の辺りに見えないワイパーがあるみたいな。
西畑:拭いてもうてるやん!
向井:やっぱ涙ってこぼれるものじゃないですか。でもあえてこぼさないというか。良かったです!
一同:(笑)
西畑:俺には、心のワイパーがあったってことだよね(ワイパーのジェスチャー)。
草間:ここの3人(西畑、向井、室)は何回かやっているということもあって、初めから役作りは早かったかなと思いますね。そういうところは見ながら、かなわんなと思いましたし。
西畑・向井・室:(ニヤニヤ)
草間:……照れんのやめてくれます?(笑)
室:俺は康二が、二枚目もいけるんやなって感心しました。
向井:そうよ、いけんのよ。
藤原:僕はやっぱり大吾とのシーン。撮影だから区切って流れが途切れてしまうのに、監督が「ハイ」って言った瞬間にぐっと涙が出てきて、撮影中でしたけど普通に「スッゲー」と思って。
西畑:いや~、恥ずかしい!
藤原:一番目の前で見ていたので、すごかったです。
西畑:僕は、一人ひとりの個性すごく立っていて、自分が出ていないシーンでいいシーンだなと思ったところもありましたし、ぞくっとしたシーンもありました。すごい楽しくできたので、嬉しかったなと思います。