わたしの金言 ~芸能界と心の支え~ (7) 村上淳・虹郎ら所属ディケイド社長「マネージャーはプロデューサー」
多くの人の支持を集めることが人気のバロメーターである一方、常に評価の目にさらされる宿命にあるのが著名人たち。それぞれの職業観の中で、どのような言葉を支えにして苦境を切り抜けているのか。連載「わたしの金言」は、著名人たちが心の拠り所としている言葉を聞く。
第7回は、村上淳、村上虹郎、三浦誠己らが所属する事務所・ディケイドの佐伯真吾社長。設立25周年を記念して、映画『AMY SAID エイミー・セッド』(9月30日公開)を企画・製作し、主演の三浦をはじめ、自社俳優の総出演で「大人の青春ストーリー」に本気で挑んだ。
村上淳をデビューから支え続け、今では個性派俳優を多数抱える事務所にまで成長させた佐伯社長。その金言からは、苦楽をともにしてきた俳優たちへの愛情とマネージメントの極意が滲み出る。
2つありまして。
映画プロデューサーの椎井さんから言われた「マネージャーはプロデューサーである」。阪本順治監督とずっと一緒にやってこられた方で、村上淳を売り込みに行った時に僕に対して言ってくださった言葉でした。以来、自問自答しながらマネージャーの仕事を続けてきました。マネージャーがプロデューサー的な役割を担うということはどういうことか。阪本さんの作品が大好きで、なんとか村上淳を出したくて、何のツテもなかったんですが窓口を調べてたどりついたのが椎井プロデューサーでした。何度も通ってお願いしていた中で、「役者をやめないんだったらいつか出会うから。機が熟すまでがんばってね」と言われたんです。
当時20代そこそこのマネージャーの話なんか聞いてくれないはずなんですが、きちんと向き合ってくださいました。
その時に、「あなたがどんなマネージャーか分からないけど、マネージャーなんだからもっと長い目で役者を育てる目線を持った方がいい」と言われたんですね。
当時の僕は、オーディションがあればその作品に出すために必死にお願いすることしか思いつかなかった。でも、マネージャーは目先のことばかり追っていてもダメなんです。もっと長い目で、段階を踏んだイメージを持つことが大切だとおっしゃっていたんだと思います。それは今でも常に心掛けています。
そして、もう1つは「地道」という言葉。小林薫さん主演の『キツイ奴ら』(89年・TBS系)という久世光彦さんのドラマがありました。このドラマがすごく好きで、その役にとっての格言が「地道」だったんです。
たぶん大学生ぐらいだったかな。二十歳だろうが五十歳だろうが、「地道」の大切さは変わらないと思います。何事にも「地道」でありたいです。
■プロフィール
佐伯真吾
株式会社ディケイドの代表取締役。1991年3月28日より同社を立ち上げ、俳優・クリエーターのマネージメント、音楽レーベル運営、音楽、映像、イベントの企画制作プロデューサーなどを行う。国際映画祭の常連である河瀨直美監督をはじめ塚本晋也監督、山下敦弘監督、若松孝二監督、瀬々敬久監督、諏訪敦彦監督、大森立嗣監督らの国際的評価の高い映画作品に数多く俳優を輩出し、同社を牽引してきた。本作『AMY SAID エイミー・セッド』は、企画から全体プロデューサーしている。自社製作は『Playback』(11)に続き2作目。
(C)2017「AMY SAID」製作委員会
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