くらし情報『北野武を"異業種"時代から支える美術・磯田典宏、『アウトレイジ』に至る引き算の歴史』

北野武を"異業種"時代から支える美術・磯田典宏、『アウトレイジ』に至る引き算の歴史

北野武を"異業種"時代から支える美術・磯田典宏、『アウトレイジ』に至る引き算の歴史

●事故後『キッズ・リターン』の色に変化
映画『アウトレイジ 最終章』(公開中)に携わるスタッフたちの言葉を記録し、「アウトレイジ」シリーズ、及び北野武監督率いる北野組の魅力を探る短期集中連載「暴走の黒幕」(第1回:北野武第2回:森昌行プロデューサー第3回:音楽・鈴木慶一)。第4回は『みんな~やってるか!』(95)以降、北野映画の世界観を担ってきた美術・磯田典宏氏。

セリフや編集、音楽に対する「引き算」的思考。徹底して無駄を省く中でメッセージ性を際立たせる北野イズムは、『アウトレイジ』(10)、『アウトレイジ ビヨンド』(12)に続いて完結する3部作の美術にどのように落とし込まれているのか。

監督を"異業種"時代から支え続け、『BROTHER』(01)では異国の架け橋にもなって「引き算」を貫いた磯田氏。「まぁ、いいか」の逃げ道を選ばず、「片目つぶって、やっちゃえ」の覚悟には美術部の矜持が光る。

○キアヌ・リーブス共演『JM』で「これでいいのか?」

――北野監督作は『みんな~やってるか!』から参加されたそうですね。

そうです。
その前に、監督が出演した『教祖誕生』(93)を担当したことがきっかけです。

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