2023年12月8日 09:00
鈴木もぐら、北野武監督から本物認定受け「戒名に…」作品に感じる“リアル”“裏切り”の魅力語る
でも画面を通してリアルに思えてしまう。ギャップもあって、その後に石橋蓮司さんの顔面がギプスだらけで笑っちゃう、みたいな。観てる側も「自分って、これで笑っちゃうんだ」と、新たな自分に出会えるんじゃないでしょうか。「あれ!? 私、こんな包帯だらけの人見て笑っちゃった」みたいな。そういった別の世界に連れていってくれる力がすごいんです。
あと、セリフ回しですよね。一言一言が全部面白い。『あの夏、いちばん静かな海。
』でサーフボードを拾うシーンのセリフとか、青春のリアルな感じが出ていて、すごく好きなんです。海もよく出てくるんですけど、僕は海ぞいで育ったので、武さんの映画の海がすごく綺麗だから、ちょっと地元に思いを馳せてしまったりして。『ソナチネ』で石垣島で遊んでいるシーンとか、死と隣り合わせな中でも、楽しく遊んでいるという、残酷なシーンでもあるけど、何回も観ちゃいます。
○■きっかけとなった『キッズ・リターン』で好きなシーン
――どんどん出てきますね。先ほど「お笑いも裏切りが大事」で、北野作品に通ずるんじゃないかとおっしゃってましたが、やっぱり芸人さんだからこそ思う魅力はあるんですか?
単純に、僕がそうなのかなと感じているだけなんですが、きっと武さんの中に染みついているんじゃないかなと思うんです。