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生田絵梨花、念願のディズニー声優挑戦で「肝が鍛えられた」 ソロになってからの変化やミュージカルへの思いも語る

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生田絵梨花、念願のディズニー声優挑戦で「肝が鍛えられた」 ソロになってからの変化やミュージカルへの思いも語る

●念願のディズニー声優に喜び&プレッシャー
女優・歌手など幅広く活躍している生田絵梨花が、ディズニー100周年記念作品であるミュージカル映画『ウィッシュ』(12月15日公開)でヒロイン・アーシャの日本版声優を務めた。大のディズニー好きでディズニー作品の声優を務めるのが夢だったという生田にインタビューし、本作への参加がどんな経験になったか、そしてミュージカルへの思いや、ソロになってからの変化、今後の目標など話を聞いた。

本作は、どんな願いも叶う魔法の王国の驚くべき真実を知ってしまったヒロイン・アーシャが起こす奇跡を描く物語。オーディションを経てアーシャ役をつかんだ生田は、「うれしすぎました! 急に夢が現実になったので飲み込むまでに時間がかかりましたが、『おめでとう』と言ってもらって、喜びがあふれて涙が出ました」と振り返る。

喜びとともに、ディズニー100周年記念作品というプレッシャーもあり、レコーディングの前に声帯に不調を感じたと明かす。

「レコーディング初日の2日前ぐらいから声帯の調子がおかしくなってうまく声が出せない感じに。でも、チームの皆さんが温かくて、『喉には豚骨スープがいいらしいよ』とインスタントのラーメン作ってくださったり、『アフレコの責任は僕たちが請け負いますから、生田さんはアーシャをのびのびと表現することにフォーカスしてリラックスして臨んでください』と言ってくださって、そのおかげで安心してのびのびと演じることができました」

○■美しい歌声も披露「『星まで届け~!』という思いで歌いました」

劇中歌「ウィッシュ~この願い~」で美しい歌声も披露。レコーディングでは伸びやかさを意識したと語る。


「力強い楽曲ですが、強く歌おうとすると固い感じの強さになってしまうと思い、それよりもアーシャや楽曲の強さは、伸びやかさや柔軟なところにあると思ったので、『星まで届け~!』という思いで歌いました」

歌唱シーンのみならずセリフ部分も伸びやかさを感じたが、セリフのアフレコの際にも発声練習をしてから挑んだという。

「歌とつながっているように聞こえてほしいし、アーシャの生き生きした感じを出すために声も柔軟性をつけたいと思ったので、歌う時と同じように発声練習をしました」
ミュージカル経験豊富な生田だが、アニメーションのミュージカルの面白さや難しさはどう感じたのだろうか。

「普段だったら自分の表情や動作で感情が伝わると思いますが、アニメーションに関してはキャラクターが既に宿しているので、そこにどう自分の声を乗せるか。自分が前に出るのではなく表情をよく見て一緒に表情筋を動かしてみたり、アーシャに引っ張ってもらいながら声を乗せていきました。レコーディングの途中で監督から『もうアーシャだね』と言ってもらった一言は一番うれしかったです」

●子供の頃からミュージカル女優を目指していた
アーシャとの共通点を尋ねると「自分の心に正直に、信じたことに対して突き進むというのは、似ていたらいいなと。私も自分の心の声は無視できない部分があるので、似ていると思います」と答えた。

とはいえ、昔は自分の思いをなかなか口に出せない子供だったという。

「多数決する時に多いほうに合わせたり、みんながいいと言うものをいいと言ったり。
小学生の時からミュージカル女優になりたいと思っていましたが、その当時周りにミュージカル女優になりたいという子がいなかったのでなかなか言えず、ケーキ屋さんになりたいと言っていました」

芸能の仕事をするようになってから自分の思っていることを口に出せるように。

「自分の意見をしっかり述べた上で、ほかの人の意見も聞いて、お互いそれを分かり合いながら進んでいくことの大切さを感じて変われたのかなと。アイドル活動においても、役者の活動においても、全部で必要になってくるなと学びました」
○■ステージに立つ怖さをプラスに捉えられるように

『アニー』を見て子供の頃からミュージカル女優を目指してきたという生田。「ミュージカルは全部が詰まっているなと。音楽もあるし、お芝居もダンスもあって。見る側としても、五感全部を使って体験するというのは、ミュージカルの空間でしか味わえないものだから、いつか自分もあっち側に行ってみたいと思いました」と魅力を語る。

実際にミュージカルに出演するようになってからもミュージカル女優としてやっていきたいという思いは変わらないものの、「怖さのほうが勝るようになってきた」と明かす。

「最初の頃は『楽しい!』という感じでやっていましたが、ナマモノなので失敗したらどうしようと思ったり、自分の表現したいことがうまくできなかったりして、ステージに立つことやお客さんが見てくれていることが怖く感じる瞬間が出てきました」
経験を重ねる中でその怖さをプラスに捉えられるようになっていったという。


「怖さや緊張を抱えてステージに立つこと自体に意味があるんじゃないかと思うようになり、ステージに立つことが誰かの役に立ったり、少しでも救いになるかもしれないという希望を感じられるようになってきました」

いろんな舞台を積み重ねて楽しめるようになってきたというが、2019年のミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』は自身にとって転機に。

「普通はお客さんとステージの間に区切りがありますが、『グレート・コメット』はステージの中にお客さんがいるという変わったシチュエーションで、お客さんがものすごく近いというのを体感した時に、お客さんも仲間だと思うことができて、そこからグッと変わった気がします」

●ソロになって“自分なんて”という思考から脱却
ソロになってからまもなく2年。女優業やアーティスト活動、音楽番組MC、ファッションブランドのモデルなど、幅広く活躍しているが、生田は「想像していた以上にいろんなジャンルに挑戦させてもらっているなと思います」と充実した表情を見せる。

「グループにいる時もいろんな活動をさせてもらっていましたが、『ミュージカルの人』という枠組みになることが多くて。自分はモデル業とかお呼びじゃないのかなと思っていましたが、やってみたらすごく楽しかったですし、映像作品も卒業してからよりいろいろやらせてもらえるようになって、楽しいと思える瞬間が増えてきて、いろんなジャンルを挑戦できているのはありがたいなと思っています」

今後も、舞台を主軸にしつつ、幅広く活動していきたいと考えているそうで、「軸をたくさん作れたらいいなと。それぞれがほかのことにも作用してくると思うので」と話した。

また、ソロになってから「踏ん張りが利くようになりました」と自身の変化を語る。

「グループにいる時は、譲り合ったり協力したり、頼ることもできるという、そういう環境の中でずっとやってきたので、“自分なんて”というのが染みついていて、ソロになって最初の頃はその感じが抜けませんでした。
でも今は『自分がやるしかない!』『どうなるかわからないけど、とにかくやるぞ!』という風に、踏ん張りが利いてきたように思います」

さらに、『ウィッシュ』への参加で「精神的に鍛えられて肝が据わってきました」と、より頼もしくなったようだ。「ずっと緊張の連続だったので肝が鍛えられたなと。アフレコで緊張するし、初歌唱で緊張するし、監督たちの来日でも緊張するし。緊張しなくなるなんてことはないですが、それを受け入れていかにどっしり立っていられるかというのが鍛えられたと思います」と述べると、「鍛えた肝が今後いろんなお仕事に生きてくるといいなと願っています」とほほ笑んだ。
○■舞台は「自分を成長させ続けてくれる大切な場所」

今後については「大きいことをやりたいというより、長く続けていられたらいいなという思いがあります。先輩方を見ていても、長く続けた人にしか見えない視点があると感じるので」と述べ、その上で「映像などいろんなことに挑戦しながら、これからも舞台に立ち続けたい」と思いを語った生田。

演技力や歌唱力はミュージカルで培われたものが大きいと感じていると言い、「舞台は素晴らしい実力を持った人たちがたくさんいて、いくら追ってもゴールがなく、自分を成長させ続けてくれる場所だなと。間違いなくミュージカルでの経験がなかったら『ウィッシュ』はやれてなかったと思うので、自分にとってすごく大切な場所です」としみじみ。
「これからもいろいろな作品を経験して成長していけたら」と力を込めた。

■生田絵梨花
1997年1月22日生まれ、ドイツ出身。乃木坂46の1期生として活躍し、2021年末で同グループを卒業。女優としても幅広く活躍し、代表作はミュージカル『レ・ミゼラブル』『ロミオ&ジュリエット』、映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』『Dr.コトー診療所』、ドラマ『PICU 小児集中治療室』『こっち向いてよ向井くん』などに出演。2017年に第8回岩谷時子奨励賞、2019年に第44回菊田一夫演劇賞を受賞した。また、ソロアーティストとして初の全国ツアーを今年開催。NHKの音楽番組『Venue101』ではMCを務めている。

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