20歳をピークに低下する認知機能、より効果的な予防策は筋トレ+有酸素運動
作業記憶や処理速度、知識などの「認知機能」は、年々積み重ねていく知識を除き、20歳をピークにして低下していく。厚生労働省の発表では、認知症を有する高齢者は2010年で226万人、2020年で325万人に達するという。そんな中、より効率的な認知症予防として、筋トレと有酸素運動が注目されている。
○運動で血が巡り、脳のボリュームが増す
そもそも筋トレや有酸素運動などという運動は、どう認知機能に影響を与えうるのか。東北大学災害科学国際研究所の野内類助教授によると、運動による心拍数増加によって全身への血流量が増えると、同時に脳への血流量も増加するという。その結果、神経細胞が活性化され、脳のボリュームが大きくなる。この脳の拡大が、認知機能の向上に関わっていると推測されている。
では、筋トレや有酸素運動を組み合わせて行った場合、認知機能にどのような影響があるのか。
東北大学とカーブスジャパンは、60歳以上の日本語を母語とする健康な男女64人を対象に研究を実施。運動は筋トレと有酸素運動を30秒間隔で繰り返すサーキットトレーニングを、1日30分、4週間続けて行った。
○組み合わせることでより効率的に
認知機能検査をサーキットトレーニングの介入前と介入後に2回実施し、その得点によって認知機能の変化を検証。