ファンドを"キャラクター"でとらえると選びやすくなる!?
投資信託はファンドの種類が多く、自分に合ったものが選べるのもメリットですが、ファンドの数が多いので、どれを選んでいいか迷ってしまうという面もあります。
そんなときは、ファンドをタイプごとに分類して、それぞれの特徴をつかむとよいでしょう。
○ファンドにも「キャラクター」がある!?
どのファンドも、何に投資するかがあらかじめ決まっています。大きく分けると、
株に投資するタイプ
債券に投資するタイプ
株と債券の両方に投資するタイプ
があります。
株は債券より値動きが大きく、値上がりが期待できます。そのぶん、値下がりの可能性も高いわけですが、長期間で考えると資産を殖やす力が強いといえます。
債券は価格の変動が小さく、大きな値上がりは期待できないけれど、一定期間ごとに利子が受け取れることもあり、資産運用を安定させる効果が期待できます。
株と債券に投資すれば、その両方の性質を持つことになります。また、株と債券は値動きが逆になることが多いので、ファンドの値動きも安定したものになります。
このような投資対象による基本的な性格がわかれば、ファンドも選びやすくなるはずです。
○長くつきあえるのは長く運用されているファンド
基本的に、投資信託はある程度の期間保有して資産をじっくり殖やすためのもの。でも実際には新しいファンドが次々に作られては消えていくという状況が続いてきました。そんな中で、きちんと運用実績を上げているファンドは長く運用されていることが多いもの。
新しく設定されたファンドは、これからどのくらい運用成績を上げられるかわかりません。
そういう意味でも、これからじっくり資産作りをしていくのであれば、少なくとも3年以上、できれば5年以上運用されているファンドで、これまでの運用実績を判断できるものがよいでしょう。
優秀なファンドは運用も個性的です。そこで今回は、3つのタイプのファンドの中から、長期にわたって運用され、高い運用実績をあげてきた個性のあるファンドをピックアップして、どんなキャラクターなのかを見てみます。○"ファッションリーダー的存在"--どんなファッションで現れても驚かないように…
独自の美意識を持っていて、個性的なファッションでいつも周囲を驚かせる。世の中のトレンドには関係なく、自分がいいと思ったものだけを身につけている結果、とてもおしゃれに見えることが多い反面、どうにも理解しがたいときもあり、落差が大きい。でも、その個性が注目されるようになって、いまや誰もが認めるファッションリーダー的存在…そんなキャラクターなのが「JPMザ・ジャパン」というファンドです。
日本株に投資する数多くのファンドの中でも、抜群の運用実績を誇るザ・ジャパンは、投資する銘柄(会社)の選び方が個性的。そのときどきの経済環境から成長が期待できる分野・銘柄をいち早く見つけて投資し、ファンドの中身も大胆に入れ替えていきます。
ただし、短期的には値動きは非常に大きく、ジェットコースターのようなのが特徴です。
このファンドとつき合うなら、値動きの大きさは覚悟すべき。デートの時にどんなファッションで現れても驚かないようにしてください。
ファンド名:JPMザ・ジャパン
運用会社:JPモルガン・アセット・マネジメント
投資対象:日本株
設定:1999年12月
(「JPMザ・ジャパン」の詳細はこちら)
○そばにいてくれると安心できる--"しっかり者"で"すっぴん美人"
性格はまじめで成績優秀な優等生タイプだけど、口数は多くなく、強く自分を主張するようなことはない。周囲への気配りを忘れず、物腰もやわらか。メイクよりも素肌の美しさを大切にしてお肌の手入れには手を抜かない清楚なすっぴん美人…そんなキャラクターなのが「月桂樹」。
投資対象が信用力の高い海外の債券であることから、人を驚かせたり羽目を外したりせずいつも穏やかですが、金利の高い国の債券を組み入れることで高い利子収入を得ているため、資産を殖やす効果も期待できるところは"しっかり者"。投資する国や通貨を機動的に入れ替えるところは意外に大胆で、その結果安定した収益を確保しているあたりは"ソツがない"といえます。
そばにいてくれると安心でき、長くつき合えばつき合うほどその良さがわかってくるファンドといえるでしょう。
ファンド名:高金利先進国債券オープン「月桂樹」
運用会社:日興アセットマネジメント
投資対象:先進国債券
設定:2003年8月
(高金利先進国債券オープン「月桂樹」の詳細はこちら)
○知的なクールビューティータイプ--何を相談しても論理的に解決してくれる
たとえていうなら知的なクールビューティータイプ。自分の考えをしっかり持っていてブレがない。感情や周囲の人に左右されたりすることがなく、何を相談しても論理的に解決してくれるので、誰からも頼りにされる…そんなキャラクターを持つのが「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」。
世界の株と債券に半分ずつ投資するファンドです。株も債券も米国、欧州、日本など地域別の比率が決まっていて、経済の状況にかかわらず、基本的にこのバランスが崩れないように運用されます。
もう1つの特徴は"節約家"であること。運用にかかるコストを低く抑えています。
運用コストはファンドの資産から差し引かれるので、同じようなタイプのファンドと比べると、長期に保有した場合、コストの差が運用成績の差につながります。
シンプルで頑固だからこそ、いつでも頼りにできるファンドといえるでしょう。
ファンド名:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
運用会社:セゾン投信
投資対象:世界の株と債券
設定:2007年3月
(「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の詳細はこちら)
こんなふうにファンドの特徴をキャラクターでとらえると、わかりやすいし選びやすいのではないでしょうか。この3つ以外にもキャラの立ったファンドはたくさんあるので、自分に合ったものをぜひ探してみてください。