くらし情報『スプラトゥーンCMディレクター、新しいSFへの挑戦「もう1歩先」へ』

スプラトゥーンCMディレクター、新しいSFへの挑戦「もう1歩先」へ

2018年4月5日 10:00
 

スプラトゥーンCMディレクター、新しいSFへの挑戦「もう1歩先」へ

TSUTAYAが、プロ・アマ問わず映像クリエイターと作品企画を発掘するプログラム「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」。受賞者には5千万円~の総製作費が用意され、4回目を迎える今年も4月5日から募集がスタートした。4月26日には応募者向けの説明会が開催される。

針生悠伺氏

このタイミングに合わせ、昨年の受賞者4名にインタビューを実施。1人目の針生悠伺氏は、B’z稲葉浩志のミュージックビデオや任天堂・スプラトゥーンのCMなどを手掛けてきた映像ディレクターだ。『2/1イチブンノニ(仮)』でグランプリを受賞した。

心臓移植が必要になった息子を救うために、息子のクローンを培養して育てることを決断した医師・秀夫。子育てを放棄していた秀夫にとって、クローン息子との二人暮らしは悪戦苦闘の日々だったが、次第に愛情が芽生えていく。『2/1イチブンノニ(仮)』は、クローンを通して「愛とは何か」を問いかける。

針生氏が、本格的に映画作りを考えはじめたのは今から約5年前。SFを愛する中で、「クローン」を題材に選んだ理由とは。
○バッドエンドにしたくない理由

――受賞後の反響はいかがですか?

たくさんの方からお祝いのコメントをいただいて、協力してくれた方々とは打ち上げをしました。もちろん、僕の奢りで(笑)。

――IMAGICA賞とのダブル受賞。喜びも2倍ですね。

ビックリしましたね。IMAGICA賞の時は心の準備が全くできていない状況で。ドギマギしてしまったんですが、すごくうれしかったです。副賞のドローンも届けていただきました。早く使ってみたいです。

グランプリの自信は全くありませんでした。というのも、SFは設定を理解して、受け入れてもらわなければならない。いくらヒューマンドラマを描いても、設定次第で興味を持ってもらえなくなるかもしれないという不安はありました。有名作家ではなく、僕が書くSFなので(笑)。

――スピーチでは、お子さんが生まれたことも本作に影響したとおっしゃっていましたね。奥さまの支えも。

そうですね。妻も喜んでくれました。事務所で作業することが多かったんですが、自宅ではプレゼンを見てもらったり。事務所の後輩をつかまえて、協力してもらったこともありました。普段、プレゼンをする機会はほとんどないので、とにかく練習を重ねました(笑)。

――CM制作でもプレゼンはありますよね?

こうやってお話をしながらのプレゼンはありましたが、制限時間があってたくさんの人の前でのプレゼンは初めてでした。ステージに立って、人の多さに驚きましたね(笑)。

――前回応募を考えながら諦めたそうですね。何か事情があったんですか?

納得できる脚本が完成しなかったことが一番の理由でした。当時からコンセプトは変わってないんですが、キャラクターやストーリーを変更したりしました。3年前、子供が生まれるちょっと前にショートフィルムを作ったのですが、完成後にある先輩から「子どもが生まれた後にもう1回作ってみたら?」と言われて。今回、長編として書き直してみて、愛情深い話にしたいとあらためて思いました。SFというギミックがある上での「親子愛」の話です。

――スピーチでは、「バッドエンドにしたくなかった」とも。

クローンの物語は、暗い印象のものが多いですよね。シリアスな設定の中で最後は感動的な温かい気持ちになれる、そういう話であればクローンを題材にした作品でも新しいものが生み出せるんじゃないかなと。SFのテーマをずっとストックしていて、その中の1つがクローンでした。
○衝撃を受けた『第9地区』

――ちなみに、影響を受けた映画は何ですか?

家族の話として好きなのは、『リトル・ミス・サンシャイン』(06)。低予算のSFとして強い影響を受けたのは、『月に囚われた男』(10)。あとは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ(85・89・90)ですね。

すごく衝撃を受けたのは『第9地区』(09)。エイリアンが登場する映画は、人間がエイリアンを倒すストーリーが多いですよね? でも、『第9地区』はすごくリアルな描かれ方で、エイリアンが難民として地球に来る話なんですが、エイリアン側に感情移入してしまうんです。表現方法含めて、すごく衝撃を受けた作品でした。

――たくさんのCMを手掛けてこられましたが、そこから映画作りに興味を持つようになったきっかけは?

映画は好きでしたが、作ってみたいと考えはじめたのは4~5年前です。それまではMTVのチャンネルブランディングで映像制作に関わっていました。ビジュアル重視でエッジが効いて「かっこよくておもしろい」を狙っていて、その頃はあまり映画を作りたいとは思わなくて。26~27歳ぐらいですごく充実していたんですが、やり切ったような感覚もありました。映像制作を続けていく上で、「もう1歩先」を目指した方が人の気持ちをつかむことができるだろうなと考えて、そこから脚本を書きはじめました。

――いよいよ、これから制作がスタートしますね。配役もある程度頭の中には……?

考えてはいますが、いろいろ迷うところが……(笑)。その前に、あらためて脚本のクオリティを高めていきたいです。そのうえでSF映画には独特のかっこよさが必要だと思うんですよ。ビジュアルセンスが問われる。そこを目指していけるようなスタッフィングで臨めたらいいなと思います。

■プロフィール針生悠伺(はりう・ゆうじ)1984年生まれ。CM、MV、Short Film等の企画/脚本/演出を担当。パームスプリングス国際短編映画祭正式出品(16)、フロリダ映画祭最優秀短編外国語映画観客賞(14)、PromaxBDA Asia金賞(10)など。

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