白竜、北野武監督と島田紳助さんに導かれた俳優業「逃げ道作っていた」
●『その男、凶暴につき』からのアウトロー役
『アウトレイジ ビヨンド』『アウトレイジ 最終章』で、日韓に影響力を持つフィクサー・張会長の側近・李を演じた白竜(65)。“非道な行為”を意味する「アウトレイジ」を地で行く男……というと誤解を招きそうだが、北野監督作の『その男、凶暴につき』(89)で演じた殺し屋・清弘の凶暴性は鮮烈で、その後もアウトロー役が続々と舞い込んだことからも、「アウトレイジ」が白竜にとって親和性の高い言葉であることが分かる。
2017年10月から11月にかけて、映画『アウトレイジ 最終章』のスタッフ5名に接触したインタビュー連載「暴走の黒幕」(第1回:監督・北野武第2回:プロデューサー・森昌行第3回:音楽・鈴木慶一第4回:美術・磯田典宏第5回:チーフ助監督・稲葉博文)では、北野組の深部に迫ったが、今回はDVD・Blu-ray発売に合わせて新たに3人を取材した。
録音・久連石由文氏、編集・太田義則氏に続いてラストを飾る白竜は、「アウトレイジ」シリーズ最後の番人ともいえるのではないか。張会長の側近・李は、ビートたけし演じる大友を見守り続け、ある決断をする。
インタビューでは、北野武との奇縁から島田紳助さんの言葉を経て、やがては俳優として覚醒していく過程が見て取れる。