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阿部顕嵐、「この仕事以外できない」気持ち重ねた初映画『空飛ぶタイヤ』

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阿部顕嵐、「この仕事以外できない」気持ち重ねた初映画『空飛ぶタイヤ』

●信じてついていきたいという思い
自身の作品がベストセラーになるだけでなく、映像化により数々のヒットドラマを生み出す小説家・池井戸潤の作品が初映画化となった『空飛ぶタイヤ』(6月15日公開)。大企業のリコール隠しという重いテーマの中、こちらも”初”映画出演を果たしたのが、ジャニーズJr.のユニット・Love-tuneとして活躍する阿部顕嵐だ。

主演の長瀬智也演じる赤松社長の元で働く今時の青年・門田駿一を演じた阿部。物語を前進させるキーパーソンであり、同作に出演する数少ない20代として、若者世代を代表する役どころでもある。同作で銀幕デビューを飾る阿部に、インタビューした。

○先輩・長瀬に引っ張ってもらった

――今回原作も読まれたということで、作品全体の印象を教えてください。

作品タイトル自体は知っていたのですが、読んだことがなかったのですぐに原作を買いました。すごくスカッとしましたし、門田役としては、信じる人についていくという素晴らしさを感じました。


――門田の筋が通ってるところなど、自分を重ねる部分はありましたか?

誰かを信じてついていくというのは、僕個人としても重なっている部分がありました。僕はこの仕事をこの先もやり続けるつもりで、もう、この仕事以外はできないと思っています。そういった、信じて突き進んでいくところに、気持ちを重ねながら演じました。

――初めての映画出演とのことですが、そうそうたる先輩に囲まれた大作というのもすごいと思います。どういうお気持ちでしたか?

現場には長瀬くんをはじめとして、笹野(高史)さんや六角(精児)さん、テレビで見てきた人たちばかりだったので、緊張しました。長瀬くんや笹野さんがいる待合室に飛び込んで、多分「誰だ、こいつ」という状況だったんですけど(笑)。お二人ともすごく優しいので、花粉症の話で盛り上がったり、飴をくれたり、リラックスして楽しくお話もできました。お仕事の話も聞かせていただいて、全てが勉強になりました。


長瀬くんは、これまでご挨拶をさせていただいたくらいでしたが、実際に現場でご一緒したらテレビで見る長瀬くんのままで、想像していた通りの方でした。フランクに話しかけて下さるので、現場にいる間はずっと引っ張っていただいていました。――完成披露試写会の舞台挨拶でも、長瀬さんからつっこまれたりしていましたよね。

たくさんフォローしてくださって。ああいう方になりたいと思いました。舞台挨拶の裏側では少し話したくらいで、映画のことについては、ほぼほぼ話していないです。すごくフラットに他の共演者の方とも話されていて、おもしろかったです。

――同じシーンが多かったのは六角精児さんだったと思いますが、現場ではどのような感じだったんですか?

僕も一応、ギターをやらせてもらっているので、ギターの話で盛り上がりました。
あとは、電車旅の話。趣味が仕事につながってるとおっしゃってたので、刺激を受けましたし、現場でもスマートな印象でした。

――長瀬さん演じる赤松社長からクビにされながらもついて行こうとする姿が印象的でしたが、阿部さんは門田としてどのように感情を捉えていたんでしょうか?

怒られる前から良くしてくださっていたという背景があったんだろうなと思ってました。そこはジャニー(喜多川)さんとかぶるところがあって、むちゃくちゃ言われても、許してしまうんです(笑)。何を言われてもついていきたいと思う部分を、重ねました。

信用してた人、一番好きでずっとついてきた人に疑いをかけられると悲しいし、怒りも湧いてくると思うんですが、それ以上に許せてしまう門田は、大人だったんだなと思います。

●ファンには赤松社長のような女性になってほしい!?
○男女関係なく勇気付けられる

――最近はジャニーズJr.さんもたくさんユニットがあって、その中でもこういう大きな作品に出ることについて、メンバーや周囲の反応はいかがでしたか?

もちろん、みんな「絶対に観に行く」と言ってくれています。だからこそ、ジャニーズJr.の一員としての責任感はあります。
観た方にとっては、ジャニーズJr.イコール僕ということになるわけですから、僕個人としても頑張っているけど、背負っている気持ちがあります。

――読者アンケートを取ったところ、阿部顕嵐さんがかっこいいという声も多く、Love-tuneさんへの思いが20万字分くらい来ていまして。

20万字ですか!? すごいな……!

――そういうファンの女性の方々も観に来ると思いますが、こんな風に楽しんでもらえるんじゃないかな、というポイントを教えてください。
僕のことを好きで興味を持ってくれた方も、帰るころには作品を好きになって欲しいし、作品を通して、愛されキャラとして、門田のことも好きになってくれたら嬉しいなと思います。

――門田のことは愛されキャラと捉えてたんですか?

その部分は、少しあるなと思っていました(笑)。女性は女性に感情移入しやすいのではないかと思うので、深田恭子さんが演じられた赤松社長の奥さんみたいに、包み込むような優しい女性になりたいなと思いながら帰っていくのかな? もしくは小池栄子さんみたいにイキイキと働く方か、どちらかに共感するのかもしれないですよね。

でも年齢問わず男女関係なく、たくさんの人に、闘うということに目を向けていただけたら。作品に勇気付けられて、日常生活でも「もっと頑張ろう」と思うようになって、帰ってほしいと思います。
だから……赤松社長みたいな女性になってほしいですね。

――えっ!!

すいません、女性じゃないから気持ちがなかなか……!(笑) 女性はどういう風に見るんだろう!? 一人一人に闘うことがあるから、男女関係なく勇気付けられたら嬉しいです!
○若さゆえの感情の動きを出す

――でも、阿部さんのおっしゃる通りで、きっと男女も関係なく勇気付けられるということなのかもしれませんね。初映画ということで、監督とはどのように作り上げていったのでしょうか?

監督はたくさん「どう思う?」と聞いてくださって、嬉しかったですが、まだ不安になってしまう部分もありましたので、相談させてもらいながら進めました。撮影では監督が本当に何度も「もう1回」と言って撮ってくださったシーンがあるんですが、そこはすごく印象深いし、その後も「もっともっとやりたいでしょう」と言ってくださって、楽しかったです。

実は、そのシーンは本編ではカットされています。カットされてるんですけど、どのシーンでも全力で撮り直してくださるんだと思って、嬉しかったです。

――くじけたり凹んだりはされなかったんですか?

初めての映画で、凹むのは大前提だと思っていました。その上で良いものを出したいから、撮り直しをしてくださって、嬉しかったです。
それだけ、期待してくださったのだと思います。逆に「最初はどうなることかと思ったけど、今日良かったよ」と言ってくださったシーンもあって、そこも印象的でした。――舞台『何者』では主演を経験されましたが、大きな2作を通して、自分で成長したと思う点や、気づいた点などはありますか?

本木監督と、『何者』の時の演出家の丸尾丸一郎さんに、共通して言われたことが一つありました。それが「若いから、技術じゃ周りに敵わない。本番でのパッションを大事にして」ということでした。年を重ねて経験を積めば技術はついていくけど、今できることはそこではないとはっきり言っていただいたことで、勇気付けられました。もちろんもっと技術的に上手くなりたいと思うけど、まだ足りない分は、少しでも若さゆえの感情の動きで出していけたらと思っています。

――今回は映画『空飛ぶタイヤ』特集で、この後プロデューサーのインタビューも予定しているのですが、何か聞きたいことや言いたいことがあればぜひ。


なんだろう……そうですね、「『空飛ぶタイヤ』に出るとしたら、どの役をやりたいか」です。

――プロデューサーに!? 斬新ですね!

聞いてみたいです(笑)

■阿部顕嵐
1997年8月30日生まれ、東京都出身。ジャニーズJr.内ユニット「Love-tune」のメンバーとして活動。17年10月には単独ライブ「Love-tune Live2017」を行った。ドラマ『近キョリ恋愛~Season Zero~』(14)で初主演を果たす。今作が映画初出演となる。近年は『魔女の宅急便』(17)、『何者』(17)など、舞台にも積極的に出演。

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