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窪塚愛流、20歳は「挑戦の年」 初舞台への意気込み語る 将来的には「変幻自在な俳優になりたい」

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窪塚愛流、20歳は「挑戦の年」 初舞台への意気込み語る 将来的には「変幻自在な俳優になりたい」

●初舞台に怖さ感じるも「楽しみの方が大きくなっている」
『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』や『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』といった話題作で鮮やかな存在感を発揮し、『ハピネス』では映画初主演を果たすなど、着実に出演作品を重ねている窪塚愛流。次なる彼の挑戦は、傑作二人芝居を2組のキャストで上演する『ボクの穴、彼の穴。W』での初舞台。オファーを受けて「怖いと感じた」という率直な感想を吐露しつつ、一方で「新たな窪塚愛流をお見せしたい」とチャレンジ精神をみなぎらせる。俳優業への意気込みなど、ひたむきに邁進する20歳の胸の内を明かした。

『ボクの穴、彼の穴。W』は、松尾スズキが初めて翻訳したフランスの童話作家デビッド・カリ著・セルジュ・ブロック絵『ボクの穴、彼の穴。』(千倉書房)の絵本が原作の二人芝居。
戦場に残された敵対する二人の若い兵士が、それぞれの穴の中で孤独に苛まれ、星空に癒やされ、幾度も限界を迎えながらもやがて「彼」を知ることで、勇気を持って未来へと踏み出す希望の物語だ。翻案・脚本・演出は、2016年の初演、2020年の再演に引き続き、ノゾエ征爾が務める。キャストを一新して行われる今回の舞台は、井之脇海&上川周作ペアと窪塚&篠原悠伸ペアのダブルキャストによって上演される。

“ボク”と“彼”しか存在しない二人芝居で、人生初舞台を踏むことになった窪塚。オファーを受けて「『よっしゃ!』というよりは、正直『うわあ……』と思いました」と苦笑い。「舞台は、もっとたくさんのお芝居の経験を積んである程度の技術を持ち合わせてからやりたいと思っていました。まだそういったものが備わっていない状態で舞台に立つのは、怖いと思ってしまって。マネージャーさんに『もちろん挑戦してみたい気持ちはあるけれど、ちょっとできないかもしれない』と弱音を吐いてしまいました」と素直に告白する。


しかし20歳という節目の年に舞い込んだ初舞台に、覚悟を決めた。「演出を手がけるノゾエさんにも『正直、怖い』という気持ちや、いろいろなお話をさせてもらいました。ノゾエさんは、『初めては誰でも怖い。だから一緒に頑張っていこう』などと僕に寄り添ってくださって…そうやって接してくださる方がいるのに逃げるなんて、情けないしカッコ悪いなと思いました。自分に自信を持てるようになりたいと思い、決意しました」とまっすぐな眼差しで語る。

○「新たな窪塚愛流を受け取ってほしい」

脚本を読み、物語に惹かれたことも窪塚の背中を押した。戦場にいる兵士を描きながらも、演じる役柄に等身大の若者としての共感を覚えたという。「今日本に住んでいて、僕自身、“戦争が起こる”ということに対して現実的に想像したことはありませんでした。
でも劇中に『あのコンビニってまだあるかな』というセリフがあるんですが、それを読んだ時に『もし今の自分が兵士になったとしたら、同じような気持ちになるのかな』と思いました。自分だったらどうするだろう、どういう考えを持つだろうかと、頭にシーンを思い浮かべたり、役に寄り添いながら脚本を読むことができました」と正面から役柄に向き合い、全力を尽くして演じたいと話す。

覚悟を決めた今、「恐怖よりも、楽しみの方が大きくなっている」と目を輝かせた窪塚。「舞台は自分の全身を使って、画面を通さずに直接お客さんに芝居を届けられる場所。舞台を観に行くと目の前で役者の方々が生き生きとお芝居をしていることに僕自身も胸が熱くなります。また、カーテンコールの瞬間も大好きです。これまでの積み重ねや、皆さんの絆や情熱を感じて、ものすごく感動します」と魅力を口にしながら、「二人芝居という環境も、観客の方々がきっと集中して僕たちを見つめて、一緒にその世界観を楽しんでくれるものになるのかなと想像します。グッと僕たちの世界に引きずりこめたらいいなと思っています」と熱弁。


続けて「これまでの僕は、画面の中でいかに芝居を届けられるかということで、精一杯でした。ですがこれまで出演作品を重ねて、『体の周りだけではなくて、空間全体を使って芝居をする』ということが今の僕のモットーになっています。舞台ならば、会場全体を意識して演じることになります。僕の新しい挑戦、また新たな窪塚愛流を受け取ってほしい」とやる気をにじませる。

●話題作への出演続く現状に感謝「縁に恵まれている」

昨年の10月3日に20歳の誕生日を迎えた窪塚だが、その20代の幕開けは嶽本野ばらによる同名小説を篠原哲雄監督が映画化した『ハピネス』で主演を務め、本作では舞台初出演を果たすなど、“初めて”にあふれた希望に満ちたものとなった。20歳としての1年を「挑戦の年」と位置付けた窪塚は、「ある意味、自分が試されている時期。今を大切に、どの仕事も毎回ホームランを打つつもりで臨みたい」とキッパリ。役者という仕事に、とことんのめり込んでいる。


これまでの道のりを振り返ってみると、『泣き虫しょったんの奇跡』(2018)のオーディションを受けて15歳でデビュー。「興味本位でオーディションを受けましたが、映画の世界や役者さんにはずっと憧れがありました。映画の中の人って、悪役だとしてもみんなヒーローに見えて、僕にとってはものすごく輝いて見えて。俳優はいろいろな職業や人生を経験できる仕事で、役の分だけその人の気持ちになることもできる。また映画やドラマなどエンターテインメントというのは、極論、なくても生きてはいけるかもしれないですよね。でもなかったとしたら、寂しい。そこに情熱を捧げられることは、かっこいいと思いました」と憧れを募らせ、俳優の世界に飛び込んだ。

父親からの教えで大切にしているのは「挨拶をしっかりとすること」だという。
「芝居の話を聞くのは、最終的に追い詰められた時だけ。そうしようと決めています」と語る。

窪塚は、話題作への出演が相次いでいる現状に「ありがたい。とても光栄です」と感謝しきり。「自分の力だけではなくて、自分を見てくださっている方がいるからこそ、今があります。僕は縁に恵まれている。これからもご縁や巡り合わせが途絶えないように、地に足をつけて、謙虚さを大切に歩んでいきたいです」と誠実で真摯な姿勢が、なんとも魅力的だ。「役によって雰囲気をガラッと変えられる、変幻自在な俳優になりたいです」と熱っぽく未来を見つめていた。


■窪塚愛流
2003年10月3日生まれ、神奈川県出身。2018年、豊田利晃監督の映画『泣き虫しょったんの奇跡』で俳優デビュー。2021年から本格的に俳優活動を開始。映画『麻希のいる世界』(22)、日本テレビ系ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(23)、『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』(24)などに出演。映画『ハピネス』(24)では主演を務めた。

ヘアメイク:大和田一美(APREA)スタイリスト:上野健太郎KENTARO UENO

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