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乃木坂46・桜井玲香は“醜さ”をどう表す? 模索の末に挑む舞台『半神』

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乃木坂46・桜井玲香は“醜さ”をどう表す? 模索の末に挑む舞台『半神』

●演出・中屋敷法仁にいじめられる?
乃木坂46のキャプテンとして、長年グループを支えてきた桜井玲香。そんな彼女が、グループを飛び出し、体当たりでチャレンジするのは舞台『半神』だ。漫画家・萩尾望都の原作をもとに、萩尾と野田秀樹が共同で舞台脚本化した本作は、結合双生児の姉妹を主人公にした異色の内容で、1986年の初演以降、何度も再演を重ねてきた。

今回は、中屋敷法仁が新たな解釈と演出を加え、桜井と藤間爽子のW主演で上演を行う。藤間演じるマリアは、誰からも愛される美しい容姿だが知能が低く話すこともできない。一方で、桜井は“醜いが高い知能を持つ姉のシュラ”という難役に。苦戦しつつも、舞台の稽古が進む中で確かな手応えを感じる、稽古中の桜井に話を聞いた。

○舞台は自分を解放しやすい場

――舞台『半神』ですが、期待やプレッシャーなどはありましたか?

正直不安でいっぱいです。
でも、私自身2年ぶりの舞台が、こんなすばらしい作品というのはありがたいですね。もちろん悩むこともいっぱいありますけど、そういった悩みも全部含めて、気持ちの良い時間を過ごさせてもらっています。

――「舞台をやりたい」っていうことは、周囲の方に言い続けてきたんですか?

映像も好きなんですけど、舞台でしか味わえない独特な高揚感が癖になっているというか……(笑)。なので、やりたいなぁと、常々思っていました。

――ステージで歌って踊っているときとは、また違う高揚感なんですか?

ライブよりも舞台の方が、自分を解放しやすい場という感覚があります。乃木坂46では、キャプテンという立場もありますし、なにより個人じゃなくて団体じゃないですか。舞台は自分が好きなように動ける点が、全然違いますね。

○全身筋肉痛になるほど体を動かす

――今は稽古期間中ですが、稽古で感じた大変なところ、楽しいところはありましたか?

以前、演出の中屋敷法仁さんが、「『半神』は、野田秀樹さんの作品の中でも、分かりやすい方だ。」と話してくれたんですけど、やっぱり難解、というか複雑です。
“内容を理解しないと動けないけど、すべてを理解しようとしちゃいけないんだな”という葛藤がありますね(笑)。

最初に台本をいただいた時には、まさかこんなに体を動かす作品になるとは思わなかったです。今まで上演された『半神』とは別のアプローチの演出なので、最初は体が全身筋肉痛で(笑)。なので、予想を裏切られるような作品になると思います。皆さんたぶんビックリしますよ。

――先程、稽古場をちょっとだけ覗かせてもらったんですけど、舞台が八百屋(斜め)になっていましたね。

そうなんです。中屋敷さんは、「あえて主演の2人をイジめるための急斜面だ」と言っていて。
恐ろしい……(笑)。

●妹と常にくっついている役に、リアルな心配も!
○妹役の藤間とはいつもくっついている

――ダブル主演の藤間爽子さんとは、結合双生児の姉妹役になりますが、一緒にいて全然違うなと思ったことはありましたか?

体の使い方が全然違いますね。普段、日本舞踊をされている方なので、動きがしなやかです。藤間さんは、マリアという美しい妹の役なので、ちょっとした動作からも美しさを求められているんですが、にじみ出る品の良さでそれを表現されていて、私には真似できないなと思いました。

劇中では、体の一部を常にくっつけた状態で演技をしているんですけど、今はそれが当たり前のようになってます。2人とも距離感が近いんですよ。話す時も、顔がこんな近くで!(顔のスレスレに手を近づける)

――逆にくっついてないと落ち着かない?

自然とくっついていっちゃうんですよね、なんか……。不思議です。
慣れって怖いです。

―― 最初は恥ずかしさもあったんですか?

恥ずかしいっていうか……。初めてお会いした方だったので、ずっとくっついたままで演技ができるのだろうかって不安はありましたね。あと、自分と合う匂いかなとか……(笑)。

――リアルな心配ですね(笑)。

本当にすごい良い子だったし、良い匂いでした(笑)。

――今回桜井さんが演じられるシュラは、「醜い容姿ながら高い知能を持つ」という役ですが、醜さを表現する上で、なにか工夫されていることはありますか?

そうですね……。体がくっついていて、ある意味化け物みたいな双子だけど、それが、容姿的に醜いものなのか、違う部分が醜いのか、そういった捉え方には未だに悩んでます。

メイクで醜い顔にするわけでもないですし、見た目的にはマリアとほとんど同じ様に見えるんですよ。となると、声色で気持ち悪さを表現するのか、体で表現するのか、全体を通して「結局あれは気持ち悪かったなぁ」っていう結論に至らせるのか……。そこはまだ、試行錯誤ですね。

――なるほど。ではシュラを演じる上で、今までに誰かと比較して嫉妬をした経験など、活かせることはありましたか?

シュラは周りから蔑まれて生きてきた分、「私をもっと見て!」っていう気持ちが強くなっていると思うんですよ。ある意味アイドルって、大人数の中で、少しでも自分を見てもらえるようにアピールするわけじゃないですか。そこは、シュラと似ているところがあるのかもしれないですね。

――その経験を活かして、今後舞台がどのように変化していくかも見所ですね。


そうですね。観た方それぞれの捉え方をしてもらえる部分がいっぱいある作品だと思いますし、「どういう反応をされるのかな?」というのが、今は全然想像つかなくて。早く観てもらいたいなぁと思っています。
○ワイワイした現場の雰囲気は乃木坂46と近い

―― 普段は乃木坂46キャプテンですが、今回はベテランの俳優さんに囲まれて、何か気持ちの違いみたいなのはありますか?

今回は半数の方が、劇団『柿喰う客』の方なので、『柿喰う客』の中にお邪魔してるみたいな感覚……のはずなんですが、すごく居心地がいいです。「あれ?前から一緒の劇団だったかな?」って思うくらい、全然壁を作らないでくださって。

――集団としては、乃木坂46と似ているところや違うところなどはありましたか?

やっぱり全然違いますね。……どこがというと……難しいな。全然違います(笑)。
でも、居心地の良さは似ているところがあるかもしれないです。「みんなでワイワイ話す」みたいなところは似ています。

――じゃあ稽古中もワイワイ話しながら、「ここはこうなんじゃないか」とか?

そうですね。休憩時間もみんなで喋っている気がします。父役の福田転球さんとか、ドクター役の松村武さんとかも、輪に入って話してくださるんです。

――転球さん、なんかすごそうですね(笑)。

転球さん、面白いですね。先日も軽く通し稽古をしたんですけど、今まで一度も間違えたことのないセリフで、突然関西弁になったんですよ! しかも、アドリブじゃなくて、ガチ間違いだったみたいで。「あれ? 転球さん本人出てきちゃった?」みたいな(笑)。

――入りすぎちゃったんですかね?

本人もびっくりしていて。面白かったですね。

――でも、そういう時にみんなで笑いあうような、そんな現場なんですね。いやもう、その時はザワつきましたね。通し稽古なのに止まりましたから(笑)。
○アクロバティックで視覚的にも楽しい作品

――あまり舞台を観ないようなファンの方に向けて、観劇のヒントになるところがあればぜひ教えてください。

私も、以前上演された『半神』の映像を観たんですが、疾走感が半端なくて、緩急がありすぎて「なんだったんだ!?」みたいな感じで終わりました。それも野田さんの作品のいいところだと思いますし、それに加えて、今回は身体的なアピールがすごいんです。全編振り付けがついているみたいな感じ。内容はもちろん、視覚的にも楽しめるものになっているので、初めての方でも観やすいと思います。

――視覚的に楽しんでいるうちに……。

あっという間に終わっちゃう、みたいな(笑)! そういう感覚になられる方がたぶん多いんじゃないかな。すごいアクロバティックです。

――だからこそ筋肉痛になるんですね。

激しいからこそ、観ている人は絶対に面白いと思います。作品 もとても素晴らしいし、視覚的なパフォーマンスでも楽しめるので、色んな角度から観て欲しいですね。あまり構えてこなくても絶対に楽しめると思います!

●今が一番模索している時期
○お芝居に関わりたい気持ちを改めて感じた

――今後も舞台が決まっていますが、もっと舞台をやっていきたいという気持ちは強いんですか?

お芝居が好きなので、色んな舞台に出られたらなぁと思っています。

――次も休みなく舞台が続いていくような感じですよね。

はい、ありがたいですね。気持ちの切り替えはちゃんとしないと。だからこそ、今は『半神』にすべてを注いでいきたいですね。

――今は舞台が続いていますが、将来的に、どういう道に進みたいかっていうのは、既に決まっているんですか?

実は今、色んなことに興味が向きすぎていて。昔は「お芝居1本でやりたいです!」という気持ちが強かったんですけど、最近は「音楽も好きだし、お芝居も好きだし、別のことにも興味あるし……」みたいな。今が1番模索している時期ではあります。

でも、どういう形であれ、お芝居に何かしら関わっていきたいという気持ちは変わらないです。今回の舞台を通じて、お芝居が好きだと改めて感じました。

■プロフィール
桜井玲香
1994年5月16日生まれ、神奈川県出身。2011年8月、アイドルグループ乃木坂46の1期生オーディションに合格。キャプテンとして同グループを現在まで牽引している。主な出演作としてドラマ『BAD BOYS J』(13年)、『連続ドラマW 天使のナイフ』(15)、『初森ベマーズ』(15)、映画『劇場版BAD BOYS J -最後に守るもの-』(13)、『あさひなぐ』(17)など。舞台では、『すべての犬は天国へ行く』(15)、『リボンの騎士』(15)、『嫌われ松子の一生』(16)など、さらに今年12月からはミュージカル『レベッカ』の出演が控えている。

○桜井玲香 サイン入りチェキプレゼント

桜井玲香さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼントします。

○応募要項

■応募期間:2018年7月10日から2018年7月16日23:59まで
■当選人数:1名様
○応募方法

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