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勝地涼、『銀魂2』将軍役で救世主に! コメディで意識する「普通」とは

マイナビニュース
勝地涼、『銀魂2』将軍役で救世主に! コメディで意識する「普通」とは

●吉沢亮・戸塚純貴の熱さがかわいかった
2017年に公開され、最終興行収入38.4億円、2017年の実写邦画ではNo.1の成績を記録した映画『銀魂』。漫画家・空知英秋による『週刊少年ジャンプ』(集英社)連載中の同名コミックを原作に、福田雄一監督が実写化のメガホンを取った。舞台となるのは、パラレルワールドの江戸。宇宙からやってきた”天人(あまんと)”と侍・坂田銀時(小栗旬)の間に起こるさまざまな事件を描く同作は、破天荒なギャグと熱いアクション、ほろりとする物語で人気を博している。

続編である『銀魂2 掟は破るためにこそある』(8月17日公開)は、原作でも人気の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」のハイブリッド作。世を統べる将軍・徳川茂茂(勝地涼)をめぐる銀時たちのやりとりが笑いを生む一方で、真選組の内紛が江戸中を巻き込む騒動へと発展していく。

マイナビニュースでは『銀魂』に関わる男性たちへのリレーインタビュー企画「動乱の男達」を実施。最終回は、将軍・徳川茂茂を演じた勝地に話を聞いていく。
今回のコメディパートを引っ張っていく存在でありながら、実は深い思いもうちに秘めた将軍について、勝地はどう捉えていたのか。

○朝まで飲んだ思い出

――前回の記事では、吉沢亮さんが「将軍と同じシーンで楽しかったし、面白いところを将軍が持って行った」とおっしゃってました。

嬉しいですね。初共演でもありますし、真剣に笑いを作っていた、良い現場でした。吉沢くんの沖田もポーカーフェイスでわけわかんないことをいう役だから、一番大変だったんじゃないかな(笑)。夏菜さんに「言うじゃねえか」というところで何回も笑ってて、あれは辛いだろうなあと思いました。1回ツボに入ると大変ですから。

――朝まで一緒に語り合った、というのも伺いました。


自分の部屋に戸塚(純貴)と吉沢くんが来て、朝まで飲みました。よかったですよ、ギラギラしているというか。クールな感じの印象を持っていたけど、熱い思いがあって「こういう風になりたい」と言っている姿を見て、「ちょっと年取ったのかな」と思いました。自分にもそういう風にガンガン熱かった時期があったけど、いつからか、それぞれが頑張っていることはわかっているから、あえて仕事の話はしなくなっていたんです。でも戸塚と吉沢くんは仕事の話しかしないから、「いいな」と思いました。かわいかったです。

――その時の勝地さん、見守る立場だったんですね。

彼らは若いですから! 楽しかったです。


●前作の『銀魂』に「呼ばれてない…」
○二つ返事で引き受けた

――プロデューサーは「将軍の役はオファーが難しかった。裸になるし、器の大きい人じゃないと」ということをおっしゃってました。

そう思ってもらえたらありがたいですけど、僕は実は役のことをあまり知らない状態で受けたんです。福田さんからオファーがきて、『銀魂』だと思って、「やります」と、二つ返事で受けました。撮影ギリギリだったので「難航したんだろうな」と思いつつ(笑)。後々、ブリーフ姿のシーンなどを知って「なるほど」と思いましたが、僕は全然大丈夫です。前作の『銀魂』も面白かったですし、本気でふざけている映画で好きだなあと思っていました。

――話が来た時点でどんな役でも受けるつもりだったんですか?

連絡があったのが年末で、12月26日くらいだったと思います。
「師走〜!!」と思いました。正月旅行の買い物をしていた時で「こんな時期に!? 新年に持ち越したくないんだろうな」と思い、福田さんにもお世話になってますし、出て欲しいと言っていただけるならぜひ、という気持ちでした。

――では、それから将軍という役の深さを知って行ったのですか。

ただ恥ずかしい格好をするということではなく、あくまでも将軍は「民のことをちゃんと考えていて、世の中を知りたい」と思っているんです。だから、ピュアな部分が愛される、好きなキャラクターです。今回も松平片栗虎(堤真一)から言われた通りにしか動いてないし、何が起こってるかわかってないと思います。そこがかわいいな、と思いながら演じました。ただ、自分が狙われる立場にいて周囲に申し訳ないと思っているところもあるし、素敵な将軍です。


○「面白い」をやりすぎない

――勝地さんは、コメディでキャラクターが強い役が多いのかなと思いましたが、何か意識されていることなどはありますか?

コメディをやるときにいつも考えるのは、そのキャラクターがどういう人間なのかということです。コメディが難しいのは、自分が「面白い」ということをやりすぎると、結局面白いこととずれていってしまうと感じています。だから、あくまでも普段のお芝居をする時と変わらないよう、心がけています。要素として、ポップな部分を足してくこともあるけど、「面白いことをやるのではない」と思って演じています。

――今回もそこは意識されていたんですか?

そうですね、あくまでも将軍はピュアに「世にこういう場所があるのか」と思いながら行動するだけで。福田監督からも「ぶれずにいて欲しい」と言われました。

――大河ドラマや時代劇でなく「将軍」を演じるのは珍しいですね。

将軍役は今まで演じたことがないです。
原作では後々のシリアスな展開もありますが、今回はそこを出す必要はなかったですが、映画『銀魂』がこの後も続いていって、いつか演じられたら嬉しいです。

――福田監督のここがすごい、と思うのはどのようなところですか?

福田さん自身が原作を愛してることが伝わってくるところが、すごいと思います。前作の『銀魂』の撮影準備中にちょうど福田さん演出の舞台に出演していたのですが、楽屋で「こういうことがやりたくて、こういう役があって」と、本当に楽しそうに話していたことを覚えています。今も、LINEでのやりとりに『銀魂』のスタンプを送ってきてくれるんです。監督のそういうところが、僕はすごく好きですし、だからこそ実写『銀魂』の世界を作り出せるのかなと思いました。

――前作のときも、お話は聞いてたんですか?

「やってほしい役がある」という構想はきいていたんですけど、旬くんが「『銀魂』の撮影に入る」と聞いて、「ふ〜ん、呼ばれてないけど……?」という思いはありました(笑)。少し残念な思いはありつつ、今回やっと参加できたので良かったです(笑)。

●小栗旬に「悔しい」と思ったことも
○「お前は救世主だわ!」と言われ

――リレーとしては勝地さんが最後なんですけど、一番最初が小栗旬さんだったので、ぜひ小栗さんについての印象やメッセージなどいただければ。


14〜5歳くらいからお世話になっているし、先輩でもあり友人でもあり、毎年年末も一緒に過ごしていますけど、ずっと背中を見せてくれるかっこいい人です。人気が出る前の旬くんも見ています。まだ狭い家に住んでいて、でも一緒にごはんに行くと全部おごってくれていたことも覚えていて。その時は「先輩、ありがとうございます」と思ってたけど、今になると「絶対大変だったはず」と改めて思います。彼の現場を見ているのは楽しいです。真面目ですし、前作で「福田さんの笑いをもう少し理解してやりたかった」とか、「こういうことしたかった、悔しかった」と言っていたのを聞いていたので、『銀魂2』に帰ってきた時にその壁をクリアしている姿を見て、やっぱりすごいなと思いました。周りに人が集まってくる人だし、どこまでも先を生き続けている人なんです。人気が出て甘んじるわけじゃなく、とにかく止まらない。昔は「悔しい」と思ったことがあるけど、今はもう、唯一無二の人だなと思っています。

――小栗さんからも福田さんからも聞いてて、満を持しての参加ですね。

将軍役をやることになった、と言ったら、旬くんから「マジか! お前は救世主だわ!」と言われて、「てことは、難航してたんじゃねーか。難航した上での俺じゃねーか」と思いました(笑)。でも今は、将軍・茂茂がすごく好きで、この役を演じられて良かったと思っています。

■勝地涼
1986年8月20日生まれ、東京都出身。2000年にドラマ『千晶、もう一度笑って』でデビュー。その後映画・ドラマ・舞台様々な作品に出演し、2005年には映画『亡国のイージス』で第29回日本アカデミー賞新人賞を受賞した。映画『少年メリケンサック』(09)、『コドモ警察』(13)、『バンクーバーの朝日』(14)、大河ドラマ『篤姫』(08)、『八重の桜』(13)、『SUMMER NUDE』(13)、『1942年のプレイボール』(17)、『BG~身辺警護人~』(18)などに出演。現在ドラマ『ヒモメン』(テレビ朝日)が放送中。2019年には、大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の放送を控えている。

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