広島県の「ハート型レモン」用の新型枠が完成。収穫量アップへ
広島県立総合技術研究所西部工業技術センターは、JA三原柑橘事業本部(尾道市瀬戸田町)が生産・販売している「ハート型レモン」生産用の新しい型枠を開発した。「ハート型レモン」は、輪切りにするとハートの形になるレモン。JA三原柑橘事業本部が国内で唯一生産し、業務用や贈答品として販売しているほか、観光キャンペーン「おしい!広島県」のポスターデザインにも採用されている。今回同センターでは平成23年度から、「型枠を付けても半分程度の果実しかハート型にならない」などの課題を解決するため、農業技術センターやJA三原と連携し新しい型枠の開発に着手。3Dプリンターで作成した試作型枠での検討や、使用面での設計改善を進め、新しい型枠を開発した。この新型枠は、今年7月から生産現場に導入。その結果、出荷できる果実の割合が従来の5割から8割以上にアップ。さらに形が良くなったため、ハート型の輪切りがとれる部分も大幅増えたほか、作業面でも型枠の設置時間が30秒と従来の4分の1に短縮されたという。
生産者からも「形もよく、作業しやすくなった」と好評で、今後この型枠により、ハート型レモンの生産・販売が拡大することが期待されている。なお、新型枠でのハート型レモンの収穫は1月下旬頃までの予定。