中村獅童、息子の陽喜&夏幹は「ライバルであり師匠」 歌舞伎に対するがむしゃらな姿勢から刺激
●子供たちとは対等に付き合うように
歌舞伎俳優としての活動のみならず、映画やドラマなどでも活躍している中村獅童。11月22日にWEBで公開されたショートドラマシリーズ『シゴトはもっと楽しめる』の第2弾『ワンチーム、ワンホーム』では、建設業界で働くベテランの坂井を演じている。近年は、長男・陽喜と次男・夏幹との親子共演も注目を集めている獅童にインタビューし、父親として心がけていることや息子たちとの日々について話を聞いた。
獅童は息子たちについて、「すでに彼らも舞台に出ているので、父親でもあり、ライバルでもあり、どこか師匠でもあるのかなという気がしています」と述べ、父親として心がけていることを尋ねると「対等に付き合うようにしています」と回答。
「遊んであげているというより、一緒に遊んでいる。旅行してあげているというより、一緒に旅行している。じゃんけんや腕相撲などでも、わざと負けることはせず、とにかく対等に向き合って、必ず僕が勝つようにしてます」と説明した。
そして、息子たちの歌舞伎に挑む姿から刺激を受けていると明かす。
「親がやれと言ったわけではなく、彼らが歌舞伎が好きで始めたので、好きなことをひたむきにがむしゃらに、時には泣きながらでも食らいついていく姿勢は、一生持ち続けてほしいし、自分もいくら年を取っても、がむしゃらな気持ちは忘れちゃいけないなと。初心を思い出させてくれます」
「父親ではありますが、兄弟ができたような感覚なんです」とも告白。「僕は1人っ子なので、弟ができたような。だから、家に帰るのもすごく楽しいし、今日の学校での出来事を聞くのも楽しいです」と話した。
小学生の陽喜は、学校をとても楽しんでいるそうで、「6時半ぐらいに起きて支度して出かけていて、寝起きはあまり良くないんですけど、学校に行くのが嫌だと言ったことはまだ1回もないです。わざと『休んじゃえば?』と言ってみたことがあったんですけど、『僕行く』と。大雨が降った時に『近くの駅まで車で送ってあげようか?』と言ったら、『僕自分で行く』と言っていて、そういう答えを期待していた自分もいたんですけど、それはうれしかったです」と優しい表情でエピソードを披露してくれた。
●子供に期待しすぎず本人の気持ちを大事に
また、「子供に期待しすぎないように注意している」と言い、親の希望ではなく、本人の気持ちが大事だと語る。
「役者としても期待しすぎないように。辞めたければいつでも辞めていいし、やりたければずっとやればいいし。こういう風になってもらいたい、こういう学校に入ってもらいたい、こういう役者になってもらいたいと心の中で思ったとしても、本人に伝えるのは親のエゴだと思うので」
小学校選びも本人の希望で決めたという。
「いろんな学校に見学に行って、どの学校が一番通いたいか聞いたところ、今の学校だったので、受験して入れるといいねと。そして、そこに入ることができて、すごく楽しそうに通っています。正直言うと、上まで続いている学校のほうがいいだろうなという思いもあったんですけど、親が決めるのではなく、本人に決めさせてよかったなと思っています」
今後も、子供たちの気持ちを尊重しながら、成長を見守っていきたいという獅童。「子供も家族も笑顔を絶やさず明るい家庭でいられたら」と述べ、「自分自身もいい役者になれるように、一生懸命、作品や役と向き合って、新しい挑戦もしていきたい」とさらなる高みを目指している。
ショートドラマ『ワンチーム、ワンホーム』(アシックスジャパン制作)では、建設業界で働くベテランの坂井役を熱演。
この役も新しい挑戦になったそうで「リーダー的な役はあまり経験がなかったので、難しくもあり、やりがいも感じました」と話していた。
■中村獅童
1972年9月14日生まれ、東京都出身。1981年に歌舞伎座「妹背山婦女庭訓」で二代目中村獅童を名乗り初舞台。また、2002年に公開された映画『ピンポン』で注目を集め、2022年放送のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出演するなど、俳優としても活躍している。