大泉洋上京のきっかけ作った? 前田哲監督の、感動モノにしない闘病映画
●ホテルの部屋が、従業員の部屋に…
俳優・大泉洋主演の映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』が、12月28日より公開中だ。『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』(渡辺一史 著/文春文庫刊)を実写化した同作は、幼少期から難病にかかり、車イスで過ごした実在の人物・鹿野靖明(大泉洋)と、周囲のボランティアたち(高畑充希、三浦春馬)の姿を描く。一見わがままで自分勝手に見える鹿野だが、彼の生命力にあふれた姿が、周りの人間を動かしていく。
主演の大泉は、10kgの減量に加え、わざとコンタクトで視力を落としてメガネをかけるなど、徹底的な役作りを行なった。前田哲監督は、この作品をどうしても「メジャーでやりたかった」と語り、主演に大泉しか考えていなかったという。今回は前田監督に、作品への思いや大泉とのやりとりについて話を聞いた。
○こんな夜中に電話かよ
――撮影を前に、大泉さんと何時間も電話をしたと聞きました。
今、大泉さんがそのことをギャグにして話していますよね(笑)。
台本を1ページ目から、「ここのセリフどんな気持ちですかね」とか「ここは気にならない?」とか、ひとつひとつ話し合っていくんですよ。