『マルサの女』名曲誕生秘話も…本多俊之が語る伊丹十三監督の衝撃「丸裸にされました」

●急きょ撮影所に呼ばれて演奏したことも
伊丹十三監督全10作品の4Kデジタルリマスター版を上映する「日本映画専門チャンネルpresents 伊丹十三4K映画祭」を開催中の東京・TOHOシネマズ日比谷で22日、伊丹映画の音楽を担当してきた本多俊之氏によるトークショーとミニライブが行われ、伊丹監督との印象深いエピソードなどを明かした。
○テレビCM用の曲をメインテーマに変更
伊丹監督映画10作のうち7作品で音楽を手がけた本多氏が最初にメインテーマを担当したのは、『マルサの女』(87年)。少し怪しさが漂うサックスの旋律が強烈なインパクトを与え、映画公開後もテレビ番組など様々な場面で使用される名曲だが、当初は、米映画『タクシードライバー』(76年)でバーナード・ハーマンが手がけた音楽を目指して制作した別の曲を予定していたという。
その曲は、デモテープを聴いた伊丹監督も「これはいい曲だ!」と一発OKを出したほど気に入ったが、テレビCMを制作するにあたり、「これはいい曲だから、隠しておこう」と別の曲の制作を依頼された。
「悪い人のイメージの曲を書いてよ」「本編でも使えたら使うよ」とオファーを受けた本多氏。