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人生相談「資産家の娘である彼女が僕にお小遣い180万をくれます」

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人生相談「資産家の娘である彼女が僕にお小遣い180万をくれます」
家族や恋愛、お金や仕事など、日常における悩みは多いもの。ここでは、心理学者で大学教員の平松隆円さんがマイナビニュースのQ&Aコーナーに寄せられた悩みにお答えします。

今回のお悩みタイトルは、「資産家の娘である彼女と付き合ったら毎月彼氏である僕にお小遣い180万をくれます」です。

■質問

資産家の娘である彼女と付き合ったら毎月彼氏である僕にお小遣い180万をくれます……。もちろん毎回断っているんですが、当の彼女は「えっ、なんで?お金いらないの?」という感じの反応……。本人もかなりの額の仕送りをもらっているみたいで……。普通のOLで普通に会社勤めをしているんですが、そんなにたくさんお給料をもらっていないのにやけに羽振りがいいなと思ったら……。

80メートルくらい先の場所に行くにもタクシーを使うし、レストランで頼んだものが運ばれてきても、一口食べてまずかったら後はすべて残すし……。


これほどまでに金銭感覚がかけ離れている人とうまくやっていけるものなんでしょうか……。僕は普通の家で育ったので、なんだかもう平民と貴族みたいな感じになっています……。

⇒この質問にアドバイスをする場合はこちらから。

■回答

理想は自分と似ている人だけど……

「毎月彼氏である僕にお小遣い180万をくれます」というのを読んで、正直うらやましいと思いました。そして、1年つきあえば…………と、計算してしまった自分が恥ずかしいです。すみません。

ところで、この180万の出所は、どこなのでしょうか?けっしてうらやましいから、尋ねたわけではありません。というのも、ご相談者様は、「僕にお小遣い」と思っているかもしれませんが、もしかしたら彼女のために使うお金であって、あなたが使うお金ではないかもしれないと思ったのです。


結婚するときに、持参金というのがあります。嫁入りの際に新婦が用意する金銭のことですが、これは一般的には男性側に支払われます。ですが、それとはべつに、その昔、世の中に武士が存在した頃、大名家の娘が嫁に行くときには、親が娘に小遣いをもたせました。つまり、嫁ぎ先で肩身の狭い思いをしないでいいようにと、娘の小遣いは親が面倒をみたのです。

当時は、現金ではなく領地を分け与えられました。つまり、年貢での支給ですね。これは、娘に付随するものですから嫁ぎ先とはいえ、自由に処分することはできません。そして、婚姻が解消され、親元に帰ったときには、当然ながらなくなります。
歴史の授業で習うことはないかもしれませんが、そんな話が頭をよぎったんです。ですので、あなたは断るのではなく、毎月ちゃんと預かって彼女のために使わなければいけないのかもしれません。

さて、「金銭感覚がかけ離れている人とうまくやっていけるものなんでしょうか……」というご相談ですが、一般的にいえば自分と考え方や行動が似ている人の方が上手くいきます。好きな映画が一緒だったり、出身が同じだったりすると、急に親近感がわいて親しくなった経験って、ありませんか?これには、人間の経済原理志向も働いているかもしれません。

例えば、食べ物の好みが似ている場合、今日はラーメンが食べたいと思っていて、パートナーも同じようにラーメンが食べたいと思っていれば、スムーズに注文が決まりますよね。ですが、似ていなかったったとすれば、なにを食べるかを決めるだけで時間が大きく流れていってしまいます。それでは、正直なところ面倒だなと感じてしまいますよね。当然それは、金銭感覚にもあてはまるでしょう。


実際に、今の時点で「80メートルくらい先の場所に行くにもタクシーを使うし、レストランで頼んだものが運ばれてきても、一口食べてまずかったら後はすべて残すし……」という違和感を感じ、温度差があるようです。ですので、「うまくやっていけるものなんでしょうか……」と聞かれると、難しいかもとなってしまいます。

ですが一方で、自分と全く同じという人はほとんどいないわけです。どんな恋人たちも、お互いを知り、理解をすることで差を埋めようと努力します。ですので、「平民と貴族みたいな感じ」と心配しなくても、大丈夫かもしれませんよ。

(イラスト: のでこ)

○著者プロフィール

平松隆円……化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。国際日本文化研究センター講師や京都大学中核機関研究員などを経て、現在はタイ国立チュラロンコーン大学講師。
専門は、化粧心理学や化粧文化論など。よそおいに関する研究で日本文化を解き明かしている。NTV『所さんの目がテン! 』、CX『めざましどようび』、NHK『極める 中越典子の京美人学』など番組出演も多数。主著『化粧にみる日本文化』(水曜社)は関西大学入試問題に採用されるなど、研究者以外にも反響をよんだ。ほかに『黒髪と美女の日本史』(水曜社)など。

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