ゼロからはじめる「ScanSnap」第10回 - PCのスキャンソフト「ScanSnap Manager」を使いこなす (1) 読み取り設定をカスタマイズする
○読み取り設定をカスタマイズする
スキャンの設定を変更するには、通知トレイ(Windowsデスクトップ画面の右下)にある「ScanSnap Manager」アイコンを右クリックして、メニューから「Scanボタンの設定」(OS Xは「設定」)を選択する。「ScanSnap Manager」が起動して、現在の読み取り設定が表示される。
デフォルトで選択されているのは、「おすすめ」設定だ。「コンパクト」や「きれい」を選ぶと、画質が「ファイン」(200dpi)や「スーパーファイン」(300dpi)にそれぞれ固定される。基本の設定は変えずに、スキャン解像度だけを変えたいときは、これらを選ぶことでワンクリックで切り替えることができる。
より細かいカスタマイズが行うには「詳細」をクリックする。「保存先」や「読み取りモード」など、6つのタブが表れて、スキャンデータの保存先やファイル名、画質やカラーモードなどを個別に変更可能だ。
よく使うのは「読み取りモード」タブだ。画質やカラーモードだけでなく、取り込む書類の種類に合わせて、細かいカスタマイズが行える。例えば、裏表に印刷されている用紙を取り込むときは、読み取り面の選択を「両面読み取り」にする。また一度に取り込めない書類なら、「継続読み取りを有効にします」にチェックを入れると、分割して取り込んだあと、1つのPDFに変換できるようになる。
名刺やはがきを読み取るときに便利なのが、「ファイル形式」にあるPDFフォーマットオプションだ。2ページごとにPDFファイルを作るようにすることで、名刺やはがきをまとめてスキャンしたときでも、1枚ずつPDFを作って保存できる。
この設定を使うときは、「読み取りモード」タブで「白紙ページを自動的に削除します」が有効になっていると、ページがずれてしまうので、チェックを外しておくとよい。詳細で設定を変更すると、「おすすめ」や「コンパクト」、「きれい」ではなく、「カスタマイズ」に保存される。「おすすめ」を選べば、デフォルトの設定にいつでも戻ることができる。設定を変更したら「OK」(または「適用」)をクリックする。ScanSnap Managerが通知トレイに格納されるので、原稿をセットしてスキャンを行う。
●慣れた人におすすめの「詳細設定」登録と使い分け
○クイックメニューを使わずにアプリケーションを選択する
クイックメニューは、iX500を使いやすくしているユーザーインタフェースの1つだ。iX500本体のスキャンボタンを押すと、スキャン後にクイックメニューが表示され、そこから保存場所やアプリケーションを選ぶ。もし、あらかじめ保存先が決まっているなら、クイックメニューを経由せずに操作ステップを減らすことが可能だ。
これは慣れた人向けの設定だが、自分のスキャン用途が決まってくると、スキャン設定の内容も自ずと限られてくる。いつも同じようなスキャンを実行しているなら、ScanSnap Managerを起動して「クイックメニューを使用する」のチェックを外すのもよいだろう。
このチェックを外すと、「アプリ選択」のタブで「クイックメニュー」以外の項目が選べるようになる。メニューの内容は、クイックメニューと同じ。ここであらかじめ指定しておくことで、スキャンボタンを1度押すだけで、データの保存まで全自動で行えるようになるというわけだ。
ちなみに選んだ項目によっては、「アプリケーションの設定」ボタンが押せる場合もある。例えば「Evernote」を選ぶと、OCR処理を行うための「読み取り可能なPDFにする」というオプションが利用できるようになる。また「ピクチャフォルダに保存」や「Dropbox」を選ぶと、プレビューを表示するしないなどを設定可能だ。
○オリジナルの読み取り設定を登録して使い分ける
クイックメニューを無効にすると、「読み取り設定」も使えるようになる。これは、カスタマイズした読み取り設定に名前を付けて保存する機能だ。デフォルトでもいくつか登録されており、項目を選ぶだけで、それぞれの用途別にカスタマイズした設定を呼び出せる。名刺の読み取りに適した設定や、自炊用の設定などを作っておけば、スキャンの効率もアップする。
設定を保存するには、「読み取り設定」から、「新しい読み取り設定」を選択する。読み取り設定の新規作成画面がポップアップするので、現在の設定に名前を付けて保存すればよい。リストに読み取り設定が追加され、以後は、リストをクリックするだけで、利用したい設定を簡単に呼び出せるようになる。
また「読み取り設定の管理」をクリックすると、読み取り設定の順番や名前を変更することが可能だ。
不要になった項目もここで整理できる。
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これまで全10回にわたって「ScanSnap iX500」の使い方を紹介してきた。ドキュメントスキャナとして歴史を持ち、定番の地位を確立しているScanSnapシリーズだけあって、手軽にサクッと使える一面と、詳細な設定で思い通りに使いこなせる深さをうまくミックスしている。購入を検討している人は多いと思うが、この『ゼロからはじめる「ScanSnap」』が多少なりとも参考になれば幸いだ。
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