『HiGH&LOW THE WORST』志尊淳、甘い顔立ち×必殺アクションのギャップにひれ伏す
『HiGH&LOW THE WORST』(以下ハイロー)のポスターの真ん中に映っている志尊淳を見て、不覚にも一瞬、誰? と思ってしまうほど、凛々しいを通り越して凄みがあった。ついこの間、TBS系連ドラ『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』では、ふにゃ〜とした笑顔を浮かべていた人物、『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』では得意の子犬系男子として、春田と牧と黒澤の恋に参戦していく人物とはまるで別人……。人間を作っている成分が鉱物と植物くらい大差がある気がした。
だがもともと志尊淳は戦隊もので注目された俳優だ。戦隊ものは仮面ライダーと並ぶ若手男性俳優の登竜門で、その中の一作『烈車戦隊トッキュウジャー』(14年)で志尊はリーダー役だった。その後、私が彼に注目したのは『探偵はBARにいる3』(17年)での回し蹴りの速度。甘めの顔立ちとそのアクションのキレのギャップにひれ伏したものだ。
一見かわいいが獰猛なタスマニアデビルのように、優しげな顔で実は……みたいな役もやりつつ、知る人ぞ知る若手俳優だった志尊淳が幅広い層に注目されるようになったきっかけは、人間の多様性をテーマにしたNHKのドラマ『女子的生活』(18年)