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宮里藍流「勝つためのメンタルコントロール術」とは

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宮里藍流「勝つためのメンタルコントロール術」とは
アスリートにとって、メンタル面は非常に大切な要素だ。極度の緊張下においては、満足のいくパフォーマンスを発揮するのは難しい。ではトップアスリートはどのように「メンタルマネジメント」を行っているのか。女子プロゴルファー・宮里藍選手が語った。

○不振にあえいだ2007年

12月14日にHonda ウェルカムプラザ青山にて行われたイベントで、約300人のファンを前にトークショーを行った宮里選手。プロとしてのキャリア10年目の今年は、5年ぶりの未勝利に終わり、2009年から続いていた米女子ツアーでの連続V年数記録も「4」でストップした。「結果を見てみると満足してないですし、思うような体の状態も作れなかったので、自分としてははがゆかった」と今年を振り返った。

プロ10年間で一番記憶に残っていることをファンから問われた宮里選手は、間髪いれずに09年の「エビアン・マスターズ」での優勝をあげた。
「人生で一番苦しい時期を経て勝ち取った1勝。まさか自分がスランプになるとは思わなかった」。07年には5戦連続の予選落ちを味わうなど、極度の不振にあえいでいた。03年に高校生で初勝利を収めてから、毎年順調に勝利を重ねてきた宮里選手が、07、08年と未勝利。もがき、苦しみ、不振という名のトンネルからようやく抜け出られた後の勝利が、最も印象に残っているという。

○2人のメンタルトレーナーとの出会い

「メンタルコーチを付けて5年ぐらいになる」と本人が言うように、この「エビアン・マスターズ」での勝利と前後して、宮里選手はピア・ニールソンさんとリン・マリオットさんから精神面における師事を仰ぐようになった。ニールソンさんは、5年連続で米女子ツアーの賞金女王を獲得したアニカ・ソレンスタムさんを指導した名コーチだ。

メンタルトレーニング導入後、宮里選手の成績は飛躍的に向上した。
「エビアン・マスターズ」での勝利を皮切りに、米女子ツアーでの勝利を重ね、2010年6月には日本人初となる世界ランキング1位へと上り詰めた。その栄光は、数多くの気持ちの切り替え方法がもたらしてくれたものだ。

○この瞬間に集中しろ

その一つが「ステイプレゼント」だ。

「この瞬間、瞬間に集中するという意味の言葉です。自分の心が未来にもいかない。過去にもいかない。やっぱり(心が)揺れ動くことで、自分の中で迷いが生まれたり、ミスを引きずったりということがあるので、気持ちを前にも後ろにもいかせない。『ここだけ』っていう感じです」。


その言葉のおかげで、「ゴルフってミスはつきものなので、『ミスは出るかな』って自分の中で広く受け止められます」と、失敗を受容することができるようになったという。

○背中の後ろのドアを閉める

別の方法は「背中のドア閉め」だ。

「自分の背中の後ろにドアをイメージして『ドアを閉めたんだ』って思います。そのドアが開いていると、いつまでも(ミスをした過去に)行ったり来たりしないといけないので、ドアを閉めて次のドアをイメージするという感じですね」。

それでも、ミスを引きずっている様子が見られると、キャディーさんが「ドア開いているよ」と忠告するという。その声に、宮里選手は「わかってるよ!」とおどけ気味に返答するそうだ。キャディーと信頼関係を築くことによって、二人三脚で気持ちの切り替えに努められることができる点も強みだろう。

○負の連鎖をはねのける

精神的な原因などにより、スポーツ時に自分の思い通りのプレーができなくなる症状を表す「イップス」。
今でこそ、様々なスポーツ界で聞くことも多くなってきたが、元来はゴルフのパッティングにおいて、緊張のあまり極端にカップをショートしたりオーバーしたりする意味で使われていた。それほどまでに精神力を酷使する競技において、宮里選手はメンタル面をコントロールするための様々な術(すべ)を持つことで、ミスをひきずることを極力抑え、高いパフォーマンスを維持することにつなげている。

この宮里選手のメンタルコントロール術は、何もスポーツ選手だけに適用されるものではないだろう。会社員、公務員、自営業、学生…人間である以上、誰しもミスをする。その失敗をひきずることなく次のタスクに向かえるか否かによって、そのタスクの成否は大きく異なるだろう。ミスがミスを呼ぶという負の連鎖に陥らないためにも、宮里選手の「勝つためのメンタルコントロール術」を試してみてはいかがだろうか。

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