マネーのトリビア (12) ”ペーパーレス化”された上場企業の「株券」、どうやって管理されてるの?
株は単に売ったり買ったりするだけのものではありません。
株を買うということは、その企業の株主になるということを意味し、株主には配当を受け取ったり株主総会に出席したりする権利が与えられます。
この権利の証(あかし)となるのが「株券」ですが、残念ながら、いつまで待っても受け取ることはできません。
というのは現在、上場企業(証券取引所に登録している企業)の「株券」はすべて廃止され、ペーパーレス化されているからです(上場していない株式会社の株券はまだ存在しますが、一般の人が売買することはできません)。
株券がないとすると、誰が株主であるかをどうやって把握しているのでしょうか。
上場企業の株の購入・保有に関するデータはすべて電子化され、証券保管振替機構という組織がまとめて管理しています。
銀行の口座振替が現金を動かさずにデータのやりとりで行われているのと同じように、株の売買データも株券を動かさずに行っているのです。
ご存じのとおり、投資家は証券会社を通して株を売買します。
その記録は、証券会社に作った口座で管理され、売買データは、証券会社から振替機構へ送られます。
振替機構は、株を発行した企業に、誰が株主であるかを年2回通知します。