奥様はコマガール (31) 30代既婚男性たちの妻への本音
そのとき集まったメンバーは僕以外に3名で、仮に親分肌のAくん、イケメンのBくん、バツイチのCくんとする。
彼らはみんな僕と同い年で、すでに結婚して子供もいるパパさんだ。
今回はそんな男飲みならではの、30代パパさんたちの本音をお届けしたい。
本音の対象は、それぞれの奥さんについてである。
もちろん、これが世の既婚男性の一般論というわけではなく、あくまで一例にすぎないので、どうか寛大な心で読まれたし。
最初、話題の中心になったのはバツイチのCくんだ。
Cくんはこの飲み会の直前に、あろうことか奥さんと大喧嘩したらしく、序盤からテンションが下がり気味だった。
「女っていうのは、本当にわからない……」。
そう連呼して、頭を抱えていたのだ。
曰く、喧嘩の理由はこの飲み会にあるらしい。
前の日までCくんの飲み会参加を快く了承していたはずの奥さんが、当日の開始直前になって、突然ごねだしたという。
「わたしが大変な時期なのに、あなただけ遊びに行って! 」。
そう、奥さんはCくんとの第二子を妊娠中だったのだ。
Cくんは「それなら最初からそう言ってほしかった」と愚痴をこぼした。
確かにそれはそうだろう。
前日はOKだったことが、当日になって一転してNGになることほどつらいものはない。
これはいったい、どういう心変わりなのだろう?「嫁が言うには、気が変わったんだって」。
Cくんは続けた。
「昨日はなんとなく機嫌が良かったから、ついOKしたけど、今日はそういう気分じゃなくなったらしくて、急に怒りだしたんだよ。
まあ、妊娠中はそういうこともよくあるらしいよ」。
お、女だ――。
僕は唖然とした。
この感覚は、男には一生理解できないだろう。
結局、その飲み会でCくんは酒を頼まず、コーヒーを一杯飲んだだけで、さっさと途中退転した。
なんでも奥さんとの大喧嘩の末、最終的に「行くならいいけど、すぐに帰ってきなさい! 」と、これまた理不尽な命令を下されていたらしい。
かわいそうに。
一方、イケメンのBくんの奥さんは超放任主義だ。
夫が夜遊びしようが一切文句を言わないらしく、Bくんはいたって快適そうだ。2人の子育てに関しても、近くに住む両親が積極的に助けてくれるため、ますますBくんは自由を満喫できるようになったとか。
しかし、そんなBくんにも悩みがあった。
「嫁が日に日に太っていってて、それがつらいんだよ。
本当は3人目の子供が欲しいんだけど、最近の嫁の感じだと、そういう気分になれなくて……」。
今これを読んで気分を悪くした御婦人の皆様、どうか寛大に受け止めていただけると幸いです。
Bくんは決して悪気があるわけではなく、切実に悩んでいるのだ。
もっとも、これは逆のケースもありえるため、僕は我が身の将来が不安になった。
もしこの先、僕が太ってしまったら、さらに薄毛も進行し、完全に禿げてしまったら、チーはいったいどう思うのだろう。
彼女のことだから、遠慮なく「ハーゲ、デーブ」と罵ってきそうな気がする。
笑いのネタにされそうな気がする。
それはつらいなあ。
禿げは仕方ないにせよ、なんとか体型だけは維持したいものである。
その点、親分肌のAくんの奥さんは理想的だ。
彼の奥さんは3人の子供を産んだにもかかわらず、独身時代と変わらず細身でスタイルが良く、品のある綺麗な女性だ。
年齢もまだ30歳くらいで、すなわち女性のセクシャルな魅力を充分維持している。
「いいよなあ、Aの奥さんは綺麗でスタイルも良くて……」。
イケメンのBくんが恨めしそうな視線を送る。
「いや、だからといって、そういう気分になるわけじゃないよ」とAくん。
なんでもAくんは、その綺麗な奥さんとレス状態らしい。
Bくんのようにヴィジュアルに不満があるわけではないのだが、3人の子育てをする奥さんを間近で見ていると、もはや女性というより母親にしか見えなくなり、そういう欲求も湧いてこないとか。
理由と経緯は違えども、AくんもBくんと同じような夫婦生活を送っているのだ。
とはいえ、二人ともまだ30代半ばの男である。
当然、性的欲求そのものがなくなったわけではないため、それについては別の方法で処理しているとのこと。
僕が聞いた限り、それらは決して浮気というわけではなかった。
あくまで夫婦関係に悪影響を及ぼさないことを大前提とした、男のストレス対策のひとつであるということぐらいで記述を留めさせていただきたい。あとは、ご想像にお任せします。
その後、ひとしきりAくんとBくんのストレス対策について話が盛り上がったあと、いよいよとばかりにAくんが僕に視線を向けてきた。
「で、おまえのところはどうなん? 奥さんとそっちのほうは?」。
男同士の飲み会とは、言いたい放題ぶっちゃけ話のオンパレードだ。
だから僕も酔いに任せて、ざっくばらんに打ち明けた。
しかし、これ以上書くと文字数がオーバーしてしまうため、今回は泣く泣く断念せざるをえない。
いやあ、残念である。
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