新型「コンビニATM」入れ替え作業をミタ!! - 東京23区で4月末までに1700台!
普段は何気なく使っているコンビニエンスストアのATM。
銀行のATMコーナーがない場所や、夜間や早朝でも利用できるとあってその利便性は誰もが認めるところだが、コンビニ店内でのATM入れ替え作業を見たことがある人は、あまりいないのではないだろうか? 今回は、次世代ATMへの入れ替えが進む、セブン-イレブンでのATM入れ替え作業に密着することができたので、その模様をレポートする。
私がATMの入れ替え作業を”目撃”できたのは、東京都中央区新富町にあるセブン-イレブン。
4人の方が、作業に当たっていた。
4人のうちわけは、物流を担当している2人と、設置工事を担当している1人、警備会社の人1人。
ATMの入れ替え作業は、だいたい4~5人で行われるという。
1台のトラックに5台の新型ATMを積んで倉庫を朝に出発し、1日に4店舗をまわる。
4店舗しか回らないのにもう1台あるというのは予備のためで、トラックには暖房が完備されている。
暖房が備えられているのは、冬の作業の場合、ATMが冷えていると店内に搬入した時に結露してしまうからだ。
午前に2台、午後に2台を入れ替える。
東京都では、東京23区において、1月10日~4月末までに約1,700台が入れ替えられる予定。
1カ月に約400台を入れ替えるペースだという。
作業はまず、既存のATMをコンビニエンスストアから出すことから始まる。
ATMを持ち出す際は、機械の中のデータを消去して、工場から出荷された直後の状態にATMをリセットする。
その上で、搬送中に壊れないように、お金を数えたりする機械内の稼動部品を仮固定する。
通信ケーブルなどを外した上で、進行路に養生マットを引きながら、店の棚などにぶつけないよう注意して、トラックまでATMを移動させ運びこむ。
ATMにはキャスターが付いていて、マットの上をゴロゴロと移動しながら、作業員の方々の手で無事トラックまで運びこまれた。
ATMのデータのリセットが始まってから、30分後だった。
14時。
いよいよ、新型ATMをトラックから運び出す作業が開始。
安全に運び出すため、「ATM運搬車」という特別の台車にATMをはめこんでから、移動を始めた。
古いATMを運び出した時と同じように、店の棚や商品に傷をつけないよう、店内では慎重に、慎重に運び込まれる。それと並行して、ATMを設置する場所に、ATMをはめこむための「ブラケット」という枠を設置。
ブラケットにATMを固定する前に、ATM本体にブースをつけるためのネジを付ける。
横のブースは口座開設のためのパンフレットなどを入れるためのもので、後ろのブースは遮熱のためだ。
ブースをつけた後は、ブラケットにATMの本体を固定。
古いATMにもつながっていた各ケーブルを新型ATMにつなぎこむ。
ケーブルは、ATM通信用のケーブル、インターフォン用のケーブルなど。
全部で6本のケーブルがあった。
この時点で、トラックで来た物流作業員の方2人は、別の場所に新型ATMを運ぶためトラックに戻り、新富町のセブン-イレブンを立ち去った。
この時点で、コンビに店内に残ったのは、設置工事を担当している1人、警備会社の人1人の計2人。
ここで、新型ATMに電源を入れ、各種作業を行うことに。
まず、ATMデータをダウンロードし、初期設定を行った。
このATMデータが重要で、どこの店で使っているATMなのか、新しいATMに登録される。
警報試験も行われ、ATMに衝撃が与えられた際にきちんと警報が鳴るかなどがテストされる。
また、ATMの扉が開いているかどうかの状況などが警備会社のセンターに伝達されるか、回線がダウンした場合や停電になった場合などに同センターに伝達されるかなどを試す「信号テスト」が行われる。
また、ATMに備え付けの防犯用の押ボタンが押された場合に警報がなるかどうかも、店内でテストされた。
最後にレシート用紙を3ロールATMに入れ、ボノロンのマークをATMに貼り付けた段階で、新型ATMの入れ替え作業が全て終了。
時刻は、まだ15時半だった。
新しいATMの最初の利用者として新型ATMを使ってみた時は、普段何気なく使っていた時とは全く異なる感慨が得られたのだった。
ここでセブン銀行の新型ATMが、どう”新型”なのかを述べておきたい。
新型のATMは、同行で「第3世代ATM」といわれ、それまでの第2世代ATMと比べ、紙幣処理速度は6枚/秒から12枚/秒と2倍にアップ。
省エネモードからの復帰時間は7.6秒から0秒、次の処理への準備時間は9.5秒から2.8秒と大幅短縮された。これにより、出金・入金にかかる時間は従来のおよそ3分の2に、1時間あたりの利用可能件数は80件から100件に増加する見込み。
環境配慮では、第2世代では30分間取引がないと省エネ稼働に切り替わったが、第3世代ATMでは取引時間以外は常に省エネモードとなるように変更。
取引画面やセカンドディスプレイのバックライトをLED化するなどし、削減電力量は1台あたり約1,200kWh/年(現行機比約48%削減)、削減CO2排出量(1万5,000台換算)は年間約7,118t(CO2排出量を1kWh=0.391gとして計算)を実現した。
サイズは、第2世代ATMよりコンパクトに。
セカンドディスプレイの高さは第2世代ATMとくらべて16cm(167cm→151cm)低く、操作画面の高さは5cm(125cm→120cm)低くなった。
さらに操作画面の位置・角度を変更。
斜めから見えなくなる画面・背後確認ミラーといった第2世代の機能はそのままに左右の「ついたて」に守られる空間を約2倍に広げたことで、周囲から画面や操作が見えずらくなり、プライバシー性を向上させている。
カード紙幣の取り忘れを注意喚起するため、第2スピーカーや取り忘れ防止センサーを追加。
ATM上部に新たにカメラを設置し、取り忘れ時や警報発生時にデータとして記録するなど、利用者とAMT周りのセキュリティを確保している。
第3世代ATMは、2010年11月から、八王子などで約50台をテスト設置。
2011年3月からは東京都西部を中心に順次導入を開始した。
2011年度には東京都、山梨県、群馬県を中心に導入、2015年度上期中には全台入れ替える予定としている。
今後新型ATMが導入されるにつれ、利用者の利便性は向上していくはずだ。
その陰には、日々ATMの入れ替え作業を、さまざまな工夫をしながら行っている方々がいることが、今回の取材でよく分かった。
新型ATMの活躍を、願わずにはいられない。
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銀行のATMコーナーがない場所や、夜間や早朝でも利用できるとあってその利便性は誰もが認めるところだが、コンビニ店内でのATM入れ替え作業を見たことがある人は、あまりいないのではないだろうか? 今回は、次世代ATMへの入れ替えが進む、セブン-イレブンでのATM入れ替え作業に密着することができたので、その模様をレポートする。
私がATMの入れ替え作業を”目撃”できたのは、東京都中央区新富町にあるセブン-イレブン。
4人の方が、作業に当たっていた。
4人のうちわけは、物流を担当している2人と、設置工事を担当している1人、警備会社の人1人。
ATMの入れ替え作業は、だいたい4~5人で行われるという。
1台のトラックに5台の新型ATMを積んで倉庫を朝に出発し、1日に4店舗をまわる。
4店舗しか回らないのにもう1台あるというのは予備のためで、トラックには暖房が完備されている。
暖房が備えられているのは、冬の作業の場合、ATMが冷えていると店内に搬入した時に結露してしまうからだ。
午前に2台、午後に2台を入れ替える。
東京都では、東京23区において、1月10日~4月末までに約1,700台が入れ替えられる予定。
1カ月に約400台を入れ替えるペースだという。
作業はまず、既存のATMをコンビニエンスストアから出すことから始まる。
ATMを持ち出す際は、機械の中のデータを消去して、工場から出荷された直後の状態にATMをリセットする。
その上で、搬送中に壊れないように、お金を数えたりする機械内の稼動部品を仮固定する。
通信ケーブルなどを外した上で、進行路に養生マットを引きながら、店の棚などにぶつけないよう注意して、トラックまでATMを移動させ運びこむ。
ATMにはキャスターが付いていて、マットの上をゴロゴロと移動しながら、作業員の方々の手で無事トラックまで運びこまれた。
ATMのデータのリセットが始まってから、30分後だった。
14時。
いよいよ、新型ATMをトラックから運び出す作業が開始。
安全に運び出すため、「ATM運搬車」という特別の台車にATMをはめこんでから、移動を始めた。
古いATMを運び出した時と同じように、店の棚や商品に傷をつけないよう、店内では慎重に、慎重に運び込まれる。それと並行して、ATMを設置する場所に、ATMをはめこむための「ブラケット」という枠を設置。
ブラケットにATMを固定する前に、ATM本体にブースをつけるためのネジを付ける。
横のブースは口座開設のためのパンフレットなどを入れるためのもので、後ろのブースは遮熱のためだ。
ブースをつけた後は、ブラケットにATMの本体を固定。
古いATMにもつながっていた各ケーブルを新型ATMにつなぎこむ。
ケーブルは、ATM通信用のケーブル、インターフォン用のケーブルなど。
全部で6本のケーブルがあった。
この時点で、トラックで来た物流作業員の方2人は、別の場所に新型ATMを運ぶためトラックに戻り、新富町のセブン-イレブンを立ち去った。
この時点で、コンビに店内に残ったのは、設置工事を担当している1人、警備会社の人1人の計2人。
ここで、新型ATMに電源を入れ、各種作業を行うことに。
まず、ATMデータをダウンロードし、初期設定を行った。
このATMデータが重要で、どこの店で使っているATMなのか、新しいATMに登録される。
警報試験も行われ、ATMに衝撃が与えられた際にきちんと警報が鳴るかなどがテストされる。
また、ATMの扉が開いているかどうかの状況などが警備会社のセンターに伝達されるか、回線がダウンした場合や停電になった場合などに同センターに伝達されるかなどを試す「信号テスト」が行われる。
また、ATMに備え付けの防犯用の押ボタンが押された場合に警報がなるかどうかも、店内でテストされた。
最後にレシート用紙を3ロールATMに入れ、ボノロンのマークをATMに貼り付けた段階で、新型ATMの入れ替え作業が全て終了。
時刻は、まだ15時半だった。
新しいATMの最初の利用者として新型ATMを使ってみた時は、普段何気なく使っていた時とは全く異なる感慨が得られたのだった。
ここでセブン銀行の新型ATMが、どう”新型”なのかを述べておきたい。
新型のATMは、同行で「第3世代ATM」といわれ、それまでの第2世代ATMと比べ、紙幣処理速度は6枚/秒から12枚/秒と2倍にアップ。
省エネモードからの復帰時間は7.6秒から0秒、次の処理への準備時間は9.5秒から2.8秒と大幅短縮された。これにより、出金・入金にかかる時間は従来のおよそ3分の2に、1時間あたりの利用可能件数は80件から100件に増加する見込み。
環境配慮では、第2世代では30分間取引がないと省エネ稼働に切り替わったが、第3世代ATMでは取引時間以外は常に省エネモードとなるように変更。
取引画面やセカンドディスプレイのバックライトをLED化するなどし、削減電力量は1台あたり約1,200kWh/年(現行機比約48%削減)、削減CO2排出量(1万5,000台換算)は年間約7,118t(CO2排出量を1kWh=0.391gとして計算)を実現した。
サイズは、第2世代ATMよりコンパクトに。
セカンドディスプレイの高さは第2世代ATMとくらべて16cm(167cm→151cm)低く、操作画面の高さは5cm(125cm→120cm)低くなった。
さらに操作画面の位置・角度を変更。
斜めから見えなくなる画面・背後確認ミラーといった第2世代の機能はそのままに左右の「ついたて」に守られる空間を約2倍に広げたことで、周囲から画面や操作が見えずらくなり、プライバシー性を向上させている。
カード紙幣の取り忘れを注意喚起するため、第2スピーカーや取り忘れ防止センサーを追加。
ATM上部に新たにカメラを設置し、取り忘れ時や警報発生時にデータとして記録するなど、利用者とAMT周りのセキュリティを確保している。
第3世代ATMは、2010年11月から、八王子などで約50台をテスト設置。
2011年3月からは東京都西部を中心に順次導入を開始した。
2011年度には東京都、山梨県、群馬県を中心に導入、2015年度上期中には全台入れ替える予定としている。
今後新型ATMが導入されるにつれ、利用者の利便性は向上していくはずだ。
その陰には、日々ATMの入れ替え作業を、さまざまな工夫をしながら行っている方々がいることが、今回の取材でよく分かった。
新型ATMの活躍を、願わずにはいられない。
【拡大画像を含む完全版はこちら】