乳幼児1万人に5人が発症する「先天性肥厚性幽門狭窄症」。治療は投薬?手術?
調査対象はメドピアに会員登録をしている小児科、小児外科の医師で、有効回答数は272件。
先天性肥厚性幽門狭窄(きょうさく)症は乳幼児に見られる消化器系疾患で、生後2~3週間ごろからミルクを噴水のように大量に吐くようになる病気。
飲んだミルクが胃より先に進まなくなり、栄養を吸収できず体重があまり増えなくなる。
原因は胃と十二指腸をつなぐ幽門括約筋周辺の肥大といわれている。
小児外科の教科書には手術が第一選択と記載されていることが多く、小児科の教科書には内科的治療(幽門括約筋の弛緩(しかん)剤等の投与)が一般的とされている。
では現場では実際、どちらの治療法を用いていることが多いのだろうか。
手術と内科的治療それぞれのリスク等を両親に説明し、相談した上で治療法を決定すると答えた医師が28%。
症状の深刻さに応じて、内科的治療ではなく手術をしたほうが良い場合は手術となるようだが、一般的には内科的治療が先行する場合が多い。
「相談して決める」に次いで「外科の先生に相談した上で、内科的治療を行う」が21%。
「入院期間・手術時間もそれ程かからないため、手術を行う」は20%。
内科的治療は、手術よりお金も時間もかかるようだ。
一方、手術はそれなりに体への負担も懸念される。
症状の重さや幽門筋の厚みなど個々の体の特徴をよく医師から聞き、患者側が治療について正しい知識を得た上で、治療法を選択すべきだろう。
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