資源国通貨および高金利通貨の動き~2012年に入り大きく上昇へ
2011年の外国為替市場では、円相場が米ドルに対し戦後最高値を更新するなど、歴史的な円高水準が続きました。
また、米ドルのみならず、資源国通貨や高金利通貨なども、円に対し大きく下落しました。
しかしながら、2012年に入ると、それまでの動きが一変し、円に対し下落幅の大きかった通貨を中心に買い戻される展開となりました。
一般に、高金利通貨や資源国通貨などは、投資家心理が改善する局面で買われ、投資家心理が悪化する局面で売られるといった傾向があります。
そのため、これらの通貨の上昇には、投資家心理の改善が大きな鍵となります。
2012年に入ってからの各国通貨の上昇は、欧州債務危機の沈静化に向けて進展が見られる中、良好な経済指標の発表を受けての米景気の回復期待や、世界各国・地域の中央銀行の金融緩和姿勢などにより、投資家の過度な悲観が和らいだことが背景になっていると考えられます。
加えて、日本では、日銀が2月半ばに追加の金融緩和策を発表するなど、超低金利政策が長期間続くとみられていることもあり、相対的に金利の高い通貨への注目度が増したものと考えられます。
なお、投資家心理の改善や悪化には留意をする必要があるものの、それによって、高金利通貨や資源国通貨が必ずしも同じように動くわけではありません。